「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。
岩手県の保育専門学校を卒業後、すぐに結婚。家事をこなしつつ、ファストフード店やコンピューター関連の仕事に従事。数年後、離婚を機に埼玉県へ移住した。1年ほどファストフード店と服飾店で経理として働いた後、総合病院に就職。9年後に退職し、乳幼児専門の保育園に正社員として就職。3年後、次女の結婚を機に、鎌倉に引っ越す。2017年3月末で保育園を退職し、4月7日に鎌倉市内にフランチャイズの託児所をオープン。SNSを始めさまざまな販促活動を行う。
――10月の経営状況はいかがでしょうか?
――経営は順調ですね! 起業を検討中の方に、フランチャイズに加盟するか否か、開業形態選択時のアドバイスをお願いします。開業1年目のオーナーならではの視点をお伺いさせてください。
既にやりたい方向性が決まっており、交渉事を臆せずこなせるなどメンタルが強いと自負がある人は、自力で独立する形態が合っているのではないでしょうか。
――前回、ヨガ教室への出張保育をきっかけに、鎌倉市のコワーキングスペースとの提携などコラボレーションを増やしていきたいとおっしゃっていましたが、その後、ヨガスタジオ以外でも託児はされましたか?
――やってみようと考えてからの動きが早いですね! 開業当初、「理想の託児所をつくって、子どもを預かりたい!」とおっしゃっていましたが、現在は、理想通りの託児所となっていますか?
もっと理想に近づけるためには、木のおもちゃを増やしていきたいですね。あとは、持参していただいたおやつやお弁当を小分けにしたりするときにプラスチックの食器を使用しているのですが、「食」も大事なので、木もしくは竹でできたものに変えたいと思っています。また、より快適に過ごせるように空調設備を整えたいと思います。
――保育園に勤めていた時と、経営者として保育に関わっている今、その違いはどのようなところにありますか?
子どもの喜ぶ顔、楽しそうな声が身近に感じられることがとても嬉しく思っています。
――販促方法について伺います。前回はメールマガジンのように大人数に一気にメッセージを送れるLINE@の活用に力を入れているとおっしゃっていましたが、そのほか、何か新しく始めた取り組みはありますか?
――取材を開始してから1年となりますが、この1年間を振り返るといかがですか?
開業すると決めてからも、仕事をしながらの開業準備だったので、思うように進められないこともありましたが、今こうして託児所を立ち上げ、利用する方も少しずつ増え、形になったことに喜びを感じています。
――逆に、大変だったことは、どのようなことですか?
あとは、私の託児所は一時預かり専門なのですが、鎌倉市に私設保育施設の認可申請をしたとき、前例がなかったので書類提出など役所とのやり取りに時間がかかり、大変でしたね。
――では、嬉しかったエピソードは何でしたか?
また、開業が決まって早々に予約をしてくださった方が、利用後に「開業おめでとうございます。とても助かりました」と言ってお祝いのプレゼントをくださったんです。それがとても嬉しかったですね。
今回の取材を終えて
開業するまでに十分時間が取れなかったこと、ようやくオープンしたのになかなかお客さまがいらっしゃらなかったこと、市の私設保育施設申請や手続きに手間取ってしまったこと…。迷いながらも開業を決意し、独立しても、開業後は開業後でまた新たな悩みが出てきて、悩みが尽きることはないようです。
しかし、フランチャイズ本部のサポートをうまく活用しながら、SNSを始め、毎月何かしら新しい集客方法を試すなど、努力を重ねてきたからこそ経営が軌道に乗ってきているのだと感じました。
フランチャイズでの独立か、はたまた自力で独立したほうがよいのか。菊地さんのお話を聞いて、フランチャイズ本部を十分に活用できる方にとっては、自力で独立するよりもスピーディーに経営を軌道に乗せることができるのだと思いました。
「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年11月24日(金)。
ゼリーショップの店舗探しに奮闘中の橋爪夫妻(第12回・最終回)予定。
やっと条件に合うような店舗に出合え、急展開? お楽しみに!
更新日:2017/11/17文:篠原舞 撮影:三谷治
- 第1回 思いのままに方向転換! こどもの頃からの夢を鎌倉で実現したい
- 第2回 理想の店舗も見つかり、これからフランチャイズで本格的に始動!
- 第3回 物件が決まらず落ち着かないものの、できることから 着手!
- 第4回 開業場所がようやく決定!既に予約アリ!でも、内装工事はこれから
- 第5回 開業直前に「やっぱり開業はやめよう」と投げ出したくなったことも
- 第6回 ユーザー目線のアイデアで託児所開業の認知度UPを狙う
- 第7回 何をどこまで頼るべき? フランチャイズ本部との関係
- 第8回 悩み相談は、同じフランチャイズの先輩店長に!
- 第9回 手探りの販促活動を経て、ママ向けの効果的なSNS投稿時間は21時と判明!
- 第10回 予想以上に時間がかかる私設保育施設の認可取得!
- 第11回 フランチャイズでも「経営者」としての自覚が大事!
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