宇佐美典也さん(36歳)
VOL.193キャリア官僚から再生可能エネルギーのコンサルへ
肩書エリートのプライドを捨て
いちから自信を積み上げる
キャリア官僚にもエリートなりのコンプレックスがあります。一緒に仕事するのは立派な起業家、専門家たちばかり。彼らは一つ一つ積み上げて今の地位を築いています。でも自分はそういうステップを飛ばしている。まるで裏口入学したみたいな後ろめたさがありました。
経産省を辞めたのは、一度自分も積み上げてみたいと思ったから。なんですが「肩書捨てたら地獄」でした。半年は役人時代のご縁で仕事を振ってもらえましたが、貯金が1000円を切ったことも。その縁も途絶えた時のことは忘れられません。人生が崩れていく感じ。足もとがグラグラして新橋から東京駅まで歩くのに4時間もかかった。でも覚悟が決まったのもその時です。自分の力で新しい人脈、新しい仕事を作るしかないと腹をくくった。
思えば僕は肩書を捨てても無駄なメンツを捨てていなかったんでしょうね。土下座して仕事を取るとか、どんな小さいチャンスでもつかみ取るみたいな「がむしゃら感」がありませんでした。でもそこからはメンツも捨てて、おごってもらえるものはおごってもらったり(笑)、できないものはできないと受け入れたり。ブログでセルフブランディングを始めると、やっと仕事が転がり始めました。今やっている太陽光の仕事も、ブログの記事がきっかけで依頼がきたものなんですよ。
アントレ2017.秋号 「会社員の肩書、プライド、業界の慣習から自由に! 捨てれば始まる」より