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50歳でも現役で高校野球のグラウンドに立つ! 自由な働き方を手に入れた社会保険労務士

50歳でも現役で高校野球のグラウンドに立つ! 自由な働き方を手に入れた社会保険労務士

夏といえば、高校野球。

甲子園では熱戦が繰り広げられていますが、日本で唯一、50歳でも現役で高校球児たちと同じグラウンドで審判(アンパイア)をしている社会保険労務士の篠原丈司さん。

独立して約10年。昨年は、124回も講演をこなし、年間50〜70試合の審判もしているという。ワークライフバランスの良い自由な働き方を手に入れたアンパイア社会保険労務士の活動についてお伺いしました。

<プロフィール>
篠原丈司
社会保険労務士 昭和43年大分市生まれ。
大学卒業後、株式会社三越に入社。婦人洋品担当として銀座店、福岡店勤務を経て、平成18年に社会保険労務士の資格を取得。
平成21年1月 社会保険労務士篠原事務所 設立。
国や地方自治体、企業からオーダーされる講演や研修は、年間100回を超える。
全日本野球協会公認の審判員ライセンスを持ち、休日は小学生から高校、大学、社会人までの幅広いカテゴリーでジャッジをしている。

社会保険労務士篠原事務所
https://happy-spiral.jp/

高校球児と一緒のグラウンドに立つ50歳の現役アンパイア

ー日本全国で唯一の野球審判の1級ライセンスを持つ社会保険労務士だとお伺いしましたが、今も審判をしているのですか?

篠原さん
はい。私の知る限りですが、日本全国で唯一、野球の審判の1級ライセンスを持つ社会保険労務士だと思います。もちろん、今年50歳になりましたが、今も年間50〜70試合で審判をしています。全日本野球協会が公認するアマチュア野球公認審判員1級を持っているため、学童(小学校)から高校野球、また、社会人野球まで、軟式野球、硬式野球問わずお声がけ頂いたところで審判をしています。2018年は、高校野球の大分県予選でも4試合審判をさせて頂きました。

ー篠原さんも高校野球球児だったのですか?

篠原さん
いえ、それが高校では野球部ではありませんでした。中学までは野球が大好きだったのですが、高校では野球部に入らず、高校野球の経験はしていないのです。高校野球、甲子園は憧れたまま、大人になってしまいましたが、1級ライセンスを持つ審判という立場で、高校球児と一緒のグラウンドに立てるのは嬉しくて仕方がありません。また、大分の社会人野球では、新日鐵住金大分のような凄い選手たちのプレーを同じグラウンドで、間近で見られるのも幸せなことだと思っています。今も野球が大好きで、草野球チームに入って私自身プレーもしています。
ーどうして、審判の仕事をするようになったのですか?
篠原さん
正確に言いますと、審判は仕事ではありません。交通費程度とお弁当は出ますが、審判で生活しているわけではありません。好きな審判をする時間が作れるようになったのも、野球に関われるようになったのも独立して大分に戻って社会保険労務士の仕事を開業したからなのです。実は、審判も社会保険労務士も大分に戻ってから始めたのですが、類似点があります。

社会保険労務士の仕事と野球審判の類似点

ー社会保険労務士の仕事と野球審判の類似点とは、何ですか? 具体的に教えてください。

篠原さん
社会保険労務士は国家資格試験に通って認定されます。就業規則などの働くためのルールは法律で定められているので、それを学んで基準を満たした人が社会保険労務士になれるのです。野球の審判も同じです。野球では野球規則というルールに基づいて、試合が進められます。会社では、就業規則などの働くためのルールに基づいて企業活動が行われます。野球の審判がアウトやセーフという判断をするように、社会保険労務士は企業活動の上でのルールに基づいて審判しているようなものだと感じています。

ー篠原さんの独立前のお仕事について教えてください。

篠原さん
大学卒業後、株式会社三越に入社しまして、婦人洋品担当として銀座店、福岡店などで10年間働きましたが、会社員に向かないと感じ、何も考えずに会社を飛び出しました。その後、約7年間自分探しの旅のような転職を繰り返しました。就職で3社、派遣社員などの非正規社員として5社、合計8社を経験しました。その7年間の中で、労務に関すること、つまり社会保険労務士の仕事を知り、独立開業を決意しました。そして、平成21年1月1日に社会保険労務士事務所を開業。自由に働きたい、選択の幅を広げたいというのが独立の理由でした。

自由に働きたい、選択の幅を広げたい・・・でもどうすれば?

ー独立して、その自由な生活は手に入れられたのですか?

篠原さん
いえ。
最初は一般的な営業手法でもある紹介から仕事を増やしていきました。税理士など他の士業からの紹介で、単発の仕事を受け顧問契約を増やしていったんです。もちろん商売としては安定するわけですが、それとは逆に自由がなくなっていったんです。顧問契約をしていると入社、退社する人が出るたびに待ったなしで手続きの処理をしなくてはいけません。また、紹介された手前、苦手な経営者でも契約することがありました。百貨店勤務時代に、苦手なお客さんの接客はしたくない、売りたくもない商品を会社の業務命令で販売しなければならないというのが苦痛で辞めたのに、独立しても会社員時代と同じようになっていたのです。
しかし、何人かのロールモデルとなっている人からのアドバイスを得て、その状況から脱出できるようになったのです。

ー具体的にはどういう方法で自由な仕事のスタイルになったのですか?

篠原さん
顧問契約を減らしていきました。これで手続きだけのために振り回されることはなくなりました。入社や退社の手続きは誰がやっても同じにならなければなりません。給与計算なども同じです。ですから、これは自社で出来るように教えていきました。そして、私でなければならない相談やコンサル業務だけを引き受けるようにしました。就業規則をその会社に合わせて作るとか、従業員の採用などの仕事です。
おかげで時間当たりの単価が上がり、私自身の労働時間も減りました。社会保険労務士の仕事は、6月、7月が書類仕事などで忙しくなるのですが、誰がやっても同じ仕事は私の事務所では受けていませんから、時間が自由になり、この期間に開催される高校野球の地区予選でも審判ができるようになったのです。高校野球は平日の日中に開催されますから、実は審判をできる人も少ないのです。

ー平日の昼間に審判ですか? すごいですね。

篠原さん
はい。私も最初は平日にブラブラするのは罪悪感がありました。いまでは積極的にブラブラしていますが(笑)。自分が経営しているわけですから、働くルールも自分の自由に決められます。おかげで、高校球児と同じグラウンドにも審判として立てるんです。

ー講演の本数が年間100回もあるとも聞きましたが、どういう講演ですか?

篠原さん
難しいことをわかりやすく教えるのが得意で、好きなことでもあるんです。大分県庁などの行政や企業などで、タイムマネジメント、働き方改革、ワークライフバランス、ハラスメントなどを社会保険労務士の立場や経験をもとに話しています。これもロールモデルとなっている人から教えられたことなのですが、誰が聞いているのか? そこでどう思われたいのか? を意識して、同じテーマでも話し方、話す内容を変えたことで講演の依頼が増えてきました。

ー最後に、独立や起業を考えている方々へアドバイスをいただけますか?

篠原さん
ロールモデルとなる人を探して飛び込んでみてください。私のように適切なアドバイスがもらえるはずです。また、会社員時代からの習慣には気をつけてください。その習慣が独立した自分を縛ってしまう危険性もあります。独立したら自分が働くルールを作れるはずなのに…。おかげさまで、私は、今では、好きな野球と家族、そして、社会保険労務士の仕事のワークライフバランスの取れた充実した生活を送れています。もし望むならぜひ、皆さんも独立して自由な生活を手に入れてください。

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