社会保険労務士(以下、社労士)の切り替えは、とても手間がかかります。細かな引き継ぎ業務が何度も発生することで、社内でも人事・総務部門の労務管理業務に支障をきたす可能性が高くなります。
このようなことから、前提として、切り替えをせず長く付き合えるような社労士事務所を選ぶことが大切です。しかし、様々な理由で“切り替えたい”“見直さざるをえない”という要望が出てくることもあるでしょう。この場合、どのように切り替えを行うべきなのか、詳しく見ていきましょう。
なぜ顧問社労士を切り替えたいのか
顧問社労士を変えたいと思っている理由は何でしょうか。
・事務的な作業しか行ってくれない
・助成金などの最新情報を知らない
・迅速な対応をしてくれない
・監督機関の調査が入ったときの態度が頼りない
・会社の立場に立ったアドバイスをしてくれない
・料金が高い
・個人情報や機密情報の管理が心配
このように数々の理由があることでしょう。まずは、“なぜ現在の社労士に不満を感じているのか”という部分を掘り下げてみると、自社の課題や社労士に求めるニーズが見えてきます。
会社の成長ステージと社労士サービスの間に溝
社労士は、労働保険・社会保険や人事労務管理のプロです。就業規則や賃金体系の作成、労働保険や社会保険に関する申請や手続き、給与計算や助成金の請求から、労働管理や労使問題、労災や事故への対応、賞与や退職金などまで、人事労務管理に関して幅広く担います。国家試験に合格しているとはいえ、業務範囲が幅広いので、社労士や事務所によって得手不得手があります。場合によっては、取り扱いがない場合もあります。
また、会社は生き物です。スタートアップからアクセルを全開にして事業を拡大する時期、安定成長期…と、人員規模や業務のやりかた、経営方針なども都度変わることでしょう。
社労士事務所にも、“スタートアップに強い”、“大企業に強い”などの特徴があります。例えば少人数のスタートアップに対し、大企業のような就業規則を作成するような事務所だと、後々、規則の見直しをしたくなったときなどに、つぎはぎだらけになって困ることもありえます。
このように、会社の成長ステージと、顧問先の提供サービスに齟齬が生まれたとき、顧問社労士に不満が生まれると考えられます。
社労士は切り替えられるもの?
社労士は国家資格を取得している専門職ですが、一方でサービス業でもあります。サービスに不満を感じているなら、新しいサービス提供事業者に切り替えるのはごく普通のことです。
半年や1年などの期間で顧問契約を結んでいることも多いでしょう。どのタイミングでも切り替えることはできますが、契約が切れるタイミングをもって終了を打診するとスムーズです。切り替える理由を伝えにくい場合は、“友人が社労士として独立した”、“親会社と事務所を統一する”、“取引先の紹介”などと説明するとよいでしょう。
引き継ぎには、およそ1カ月程度をみておき、就業規則や直近1年分の労務管理関係の書類、賃金台帳、各種協定書などの必要書類を準備します。
料金に不満がある場合は?
同業他社などと話をしていて、うちの顧問社労士、料金が高すぎじゃないか? という疑問を感じ、変更したくなることもあるかもしれません。
社労士のサービス料金は、事務所によって異なります。事務作業中心の業務が多い事務所と、コンサルティングまできめ細やかに請け負う事務所では、当然料金も異なります。そのため、他社とは一概に比較できないものです。
今の社労士事務所の料金の妥当性について疑問がある場合は、同じ作業や依頼内容を提示して、いくつかの事務所に見積もりをとってみてもよいでしょう。たいていの事務所は、初回の相談無料サービスを行っています。ただ、料金が安い事務所がよいかというと、そうとも限りません。中には、安い料金をカバーするために大量の顧問先を抱えていて、1社1社に対してきめ細かなサービスができていないこともあるからです。そういった事務所では、迅速なサービスや的確なアドバイスが受けられない、トラブルのときに対応してくれないなど、新たな不満を感じることになりかねません。
料金が高いか安いかよりも、“このサービスに対して適正な料金か”という視点で見ることをおすすめします。
社労士との相性が合わないなら
社労士に依頼する目的は、専門家としての知見や第三者としての視点から、会社がよりよく経営できるようにアドバイスをもらうためです。知識がない、アドバイスが的確ではない顧問社労士であるなら、それは適任ではないということになるでしょう。
また、社労士との付き合いも、人と人のコミュニケーションの1つです。相性が合わないと感じていると、業務もスムーズにいかなくなります。
上述したように、個々の社労士事務所によって提供できるサービスは異なるため“今の社労士とは合わないな”と感じているようだったら、変更を検討してみてもよいでしょう。
目次
- 1.会社の経理を始めるために
- 2.法人の決算に必要なものまとめ
- 3.貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
- 4.損益計算書で会社の利益を把握しよう
- 5.法人のための税申告・納付まとめ
- 6.法人にかかる税金は9種類もある
- 7.税金を滞納したら、どんな罰則がある?
- 8.法人のための節約のコツ
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