脱サラ農業を失敗しないために知っておきたい、収入や必要資金について

脱サラして農業をすれば、バラ色の生活が待っていると考えている方、十分な知識と準備は出来ていますか？

特に、農業経験が0の方や農業環境をこれから整える方は、かなり準備と経験が必要です。

農業のサイクルは1年単位が基本、種蒔きから収穫・出荷・販売まで、最低1年の経験が必要です。

ここでは、私（起業コンサルタント　丸本 敏久）が実際に体験した実体験の農業についてお話したいと思います。

趣味の農業と脱サラ後に生計を立てるための農業は別物

私自身　農業を始めた最初は、簡単に出来ると思っていました。

少しは勉強して始めたつもりでしたし、投資額に見合う売り上げも計算上は簡単でした。

しかし、実際はなかなか予想通りの売り上げを得ることが出来ませんでした。

最初に身に染みたのは、農業は規模が必要だという事です。

「農業がわからないから、小さな規模で始める」「家庭菜園で出来る量より多く、これで大丈夫だ」と、思っていました。

しかし、栽培して収穫して販売しても 採算ラインに乗らないのです。

全て出荷しても、全て売れるとは限らないですし、売れ残りもあるのです。

私の失敗は、農場の規模が小さ過ぎたのです。

規模のない農業は、価値（単価）をあげて売上を上げるしかないのですが、最初は作れるものが限られています。

農業を成功させるには、栽培に関するアドバイスを頂ける方が近くに居るのかが、重要なポイントとなります。

農業の基本の初期投資は、

・田畑の賃料（もちろん自分の土地があれば0円）
・農業機器（耕運機　田植え機　稲刈り機など）※耕作規模にもよる

この投資をしなければ、それなりの規模の農業は不可、人力ではとても無理です。

また、ランニングコストとして、

・種、肥料
・害虫・害獣対策が必要な場合はその費用
・出荷のための梱包資材、梱包機械（手作業であれば人件費）
・出荷のための配送費

あとは、ご自身の生活費も必要です。

生活費としては、3年間は頑張れる費用が用意されていれば、かなり安心です。

農業は１年でならず！

初めて種まきして、収穫できるまで、机上の勉強と実際の現場では大きな差があります。

それは、天候からも大きな影響を受けるからです。

同じ月でも、毎年気温の変動があり雨の量も違うのです。

お隣の耕作地と自分の耕作地と同じ時に種まきをしても、出来栄えが全く違うこともしばしばです。

肥料、水、土作り・・・実験であり経験になるのです。

その実験や経験に対して、アドバイスを頂ける人脈つくりも農業には必要です。

1年目の私が大変だったのは、販売先を見つけることでした。

せっかく生産した野菜を売るところがなく、無駄にした時期もありました。

近くのチェーン店のス－パーは手続きが大変だったり、相手の求める量を毎日出荷できなかったり・・・JAの直売所は、田畑のある地域からしか買ってもらえず、困ったこともあります。

脱サラ農業は、1人で出来ない！

栽培する農産物により、どれくらいの規模が必要かは異なりますが、規模が大きくなれば大きくなるほど1人ではできないということです。

夫婦で、365日とは言わないですが、最盛期を迎えると休日が取れないことも、しばしば。

雨が続けば作業したくても出来ない事もあります。

出荷作業は、袋詰めして出荷するなら自分たちで計量し袋詰めしシール貼りなども必要です。

毎日出荷するような農産物であれば、この作業も毎日、田畑の手入れとそれだけで1日が終わるかもしれません。

パートさんに、手伝ってもらうには人件費が必要です。

そのためには、やはりある程度の規模の農業をしなければ採算は取れないのです。

楽な農業はない！あなたは覚悟がありますか？

私自身、サラリーマンと自営業の最大の違いを自覚したのは、給料日に給料が入らないということ。

サラリーマンであれば、給料日にお給料が振り込まれ、会社に守られていることもあります。

それを、捨てて自分で農業をされる覚悟を持っていますか？
そして、しっかり準備ができていますか？

まずは、家庭菜園のレベルでも、自分で1年間作物を作ってみてください。

そしてそこから、規模を広げていき知識と経験を広げていってください。

農業は、毎年同じことは起こらないのです。

気候　環境など毎年変化しており、それに合わせての工夫が必要なのです。

まとめ

脱サラして農業を始めるには、十分な準備と知識が必要です。

また近くに頼れる人脈を作っておくと安心です。

種まきをして、日に日に成長していき、収穫の時期を迎える。

大切に育てた農産品を袋に詰め出荷。

買っていただいたお客さまからお褒めの言葉をいただくこともあります。

上手くやれば、農業は楽しい！

ぜひ、十分な準備と経験をして、そして覚悟をもってスタートしてください。