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個人事業主が扶養に入るメリットと条件。扶養に入ると年金や社会保険はどうなる?

個人事業主が扶養に入るメリットと条件。扶養に入ると年金や社会保険はどうなる?

個人事業主とは、給与をもらっているサラリーマン(給与所得者)や、法人の経営者とは別に、個人で継続的に事業を行っている人のことを指します。

個人事業主とは、税務署に個人事業の開業届を出し、「事業所得」として確定申告します。
「個人事業主は扶養から外れる」や「扶養の範囲内で働いているから“青色申告”はできない」と誤解している人が多いように思いますが、個人事業主であることと、扶養であることは別のことです。
これらについて税制面と社会保険の両面から、詳しく見ていきましょう。

個人事業主でも扶養には入れるのか

そもそも“扶養に入る”とはどういった意味でしょうか。

国税庁によると、配偶者または親族に、一定の条件の配偶者または扶養親族がいる場合、配偶者控除または扶養親族控除という税制優遇を受けることができます。

その条件内で働いて収入を得る場合、自分の収入から所得税・住民税や社会保険料を負担する必要がありません。

これが、“扶養に入る”という意味です。

ですから、事業主であっても、年末時点で下記の要件を満たしていれば、配偶者または親族の扶養であっても問題はありません。

所得税と住民税、社会保険で、被扶養者の場合の支払いの条件が異なるので、それぞれ見ていきましょう。

(1) 所得税
a.扶養する側の合計所得金額1,000万円(給与所得だけの場合は年収1,220万円)以下
b. 合計所得(利子、配当、不動産、年金、給与、一時所得など)が38万円以下
c. 青色申告者の事業専従者、白色申告者の事業専従者ではない

では、b.の合計所得が38万円以下ということはどうやって証明すればいいのでしょうか。
これは、個人事業主自身が、確定申告で1月から12月までの事業所得(事業収入—経費)が38万円以下だということを申告しなければなりません。
事業所得が38万円以内(青色申告の場合は103万円以内)の場合、所得税はかかりません。
(2) 所得の計算例
確定申告書の所得の計算例を下記に示します。表aの売上から、材料費など仕入れ費用(表b)と経費(表3)を差し引いたもの表dが合計所得です。

この表の場合は、合計所得が100万円で38万円を超えるので、扶養に入ることはできません。

しかし、青色申告の場合は、65万円(表e)をさらに経費から差し引くことができます。
合計所得は35万円で38万円以下なので扶養親族になります。

(3) 住民税
住民税も同様の条件ですが、自治体によって非課税枠が28万円~35万円と異なるので、所得税が扶養親族で非課税の場合でも住民税がかかる場合があります。

扶養に入った状態での社会保険はどうなる?

社会保険の被扶養者に該当する条件は、所得税/住民税で異なるので注意が必要です。
また、加入する健康保険組合によっても異なります。
下記に協会けんぽの例を示します。
収入要件は、経費差し引き後の所得ではなく、年間収入(見込み)であること、青色申告特別控除は考慮されないことに注意してください。
被扶養者に該当する条件は、扶養者により主として生計を維持されていることと次のいずれにも該当した場合です。

(1) 収入要件

年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180万円未満※)かつ

1. 同居の場合 収入が扶養者の収入の半分未満※
2. 別居の場合 収入が扶養者からの仕送り額未満

※年間収入は、認定時の見込み収入額(給与所得等の収入がある場合、月額10.8万円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれる)

(2) 同一世帯の条件
同一世帯の配偶者、直系尊属、子、孫、兄弟姉妹以外の3親等内の親族

扶養に入った状態での年金はどうなる?

「厚生年金」に加入の会社員・公務員(第2号被保険者)以外の日本国内に住む20~60歳未満の人(第1号被保険者)は国民年金に入る義務があり、約1.6万円/月の国民年金保険料を払わなければなりません。

しかし、法律の前項の社会保険の被扶養者に該当する条件にあるように、会社員・公務員の配偶者・扶養親族に該当する場合は、第3号被保険者となり、国民年金の納付義務はなくなります。
国民年金保険料は収入に関わらず一定の金額なので、所得が少ない場合は負担が大きいと感じる方もいるようです。
個人事業で開業しても扶養のままでいたい理由の1つとして、「社会保険料、特に国民年金の負担を避けるため」が上げられます。

まとめ

個人事業主であっても被扶養者でいることはできますが、所得税、社会保険それぞれ、親族の範囲や収入基準が大きく異なっています。
特に社会保険は健保組合により、基準が異なります。一般的な話で大丈夫だと思わず、必ず配偶者・扶養者の会社に確認しましょう。

また、扶養の範囲を超えそうになった時には仕事の量を減らし、収入を減らすことも考えられますが、青色申告特別控除の制度を使い、きちんと事業にかかる必要経費や家事按分の費用(家賃や光熱費、通信費など)を計上することによって、売り上げから経費を除いた事業所得を下げる事こともできます。

長期的な視点で、収支のバランスを考える事業計画を立てましょう。

年収・所得が増え、扶養の条件を満たさなくなったとき、または扶養者が退職、定年、死亡、離婚などで社会保険の被保険者でなくなったときは、速やかに届け出(第1号被保険者への切り替え)をして、保険料を納めなくてはなりません。

気がつかないまま放置し、未納が続くと、国民年金を受給できない場合もあるので、注意が必要です。

PROFILE

経営コンサルタント 奥野美代子

外資系の高級消費財ブランドで、日本進出の子会社立ち上げから26年間、マーケティングマネージャーとして、ブランドPR、販売促進、店舗開発、リテール支援など幅広い経験を持ちます。
独立後は、中小企業診断士とFPのノウハウを生かし、経営者の法人と個人の財務コンサルティングやリスクマネージメント、事業計画策定、マーケティング支援など幅広い支援を行っています

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