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大阪淡路の地域活性を目指す。「銭湯つき」ゲストハウス 雇われない生き方:VOL.191

大阪淡路の地域活性を目指す。「銭湯つき」ゲストハウス 雇われない生き方:VOL.191
PROFILE

森川真嗣さん(36歳)

ゲストハウス木雲/大阪市東淀川区
高専卒業後、フィンランド留学を経て、大阪の設計事務所に就職。
町づくりの仕事に関わる。
「地元の町づくりの当事者になりたい」との思いで2015年4月に退職。
実家の並びにあった三軒長屋をゲストハウスに改装。「銭湯入り放題」のサービスが話題に。

VOL.191
大阪淡路の地域活性を目指す。
「銭湯つき」ゲストハウス

会社員より、町の人たちの「身内」でありたくて

このゲストハウスの3軒隣に昭和3年創業の銭湯があります。僕はそこの三男坊。「風呂屋のおっちゃん」だった父親は、地域の役という役を引き受けていました。僕にとっても淡路は愛着がある町。けれども、わざわざ遊びに来る人はいない町です。このままシャッター街になるのは嫌や、風呂屋の将来も危ないとずっと思ってました。

前職は新大阪のほうの設計事務所、町づくりの仕事でした。
実は町づくりという言葉はあまり好きではないんです。ゲームみたいに、何にもない原っぱにボンボン家を建てて道路を走らせて、とやるならいいかもしれない。実際はすでに人が住んでいて、いろんな問題が起きていて、みんないろいろ考えている。外からやってきた人間が町づくりと言っても「何を偉そうに」となるんですね。会社員として町づくりに関わりながら、どうやったらこの人らと同じ側に立てるか、悩んでいました。

それに本当はいろんな地域を見るんじゃなく、自分の町、淡路でやりたかったんですよ。だったら会社員という立場を捨てて、いち住民、いち商売人としてこの町の人間になりたいと。

そんな矢先に銭湯の並びにあった三軒長屋が空きました。
それならゲストハウスにして、国内外のお客さんに淡路の良さを教えたろうと思ったんです。それで地図を作ったりおいしいお店を紹介したり。ゲストハウスには食べ物は置かないと決めてます。淡路やったら500円でおなかいっぱい、1000円あれば酔っ払えるお店がある。風呂屋の息子が何かやってるぞと、地元の人も協力してくれます。もうほとんど身内みたいに頼ってもらえるようになりましたね。
「あれどないなってんねん」「それも僕がやるんですか?」みたいなこともあって、時々困るんですけど(笑)。



構成・文/東 雄介 撮影/刑部友康、太田未来子、片桐圭、日高康智
アントレ2017.秋号 「会社員の肩書、プライド、業界の慣習から自由に! 捨てれば始まる」より

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