多かれ少なかれ、独立・開業するにはお金が必要です。
法人か個人か、事務所や店舗のあり・なしによってかかる金額も違いますが、稼げるようになるまでには、ある程度の資金が必要なのは間違いありません。
ではそのお金、どのように用意しますか?
貯蓄があればそれを使えばいいのかもしれません。クラウドファンディングで集めるという方法もあります。借り入れをする場合は、親族から無利子で借りるという人もいれば、日本政策金融公庫や各種金融機関を利用する人もいるでしょう。
かかる費用も個人の事情も異なるため、特別なマニュアルがあるわけではありませんから、自分にはどの方法が適しているのか迷うのも当然です。できるだけ借金はしたくない…という本音も聞こえてきそうです。
借りるメリットとデメリット。借りないメリットとデメリット
皆さんは、借金をしないほうがいい経営だと思っているのではないでしょうか? もちろん借金はないに越したことはありません。ただし、無理は禁物ということです。
ここで1つの事例を紹介しましょう。
「ヨーロッパの古城を再現したレストラン」というコンセプトの商売を思いつき、希望の地に物件を確保した方がいらっしゃいました。ただ、借金をしたくないという理由から自己資金でできる範囲のややチープな建物にしたため、うまく古城の雰囲気を出すことができませんでした。結果、中途半端な仕上がりになり、お客が入らず店を閉めることになってしまったそうです。
いくらいいアイデアでも、それを実現させるための資金をケチってしまったことにより、うまくいかなかったというケースです。もし借り入れをしていたら、古城をイメージした豪華な建物によって話題となり、店は繁盛していたかもしれません。
しかし、「やっぱり自己資金だけで開業したい」ということであれば、まずは「ヨーロッパにあるカフェをイメージしたレストラン」というように、当初の目的からは規模を縮小して再現性を高め、そこで成功してから「古城」を目指すべきだったのかもしれません。
また、「黒字倒産」という言葉を聞いたことはありますか?
黒字倒産とは、収入が支出より大きく、利益が出ているにも関わらず会社が支払い不能に陥ることです。仕入れ→在庫→販売→売上金の回収というサイクルの物販業などの場合は、商品が売れなくても仕入れた代金は必ず支払わなければなりません。仕入れから売上金の回収までの期間が長くなると、現金が手元にない状況に陥り、商品が売れている・売れる事が見込まれているとしても、倒産してしまうのです。
このような場合、たとえ商売そのものは自己資金で賄えたとしても、売上金を回収できるまでの間はお金が回らないということを想定し、多少の借り入れをしておくか、もともとの仕入れを抑えるなどの配慮が必要だったということになります。
独立・開業した先輩たちはみな、どのようにお金の工面をしたのか?
本日、9月27日発売の季刊誌『アントレ』秋号にて、「先輩たちも迷って決めた。独立のお金、借りる? 借りない?」という特集が掲載されています。実際に借りて開業した先輩、借りずに開業した先輩に登場いただき、それぞれのメリット・デメリットを語っていただいています。どちらがいいというわけではなく、自身の事業や開業までのスピードを考えて、自分に合ったスタンスを決めるためのヒントにしてもらえればと思います。
また、「私が選んだ独立のカタチ」という特集では、副業や事業承継を含めた、それぞれの独立スタイルを紹介。
「世の中名乗った者が勝つ ヘンな肩書きで稼いでいます」という特集では、オタク専門美容室や、文具プランナーなど、専門性を活かして起業した方々の紹介もしています。ノウハウや実際の起業家事例が満載の秋号、是非、独立への1歩を踏み出す際にご活用ください。