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「ペットは家族」の時代。悔いのない見送りの支えに:VOL.239

「ペットは家族」の時代。悔いのない見送りの支えに:VOL.239
PROFILE

酒井 恵さん(43歳)

ペットセレモニー きずな/静岡市清水区
歯科技工士や自動車学校の指導員など、複数の仕事を経験。育児をしながら調剤薬局にパート勤務していた頃、ペットの火葬業者の存在を知る。商工会議所の支援も受けながら、2018年4月に開業。犬や猫を中心に、これまでの依頼は約150件超にのぼる。

VOL.239
移動火葬車によるペット火葬・ペット葬儀

今でこそ「ペットは家族」ですが、昔は違いましたよね。20年前、私がかわいがっていた犬は市の火葬場で事務的に扱われました。すっきりしない感じがずっと残っていたんです。あの時ちゃんと見送ることができたら、気持ちの整理もついたはずなのに。

ペットの火葬業者の存在を知ったのは2年前のことです。都市部なら個別火葬も珍しくない時代ですが、地元にはほとんどありません。だからモデルなし。手探りでした。火葬車メーカーを探して「すいません、おいくらですか」と尋ねるところから。商工会議所の助けを借りながら事業計画を書いて融資を受けて。市の火葬場で働いている方に1日何件ぐらい火葬があるのか聞きに行ったこともあります。最近はお役所も開かれていますから「いいよ、いいよ」と快く教えてくれました。

火葬車で訪問し、飼い主宅で火葬する「訪問火葬」もあるが7~8割は飼い主が来社しての火葬。

遺骨を入れるキーホルダーやペット用仏壇も取り扱う。


調剤薬局に勤めていた頃に培われたものもあるかもしれません。時間をかけて、心を痛めている方のお気持ちをくむよう努めています。皆さん最初は、家族が亡くなった悲しさと「この葬儀屋は大丈夫かな」という不安で顔がこわばっているんです。でも火葬中にお話をして、お骨上げを一緒にさせていただくうちに少しずつ死を受け止めるのだと思います。「こんなに丁寧にしていただいて」と、ほっとした顔で帰っていかれる。自分の役割を果たせたと思うのは、そういう時です。

 

構成・文/東 雄介
撮影/刑部友康、片桐 圭、阪巻正志
アントレ2019.春号 「金も人脈も経験もなかった『まるごし企業 7人の勝ち方』」
より

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