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事業(会社)を継承した人を後押しする「事業承継補助金」とは? ~会社を成長させる新たなステージ~

事業(会社)を継承した人を後押しする「事業承継補助金」とは? ~会社を成長させる新たなステージ~

後継者に事業を託す事業承継は、会社の未来につなげるための絶好のチャンスです。後継者が先代から事業を引き継いだ中小企業の場合、業態転換や新事業・新分野への進出といった「第二創業」を後押しするための補助金が国から貰えることをご存じでしょうか。
今回は、事業(会社)を継承した人を後押しする事業承継補助金について紹介します。

事業承継補助金とは

事業承継補助金は、事業の承継に必要となる経費の一部を補助することにより、創業や事業承継を促し、日本経済の活性化を図ることを目的とした補助金です。以前は、「第二創業促進補助金」という名称でしたが、平成29年度から事業承継補助金になりました。
平成29年度補正予算での「事業承継補助金(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)」の応募期間は、一次募集が2018年4月27日~6月8日まで、二次募集が2018年7月3日~8月17日となっていました。今回は、2018年のデータをもとに事業承継補助金の概要を見ていきます。

1.補助対象者
(1)2015年4月1日から、補助事業期間完了日(最長平成30年12月31日)までの間に事業承継(代表者の交代)を行った、または行うこと
(2)取引関係や雇用によって地域に貢献する中小企業であること
(3)経営革新や事業転換などの新たな取り組みを行うこと

2.後継者の要件
(1) 経営に関する職務経験を有している者(自社もしくは他社での役員・経営者・個人事業主として経験3年以上)
(2)創業や事業承継に関する下記の研修などを受講した者
・産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業
・地域創業促進支援事業
・中小企業大学校の実施する経営者・後継者向けの研修
(3)同業種での実務経験などを6年以上有している者

3.補助額
経営革新を行う場合、最大200万円(事業所の廃止や集約を行う場合は、さらに廃業費用として300万円の上乗せ)

4.補助率
2分の1、または3分の2

5.補助対象となる経費
設備費、原材料費、知的財産権等関連経費、謝金、旅費、マーケティング調査費、広報費、人件費、外注費、店舗借入費、会場借料、委託費
事業所の廃止や集約を行う場合は、在庫処分費、解体費および処分費、原状回復費、廃業登記費
なお、ここで対象となる事業承継には、親子間での承継のほかに外部人材の招へいも含まれます。
(出典:事業承継補助金事務局/中小企業庁「平成29年度補正予算『事業承継補助金(後継者承継支援型~経営者交代タイプ~)』の公募を開始します」 /事業承継補助金事務局「【Ⅰ型】後継者承継支援型」 )

補助金の支給につながる経営革新とは

ここでいう経営革新とは、以下のようなことを指しています。
・新商品の開発または生産
・新サービスの開発または提供
・商品の新たな生産または販売の方式の導入
・新たなサービス提供方式の導入
・その他の新たな事業活動で販路拡大や新市場開拓、生産性向上など、事業の活性化につながる取り組み
例えば、地域で長年愛される食料品店を経営していた企業が、地元住民のニーズを受けて、食料品以外の商品(日用品や衣料品、雑貨)などの品揃えを増やし多角化したところ、新たな顧客層の開拓につながったケースなどが挙げられます。
一方、既存事業からの業態転換や事業所の廃止・集約による経営革新の例としては、地域の歴史ある鮮魚店が、複数所有していた店舗を集約し、さらに魚の仕入れルートや後継者が調理経験を持つといった強みを生かして、鮮魚の提供をウリにしたレストランを開業する、といったケースが考えられるでしょう。また、IT化の中、地域外での需要を開拓するため、獲れたての鮮魚をネット通販するといった取り組みなどもあり得ます。
(出典:事業承継補助金事務局「【Ⅰ型】後継者承継支援型」 )

補助金を受給するための流れ

事業承継補助金は、応募者全員が採択されるわけではありません。補助金を受けるには、以下のような手続きを行う必要があります。
1.認定支援機関に相談する
2.補助金事務局に必要書類を提出し、採択を待つ
3.採択されたら、事業実施後に補助金を受けるための報告などを行う
認定支援機関とは、地域の金融機関や公的な支援機関、税理士や弁護士、中小企業診断士といった身近な経営の専門家です。募集期間中は、全国で補助金の公募に関する説明会が実施されます。こういった場に足を運んで、認定支援機関の担当者と知り合うと良いでしょう。
また、中小企業庁では、採択基準の一例を公開しています。

(1)新たな取り組みの独創性
技術やノウハウ、アイデアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、またはそれらの提供方法を有する事業を自ら編み出していること

(2)新たな取り組みの実現可能性
•商品・サービスのコンセプトおよびその具体化までの手法やプロセスが、より明確となっていること
•事業実施に必要な人員の確保にめどが立っていること。販売先などの事業パートナーが明確になっていること

(3)新たな取り組みの収益性
ターゲットとする顧客や市場が明確で、商品、サービス、またはそれらの提供方法に対するニーズを的確に捉えており、事業全体の収益性の見通しについて、より妥当性と信頼性があること

(4)新たな取り組みの継続性
•予定していた販売先が確保できないなど計画どおりに進まない場合も、事業が継続されるよう対応策が考えられていること
•事業実施内容と実施スケジュールが明確になっていること。また、売上・利益計画に妥当性・信頼性があること
(出典:事業承継補助金事務局「【Ⅰ型】後継者承継支援型」 )

M&Aから「第二創業」を目指す可能性も

なお、平成29年度補正予算事業承継補助金「後継者承継支援型~経営者交代タイプ~」については、応募総数は481件。採択件数は374件だったと公表されています。事業承継による多角化や事業拡大を志す人全員に門戸が開かれているわけではないため、採択されない可能性もあります。
事業承継による業態転換や新事業・新分野への進出といった「第二創業」を目指す方法としては、補助金を受けるほかに、自社にないノウハウや技術、顧客、人材といった経営資本で強みを持つ企業を買収する、M&Aという選択肢もあります。M&Aの強みは、既存の事業や企業を買収するため、一から新たな事業を育てる時間を節約できる点です。

ただ、M&Aは統合後にシナジーを発揮できる企業かどうか、時間をかけて査定しなくてはなりません。統合がうまくいかなかった場合、既存の社員の離職など社内に混乱を招く可能性があるからです。事業承継による第二ステージを模索する後継者の方は、補助金の採択を受けるか、M&Aで時間を買うか、自社にとってどちらが最善かを検討してみましょう。
(参照:事業承継補助金事務局「事業承継補助金」 )

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目次

  1. 1.会社の経理を始めるために
  2. 2.法人の決算に必要なものまとめ
  3. 3.貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 4.損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 5.法人のための税申告・納付まとめ
  6. 6.法人にかかる税金は9種類もある
  7. 7.税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 8.法人のための節約のコツ

※公開は終了しました

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元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/articles/c0200085

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