渋屋隆一さん(41歳)
VOL.190IT企業を専門とする経営コンサルタント
たった一言「収入は?」
黙して支える妻に感謝
やはりお金のことは心配でした。共働き夫婦ですが、上場企業で管理職をしていた私のほうが収入は多くて、家計を担っているのも私だったんです。妻に独立のことを打ち明けると即「収入は?」と返ってきました。収入に波はあるだろうけど毎月40万円は必ず稼ぐ、夜間アルバイトでも何でもして収入を確保する。そう話すと、私の決意を察したみたいで、独立を認めてくれました。
それきり妻は何も言いません。お金の心配は私本人が一番感じていることで、そこを突っ込まれると胸が痛む。だから妻は心配しながらも黙っているのでしょう。おかげで妻の顔色を伺うことなくやりたい仕事に集中できている。妻は自然と、私のポテンシャルを引き出してくれているんです。独立して4カ月もすると会社員時代の収入を上回りました。
私から仕事の相談をすることもありません。悩みを妻と共有しても解決はしない、ただの愚痴になっちゃいますから。でも以前は相談しなさすぎて「何をしてるか分からない」夫だったので、今は「こんな仕事をしてるよ」とだけ話しています。独立前から毎日書いているブログのことも教えました。たまに読んでいるみたいですよ。「これからは毎月30万円自己投資する」と書いたら「あのお金何?」って突っ込まれたので(笑)。
アントレ2017.夏号 「1人では決断できなかった 私と家族の独立物語」より