「アントレSTYLE MAGAZINE」読者の皆さま、こんにちは。
美容家の高橋果内子です。
今回はご縁があり、「アントレSTYLE MAGAZINE」読者の方向けに、私の「独立起業ストーリー」についてお話しする機会を頂きました。
私は29歳まで一般企業の総合職で働いていましたが、「どうしても自分のやりたいことをやりたい!」と思い、30歳を機にベンチャー企業へ転職。
小さな会社でしたがさまざまな経験を積み、35歳の時に独立起業しました。
私の仕事に関する黒歴史は多くの方にお話していないのですが、今回は同じく独立起業を目指している「アントレSTYLE MAGAZINE」読者の皆さまに私の経験の中から役立つ情報や知識を提供できればと思っています。
SNSの普及や副業解禁の流れを受け、ここ数年起業する方が一気に増えていますね。
「自分の夢を実現したい!」というポジティブな理由で独立起業を検討している人もいますが、「今の収入だけじゃ苦しい」「今の会社にこのまま残るのも不安…」と理由がネガティブな方もいると思います。
「人生100年時代」と言われるようになった現代、会社員の収入だけに頼ることは逆にリスクがあります。
今回、いくつか例を挙げ、私の実体験も交えながらお伝えしたいと思います。
1.社員の昇給率が低い、リストラもあり得る
みなさん、ここ数年きちんと昇給していますか?
「入社当初に比べると昇給率が下がった…」という方も多いのではないでしょうか。
私の友人にも「今年の昇給、400円だった」と苦笑いしていた女性がいます。
社歴が長くなり、管理職に就くと管理職手当はもらえるけど残業代は出ない。
そういう会社も増えていると聞きます。
さらに、毎年夏と冬になると、ニュースで取り上げられる“ボーナス”のお話。
ボーナスは会社員として働くメリットとして考えている人も多いと思いますが、基本的にボーナスは、臨時的に支払われるものです。
会社の業績次第で「今年、ボーナスは出せません」と言われても、従業員としては文句の向けどころがないのが現実です。
そして、忘れてはいけないのがリストラのお話です。
「社員でいれば一生安泰」のはずなのですが、最近はなかなかそうもいかず、業績不振によってリストラを迫られることも増えています。
実際、私は過去に3度のリストラを経験しています。
(会社の行く末を見抜く力がなかったと反省しておりますが…)
皆さんにはあんなつらい思いをしてほしくはありませんが、会社は“会社を存続させる”ことに気が向いてしまうと従業員のリストラを案外さらっと切り出すパターンもあるのです。
2.退職金が期待できない、年金も不安
ボーナスの話にも通じるかもしれませんが、退職金が期待できなくなってきている時代。
今のお父さん世代くらいまでは退職金がある会社が多いかもしれませんが今の若い世代は、人気のある企業であっても入社時にすでに「我が社には退職金制度がありません」という企業も少なくありません。
実際、私がこれまで勤めた会社は全て退職金制度がない会社でした。
これまでは「退職金 + 国からもらえる年金」で老後の生活を守れるだけの金額が用意でき、老後の不安がなかったかもしれませんが、今の若い世代になると「退職金がもらえないかもしれない + 年金はいつから受け取れるか分からない」いうのが現状です。
過去に、自分自身の将来受け取れる年金について調べる機会があり、社会保険事務所に相談に行ったところ「あなたの年齢だと、65歳からもらえるかどうか分かりませんが…」と窓口の人に言われてしまうくらい、不安定な状況であることは間違いありません。
(窓口の人の個人的意見ではあると思いますが)
3.人生100年と考えると、退職してから30~40年分の生活費が必要
多くの方が『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)という書籍を読んだり、書籍名を耳にしたりしているかと思います。
『LIFE SHIFT』を読むと、人生100年と考えた場合、今を生きている私たちは「これまでの価値観ではなく、新しい価値観で生き抜かなければならないんだ!」と考えさせられます。
前述の退職金や年金など、これまで用意されていた制度は「60歳で定年、80~85歳くらいまで元気で暮らせる程度のお金を用意する」という前提での制度です。
しかし、現代は医療技術が発達して全体的に長寿命化しています。
ということはこれまでのシミュレーションが当てはまらないということになります。
(統計学上では、今の小学生は100歳まで生きる可能性が高いと言われています)
もちろん長生きすることはとても素晴らしいことですが、「85歳以降にお金がない!」なんてことになったら楽しい老後を迎える、なんて難しいですよね。
4.健康寿命が延びている
長生きする。しかも、老後も体力的に元気でいられる。
そんな日本はとても素晴らしい、恵まれた国だと思います。
でも、先にも書いた通り、老後を有意義に過ごすためには余裕のある資金が必要になります。
これまでは老後は3,000万円程度あれば大丈夫、と言われていましたが健康寿命が2倍近く延びる可能性があるのであれば老後資金も、単純に2倍必要になるということです。
と、ここまでなんだか将来の不安をあおるようなことばかりを書いてしまいましたが、これが現実だと思っています。
老後を最後まで楽しく過ごすためには、時間と体力に余裕があるうちに、余裕資金を増やして、そのお金を上手に運用する。これをすべきだと思います。
資産運用の第一歩は貯金です。
「今の仕事のお給料だけだと、どうしても貯金まで手が回らない」
という方は老後の不安が募るばかりでしょう。
そんな方はぜひ独立起業(もしくは副業)を検討してみてください。
いきなりの独立は勇気が必要ですので、周りのお友達で独立に成功した人や、専門家が集まるセミナーなどで、その人たちがどういう立場や気持ちで働いているのか聞いてみてはいかがでしょうか。
そうすることで、自分が独立するイメージが具体化できると思います。
そして、もし会社が「副業OK」なら、ぜひ副業にもチャレンジしてください。
私は自分の本業がありつつ、一時期収入が不安定になったことがあります。
その時は、契約社員として採用してくれる会社に一時入社して、生活が安定する基盤を整えていたこともあります。
何を副業にするかを考えるときは、ぜひ「自分の好きなことを仕事にするには?」という視点で考えてください。
世の中にはたくさんの情報があふれ、「この仕事は稼げる!」「この情報(商品)は売れる!」など、心躍るお誘いフレーズが並んでいますが、それらが本当に儲かるかどうかは、やってみないと分からず、自分が興味のないものを売ることは、本当に辛いです。
(だったら、会社員のままがいいや、ってなる場合も少なくありません)
売る方法はいくらでも学ぶことができますが、当然売りたいものは人それぞれ異なります。
周りから「これは儲かるよ」と、勧められたものをやるのではなく、自分が「これをやりたい!」と思えるものを決めて、「それをどうやって売るか」と売り方を学ぶことが重要です。
独立・副業系の情報は本当に玉石混淆です。
最初にどの情報を手に入れて、実行に移すかによって、未来が大きく変わってしまいます。
情報の選択には十分気を付けてください。
時折「会社に聞いてみたら、うちの会社、副業OKだった」なんて方もいたりしますので、副業NGだと思い込まずに、ぜひ会社への確認もしてみてくださいね。
この記事を読んでくださった人の中で「じゃ、まずは副業を考えてみようかな」と行動してくれる方が1人でもいてくれたら嬉しいです。
美容コーディネーター 高橋 果内子
OL生活を経て30歳で美容業界に転身。過去のモデル経験、多数の美容資格取得の経験から幅広いジャンルの美容情報に精通。現在はコラムニスト/美容コーディネーターとして活動し、ウェブメディアにて多数連載を持つ。
「一般社団法人 地域復興 美と笑顔を繋ぐ会」の代表も務め、美容家仲間たちと美にまつわる活動を通じてボランティア活動も行っている。