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そのプロジェクトは利益が出ていますか? 責任重大な採算管理

そのプロジェクトは利益が出ていますか? 責任重大な採算管理

プロジェクトを進めていた際、フタを開けてみたら実は赤字だった…ということは企業規模を問わず色々な所で聞く話です。利益を出そうと思って始めたプロジェクトが「終わってみたら赤字でした」ではお話になりません。

プロジェクトを締めたら赤字、ということにしないためには、途中の採算管理が非常に重要となります。プロジェクトの採算管理というと、高額な業務用ソフトが必要というイメージもありますが、実はお手製のエクセルシートでも、最低限の採算管理は可能です。

プロジェクトの責任者や経営層がそのプロジェクトの採算管理に少し気を配ることができれば、プロジェクトの赤字を防ぐことができます。

フタを開けたら赤字のプロジェクト

あるプロジェクトを引き受ける際、戦略的に赤字で受ける場合は別として、基本的には黒字が見込めると考えて受注します。しかしながら、プロジェクトを締めてみたら赤字だった…という事態は上場企業から個人事業まで、色々な所で話を聞きます。

プロジェクトが赤字で着地しても、赤字になりそうだと事前に分かっていた場合であれば、やむを得ない面があります。しかし最後の最後まで赤字か黒字かがはっきりせず、着地後にプロジェクトが赤字だったと判明するケースも頻発しています。

問題は、採算管理ができているかどうかです。途中で赤字が見えていたら、何らかの手を打つか、腹を括るかしますが、採算管理ができていない場合は、箱を開けてみないと分からない、という恐ろしい世界です。

御社で走っているプロジェクトはどうですか?

●採算管理の意識の大切さ

赤字になってしまったプロジェクト、何が一番問題かと言えば、最後に着地するまで赤字が分からなかった点です。途中でプロジェクトが赤字になりそうだと分かれば、最後の手段は撤退という手もあります。

ただし、多くの場合でプロジェクトの途中はブラックボックスで、最後はビックリ箱を開ける結果となっています。この問題は、プロジェクトの採算管理が全くできていない、という点に帰結します。

●現場に採算管理を求めるのは難しい

プロジェクトを進めているのは現場であるから、現場で何とかしろ、と言いたくなるのは人情ですが、現場ではまず採算管理は厳密にできません。現場は基本的に目の前の作業をこなすことで手一杯で、プロジェクト全体を見回している余裕はありません。

よってプロジェクトの採算管理を行うべきは、社長や経営層。何度も受注プロジェクトの赤字で頭を抱えたことのあるSI企業(業界)の場合は、“プロジェクトマネジャー”という役職も存在しています。

SI企業や上場企業のように、採算管理の専門家を用意することは無理でも、一段上の立場の人間が採算管理の意識を持つことで、プロジェクトがビックリ箱になるという事態を防ぐことは十分可能です。

●簡単な採算管理はエクセルでも可能

プロジェクトの採算管理というと、業務系の高額なソフトが必要、というイメージもありますが、求められているのは経理レベルで利用できる厳密な採算管理ではありません。よって手作りのエクセルシートでも、十分採算管理に使うことができます。

例えば以下のようなイメージとなります。

業界やプロジェクトの内容によって修正の必要はありますが、大まかなフレームは上記で十分使えます。簿記2級の知識があれば、工業簿記で習った内容だ、とお気付きになるかもしれません。この知識は製造現場だけでなく、案外こういった所で利用できます。

上記のイメージの中で、売り上げは顧客から頂くものなので簡単に変わらないとして、問題は“変動費”の部分です。“変動費”をどのような計算式で入れていくかは、そのプロジェクトの内容次第なので、若干頭を使う必要があります。人が中心のプロジェクトであれば人件費×日数、外注作業であれば、外注費×工数など、内容はさまざまとなります。

ただし“変動費”の部分は、厳密に詳細を突き詰めないのであれば、数字化するのに手間がかかりません。社員の人件費は大よそ把握できますし、外注する場合は費用が明確になります(ただし外注の場合、追加請求がくる可能性も加味する必要があります)。まずはプロジェクトの状況を把握するのが目的なので、詳細の部分にこだわりすぎると本末転倒になるので注意しましょう。

このような形式で、手作りのエクセルシートでアバウトながらも採算管理をしておけば、プロジェクトを締めたら赤字だった、という事態を防ぐことができます。

簡単すぎる仕組みで、何だこんなものか、と思われる方もおられるでしょうが、このレベルの採算管理もできていないケースが本当に多く存在しています。要は簡単な内容であれ、採算管理の意識付けをする、ということが一番大切となってきます。

プロジェクトを正しく進行させるために

ビジネスにおいては、それまで予想していなかった事態が発生することが、一番問題となります。そして様々なプロジェクトにおいて、順調に進んでいると思ったら、最後の最後に締めたら赤字でビックリ、という事態が頻繁に発生しています。

しかしながら、プロジェクトをきちんと見ながら進めていけば、問題ありませんし、問題が発生すれば途中でアラームは鳴らせます。そうさせないための仕組みが採算管理といえます。

厳密な意味での採算管理は、専門的な学問領域でもあり、やり始めるとキリがありません。しかし、そのプロジェクトが黒字なのか、赤字になりそうなのか、というのは、簡単なエクセルシートでもおおよその把握はできます。

プロジェクトをビックリ箱にしないためにも、採算管理は早い段階から意識的に行い、赤字の芽は早期に摘んで、黒字でプロジェクトを着地させたいものです。

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目次

  1. 1.会社の経理を始めるために
  2. 2.法人の決算に必要なものまとめ
  3. 3.貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 4.損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 5.法人のための税申告・納付まとめ
  6. 6.法人にかかる税金は9種類もある
  7. 7.税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 8.法人のための節約のコツ

※公開は終了しました

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元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/2016/09/13/project_rieki_saisan_kanri/

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