2019/01/29 独立ノウハウ・お役立ち

学習塾・教室運営におすすめの会計ソフトと選び方のポイント

事務作業の負担を減らし、生徒の指導や経営に集中したいのであれば、会計ソフトの導入は大きなメリットになります。

そもそも会計ソフトは必要？

学習塾や教室によっては、表計算ソフトで普段の帳簿付けを行っているところもありますが、最近の会計ソフトでは経理作業の大部分を自動化することができます。月々にすると数千円のコストで、事務作業の手間と時間を大幅に短縮できると考えれば、導入しない手はありません。
また、税理士に記帳代行から丸ごと依頼している場合も、会計ソフトを導入することによって、「会社の経営状態をリアルタイムで把握できる」、「コストをおさえることができる」といったメリットが生まれます。経理とは、文字通り「経営を管理」することです。よって、本来であれば、全て丸投げしてしまうというのは避けたいところです。
税理士にとっても顧問先の経営者自身が会計ソフトを使って数字で会社の状態を把握できていると、経営について、より深いアドバイスがしやすくなります。税理士を活用する、という点においても会計ソフトを利用したほうがメリットは大きくなります。

学習塾・教室の会計ソフト選びでチェックしたい５つのポイント

学習塾・教室には、ほかのビジネスにはあまり見られない特徴がいくつかあります。例えば、多数の個人顧客に対して定期的な売掛金、回収（集金）が発生する、経営者や経理担当が教師と兼務であることが多く、オフィスワークに費やせる時間が少ない、働く人の数（講師）が多いなどです。こうしたビジネスの特徴を踏まえ、以下の5つのポイントから会計ソフトを選ぶと、業務効率は大きく変わってきます。
1. 場所を選ばず使えるか？　　　
2. スマホアプリの評価は高いか？　　　　　
3. 毎月の授業料集金と自動で連係できるか？
4. 請求書発行ができるか？　　　　　　　　
5. 給与管理ソフトと連係できるか？　　　　
なぜこれらのポイントが重要なのか、1つずつご説明します。

１．場所を選ばず使えるか？

複数の教室を運営している場合、それぞれの教室で備品などを購入し、経費として処理することも多いでしょう。また、経理担当者が日によって違う教室にいるケースも少なくありません。こうした場合、特定のパソコンでしか経理作業をできないインストール型の経理ソフト*よりも、各教室で経理処理ができるようなクラウド型の会計ソフトを選んでおくと楽になります。
また、今は１教室だけしか運営していないという場合でも、複数教室への拡大を見据えている場合や、経理作業を自宅など教室以外の場所で行うことがある場合は、なおさらクラウド型の会計ソフトがおすすめです。
*複数のＰＣにインストールできるものもありますが、データの連係という点を踏まえてもクラウド型の会計ソフトのほうが利便性に優れています

2. スマホアプリの評価は高いか？

学習塾・教室の経理は教師と兼任しているケースも多く、パソコンに向かって作業できる時間が限られています。最近のクラウド型会計ソフトであれば、スマホアプリを用意しているものが増えており、カメラでレシートなどを写真に撮るだけで読み込んで経費処理できる機能などもあり、忙しいなかで活用する機会も多いでしょう。各会計ソフトのスマホアプリを確認し、評価や口コミを参考に使い勝手のよいものを選ぶことで、日々の経理作業の負担を大幅に減らすことができます。

３．毎月の授業料集金と自動で連係できるか？

授業料の集金は、ほとんどの学習塾・教室で毎月発生する業務です。かつ、各生徒に請求の管理が必要なため、表計算ソフトなどを利用して管理しているケースも多いでしょう。さらに集金代行（口座振替）サービスを利用している場合はそちらへの登録や同期、加えて経理の帳簿付け、と多くの手間がかかります。会計ソフトを選ぶ際、集金代行サービスなどとのデータ連係機能を確認しておくと、毎月発生する手間を少しでも削減することができます。
最近では集金代行サービスも進化しており、クレジットカード引き落としと口座振替の両方を一元管理できたり、生徒管理機能も備えたサービスも出てきているので、こうしたサービスと連係している会計ソフトを利用することで、毎月必要な手作業を大幅に削減することができます。

４．請求書の発行ができるか？　

毎月の請求額が異なるため、各保護者宛に請求書を発行している場合もあるでしょう。こうした場合、「請求書を作成・発送する作業」、「各請求の債権管理」の２つが毎月の負担になります。
１つ目については、会計ソフトには請求書の作成・メール送信が簡単にできる機能を持ったものがあるので、その有無を基準にして選ぶのもよいでしょう。メールによる発送だけでなく、紙の請求書をワンクリックで郵送できるオプションサービスがついている場合もあります。
２つ目についても、会計ソフトに付随する請求書機能を利用すれば自動で記帳・債権管理まで可能なので、手作業の大幅な削減が可能になります。
請求書周りは会計ソフトによっては大幅に自動化が可能です。もし会計機能のない請求書発行サービスを別で利用する場合も、会計ソフトとの連係機能については必ず確認しておきましょう。

５．給与管理ソフトと連係できるか？

学習塾・教室の特徴の1つとして、他業種に比べて”働く人の数が多い”傾向が挙げられます。とくに個別指導塾やマンツーマンの英会話教室の場合、生徒数に単純比例して働く人の数も非常に多くなります。給与管理については表計算ソフトで管理したり、給与計算ソフトを利用している場合が多いでしょう。給与や保険料、各種税金の記帳自体は全員分を合算して行えばそれほど大きな手間ではありませんが、可能であれば利用している給与計算ソフトとの連係機能やデータのインポート機能を確認しておくとよいでしょう。また、教室の拡大を検討している方は、給与計算や人事労務周りのサービスを提供している会社の会計ソフトを利用しておくと連係がスムーズです。

まとめ

学習塾・教室で会計ソフトの導入を検討する際に気を付けたいポイントを整理しました。働き方の改革や生産性の向上が大きな課題となるなかで、生徒と日々真摯に向き合うことに多くの時間を割いている学習塾や教室を運営する方にとっては、それ以外の時間、つまり「事務作業をいかに効率化するか」が重要なカギになります。学習塾・教室に適した会計ソフトを選んで、効率化を上手に進めましょう。