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行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

行政書士の資格を取得したら、独立・開業したいと考えている方は多いと思います。一社員として行政書士事務所や一般企業で働くよりも、国によって定められた資格を活かして独立することで、自由に働けて定年がないこともうれしいメリットです。

しかし、行政書士として開業したからといって、すぐに稼げるわけではありません。

行政書士として独立をして、生活を成り立たせるためには、どのようなことを事前に準備しておくべきなのでしょうか。

本記事では行政書士として開業時に準備した方が良いことや心得を解説します。

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行政書士の働き方

まずは行政書士の資格や働き方について紹介します。

行政書士試験

一般財団法人 行政書士試験研究センターの主催する行政書士試験に合格する必要があります。1年に一度行われる試験で、合格率は10%から12%程度です。決して簡単な試験ではありませんが、10代から60代以上まで幅広い方が受験し、合格しています。

憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法が中心)、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題されるほか、政治経済などの一般知識、文章理解などを問われる試験内容です。

大学の法学部で学んでいた方や、公務員試験の勉強をした方であれば、行政書士試験の内容をイメージしやすいかもしれません。

「最近3年間における行政書士試験の受験者・合格者の属性」(行政書士試験研究センター)

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行政書士資格保有とされるその他の士業

行政書士試験に合格した方以外にも、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を保有している方であれば、行政書士として登録が可能になります。

「行政書士制度」(総務省)

行政書士資格取得後の働き方

行政書士の資格を取得した場合の働き方はさまざまです。行政書士事務所や、行政書士業務を行っている弁護士事務所で働く以外にも、一般企業の法務部や総務部などで行政書士資格を活かして働く方法もあります。

また、そうやって実務経験を積んだのちに、行政書士として独立・開業する方法があります。行政書士としての得意な分野や専門性を高めるほか、世の中の行政書士のニーズについても学ぶきっかけとなるでしょう。

もちろん、資格取得後に未経験でも、すぐに行政書士として独立することも可能です。

行政書士としての登録方法

行政書士になるには試験に合格するだけでなく、各都道府県の行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会の登録を受けることが必要となります。氏名、住所、事務所の所在地など必要な事項を登録します。

行政書士の新規登録方法

行政書士の新規登録申請には以下の書類が必要となります。

・行政書士登録申請書
・履歴書
・誓約書
・本籍地の記載された住民票の写し(3ヵ月以内)
・身分証明書
・顔写真

場合によっては戸籍抄本、公務員職歴証明書、雇用契約書、共同・合同事務所届出、事務所の所在等を確認するための書類などが必要となります。

必要な書類は、日本行政書士会連合会のWebサイトでPDFがダウンロードできます。

「新規登録の手続」(日本行政書士会連合会)

行政書士の新規登録にかかる費用

行政書士の新規登録をするためには書類だけでなく、費用もかかります。まずは日本行政書士会連合会への登録手数料として25,000円かかります。

また、登録する各都道府県の行政書士会によって入会金の金額は異なりますが、行政書士会への入会金も必要となります。東京都行政書士会を例にすると、入会金は20万円です。

さらに、登録免許税(収入印紙)も3万円もかかります。

このように都道府県によって金額は異なるものの、新規で行政書士登録をするためには25万円から30万円ほどかかるとみておきましょう。また所属会の変更や登録証の再交付などをする場合にも費用はかかります。

「各種手数料について」(日本行政書士会連合会)

「登録入会のご案内」(東京行政書士会)

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独立する際に必要な開業費用

行政書士として独立する場合、先ほど紹介した登録にかかる費用(25万円から30万円程度)のほかに、どのくらいの資金が必要なのか見ていきましょう。

事務所費用

行政書士事務所の開業でかかる費用や用意しなければならないものとして、下記のことがあげられます。

・事務所の賃料
・事務所の敷金、礼金、保証金などの初期費用

用意するべき備品や設備は以下の通りです。

・オフィスデスクやチェア
・PC
・インターネット接続環境
・スキャナーやプリンター、複合機
・書類を入れるキャビネット
・電話やFAX
・応接用のテーブルや椅子
・その他オフィス用備品や名刺 など

行政書士は一般的な事務所の用意ができれば特別な設備投資などの必要もないため、開業しやすいと考えられます。PCはMicrosoftのWordを始め、基本的な文書作成ソフトが問題なく使えるものを用意しましょう。セキュリティソフトの導入も忘れずに行います。

費用は事務所賃料にかかるものが大きく、場合によっては初期費用が総額100万円を超える可能性もあります。都心部であれば、事務所の賃料や初期費用などはさらに高額となることもあります。

レンタルオフィスなどであれば、インターネット接続環境やデスク、チェアなどもあらかじめ用意されており、会議や応接スペースも共有できるため準備する手間やコストを省けます。

自宅開業

独立する行政書士の中には、自宅を事務所として開業する方も多くいます。自宅内に事務所スペースを用意することで、低コストで事務所を設立できます。

メリットとしては、事務所開設のコストが大きく削減できるほかに、通勤の時間がないことや家事や育児、介護などのプライベートと仕事を両立しやすいことです。

また、自宅が賃貸であれば、賃料や水道光熱費などを按分して事務所経費に計上できます。その場合、物件の持ち主に「事務所使用承諾書」に承認して押印してもらい、行政書士会に提出する必要があります。

自宅開業のデメリットは、行政書士会に事務所を登録するため事務所兼自宅の住所がインターネット上で公開されてしまうことや、応接スペースが居住スペースと近くなってしまうことで、プライベートが守られにくいということが考えられます。

まずは費用をかけずに独立し、業務の案件や規模が増えてきたところで別の事務所を借りるなど、自分に適した方法で開業できるように進めましょう。

こちらもおススメ!
こちらの記事では、個人事業主向けに生活費の仕訳方法を解説しています。

「個人事業主なら、生活費は事業主貸で仕訳を行おう」

運営資金

開業費用以外に、開業後に運営していくための資金についても補足します。

事務所の賃料以外に行政書士会の月額会費があります。東京行政書士会の場合は月に6,000円なので、年間にすると72,000円となります。その他、会計処理や確定申告を税理士に委託する場合の費用もかかります。

「東京都行政書士会への行政書士法人成立(入会)届出のご案内 」(東京行政書士会)

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行政書士としての自分の方向性を決めよう

行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

行政書士が作成できる申請書や書類は、官公署に提出する書類を中心になんと1万種類を超えるといわれています。したがって、そのすべてに対応することはまず不可能でしょう。

まずは、自分がどのような方向に進みたいかを決めていくことが重要です。なぜ方向性を決めた方が良いかというと、顧客開拓のためにインターネットを利用するにしても、紹介をベースに仕事を得るにしても、自分の専門の分野がある方が相手に訴求しやすいからです。

行政書士の主な業務としては、「建設土地関連」「企業法務関連」「市民法務関連」「風俗営業関連」「国際関連」「運輸交通関連」「環境関連」などがあります。必ずしも1つの分野に特化する必要はありませんし、業務によってはいくつかの分野にまたがった仕事をしなければならない場合もあります。

自分がどのような方向で仕事を展開し、どの分野が関係してくるかを考えて、専門分野を決めることが重要です。方向性を決めるためには、自分のバックグラウンドも重要なポイントとなります。今までの経験が活かせる分野であれば、全く経験のないほかの行政書士に比べてスムーズに仕事にとりかかれるでしょう。

例えば、図面作成が必要な申請の場合は、CADで図面作成ができると作業がしやすいなどがあります。また、在留許可申請などの国際関連の業務に関しては、語学が堪能であれば依頼者とコミュニケーションが取りやすくなります。今一度、自分の進みたい方向性を、専門性やバックグラウンドを踏まえて見つめ直してみましょう。

行政書士間や他士業とのネットワークを構築

行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

今は誰しもインターネットで検索すれば、関連した記事や動画投稿サイトなどで申請書類の基本的な書き方を知ることができる時代です。

また、官公庁の窓口でも、説明を聞くことができるため、行政書士に依頼しなくても申請者が自分で書類作成・申請を行うことも容易になっています。したがって、行政書士に依頼してくる案件は、申請までの時間が限られていたり、難しい案件であったりする可能性が高くなります。それに対処するには、行政書士としての専門知識を高める必要があるのです。

では、専門分野の知識を得るためには、どうしたら良いのでしょうか?

地域にもよりますが、各都道府県の行政書士会で行われる研修や自主的に開催される勉強会などに参加することをおすすめします。

また、そういった勉強会に参加することで専門分野の方とのネットワークを広げ、難しい案件でも相談できる態勢を作っておくと良いでしょう。

税金の計算は税理士、登記に関することは司法書士、という風に、士業の独占業務があります。他士業の独占業務を侵害してはいけませんので、業務によっては他士業と連携して協力し合っていくことが必要です。そのため、他士業の知り合いを作ることも必要となります。日ごろから異業種交流会などに参加するなど、ネットワークを広げる努力も必要です。

他士業の方も、知り合いを増やしたいという思いは同じですから、“ギブアンドテイク”を考えながら、付き合える先を広げていきましょう。

助走期間が必要な行政書士の業務

行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

行政書士登録をしても、開業してすぐにすべての行政書士業務ができるわけではありません。

「特定行政書士」「申請取次」「出張封印」「著作権相談員」などは、行政書士としての登録後に研修を受けて、資格を得なくてはなりません。

上記のような、行政書士になってからしか取得できない資格を活用して業務を行いたいと考えている場合は、まず行政書士としての登録をしなければなりません。

資格を得た段階で事業を開始するという選択もありますので、その間は知識を高める期間と割り切って臨むことも必要でしょう。

開業にあたり収入以外の分野で考えること

行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

独立・開業では、収入に焦点が当てられがちですが、生活をしていくためには事業経営全般を考えなくてはなりません。

まず、税務の知識は最低限必要です。

会計ソフトで管理することも可能ですし、税理士に頼むことも可能ですが、基本的な会計知識は持っていた方が良いでしょう。

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こちらの記事では、おすすめの会計ソフトをご紹介しています。

「個人事業主なら使うべき会計ソフト8選?これで確定申告も楽々!」

特に考えなくてはいけないのが、「健康保険」と「年金」です。国民健康保険については、所得控除前の収入をベースに金額が変わります。配偶者控除や扶養控除などで所得税がかからない場合でも、国民健康保険には「均等割」という家族一人当たりに必ずかかる部分と、所得に応じた部分がかかることがあるので、注意が必要です。

また、年金に関していえば、独立開業すると「第1号被保険者」という分類になり、自分自身で保険料を納めなくてはなりません。もし、配偶者が専業主婦(夫)であった場合、配偶者も「第1号被保険者」となり、それぞれが保険料を納付しなくてはなりません。会社員のときと比べ、保険料の負担が倍になるので、こちらも注意してください。

まとめ:行政書士として開業する前に確認を

行政書士として独立開業し生活するための準備や心得を解説

行政書士として独立・開業して生活していくための方法について、述べてきました。

独立・開業とは、今まで会社の業務の一部だけを担っていた“あなた”が会社全体の責任を担うことを意味します。

自分の専門分野でしっかりと成果を出すことも必要ですが、資金の回収や会計など事務方の仕事もこなしていかなくてはいけません。

加えて、将来の資金についても準備をしなければならないことを理解しておきましょう。

自分の方向性をしっかりと確認し、準備をして、独立開業に臨んでください。

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PROFILE

北川美智子

化学品メーカーやIT企業でコンテンツマーケティングを担当したのち、WEBライターとして独立。得意分野は金融、転職、健康ネタなど。

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