横川雅子さん(41歳)
VOL.213リトアニアのリネンが人気。輸入雑貨のセレクトショップ
ネットショップでリスク回避も
意外に「実店舗のほうが好き」
いつかは雑貨屋さんを開きたい。女性を幸せにしたい。2つの気持ちがくっついて、何も知らないまま小売りの世界に飛び込みました。最初はお店がなくて、ネットショップだけ。初期投資が怖くてチマチマ始めたのが失敗でした。というのは、とにかく売れなかったんです。
店舗ならひと目で「素敵だな」と思ってもらえる商品も、ネットだときれいな写真を載せて文章はライターさんに書いてもらって広告を打ってと、お金をかけないと売れません。最初にリスクをとらなかった分、後からジワジワ。300万円あった貯金がみるみるなくなっていきました。
昨年ようやく、実店舗をオープンできました。もともと対面販売が嫌でネットショップを選んだところもあったんですが、ある時イベントに出店したらポンポンと売れて、何よりお客さんと話をするのが意外に楽しかったんです。おしゃべりをしてるだけで買ってくれて、翌日も「またきたよ」。お客さんがこんなにいい人ばかりとは知りませんでした(笑)。東欧雑貨のお店の仲間ができたのも良かったです。自分の値付けでは利益が出ないことも周りを見て分かりました。リスクを避けたことでずいぶんな回り道をしたように思います。できるなら最初から思い切る、失敗するなら早く失敗して方向転換。そっちがおすすめです。
撮影/刑部友康、片桐圭、阪巻正志、宮田昌彦
アントレ2018.夏号 「やっちまった」も財産だ 起業家7人の ザ・失敗より