小澤幸治さん(40歳)
10勝1敗の好成績を残し、日本タイトル挑戦目前だったが、08年に網膜剥離で引退。
会社員として働き始める。週末起業を経て、13年8月に独立。パーソナルトレーナーとして活動しながら、ボクシングジムも経営。
VOL.225「ビビリ」の元プロボクサー セカンドキャリアで王者を目指す
本気で強くなりたい人お断り。
ダイエット目的のジム
ここはダイエット目的に楽しくボクシングをしてもらうジム。「本気で強くなりたい人お断り」と謳っています。会員は女性が半分以上。このビジネスモデルで後輩ボクサーのセカンドキャリアも応援できたらと。
日本タイトル直前までいったのに網膜剥離でプロ引退。夢も収入も失って、しばらく泣いて暮らしました。でも悔しくて。今度はセカンドキャリアでチャンピオンになる、社長になって年収1000万円だと誓いました。それから会社員として働いて、独立は35歳になる手前です。実は2年ぐらい踏み出せなかったんですよ。会社ではかわいがってもらっていたし、定収入を失うのは怖い。ビビって勉強ばかりしてる自分が嫌になりました。でも週末起業で「小澤式ダイエット」をテストしたら、これならやっていけるというぐらいの見込み客が。その安心感でやっと独立できました。ジム開業はまだ先だと思っていましたが、たまたま人から譲っていただくお話があり、初期投資をだいぶ抑えられたんです。
ビビリも悪いことばかりじゃないと思います。ビビリだからこそ、ボクサー時代は人一倍練習したし、減量法も科学的に学べた。起業前、不安で勉強に逃げたことも、今思えば役に立っています。そういう自分に週末起業はぴったり。テストして「やれる」と思ったから一歩踏み出せたんですよ。
撮影/刑部友康、片桐 圭、阪巻正志、宮田昌彦
アントレ2018.秋号 副業も事業承継も週末起業も私が選んだ「独立」のカタチより