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監査って何? 何のために行われるの?

監査って何? 何のために行われるの?

監査という言葉を聞いたことはあっても、具体的に何を指すのか答えられないという人は少なくないでしょう。監査とは何か、なぜ監査をする必要があるのか、また、どんな作業をするのかなど、誰かに聞かれた時、あなたは正しく答えられるでしょうか。今回はそんな監査について、ご説明します。

1)監査とは

 監査とは何か、ざっくり説明してしまうと、決算書が正しいかチェックをすることと言えるでしょう。もう少し詳しく言うと、決算書の内容が正しいのか正しくないのかについて、会計士が意見することです。これを専門用語で、監査意見、保証と表現します。監査が何なのかを知らない人は、すなわち会計士がどんな仕事をしているのかについても知らないことが多いのですが、「会計士は監査意見を述べて、財務諸表の信頼性を保証するんだよ」なんて説明できたら、周囲から「この人は分かっているな」という目で見られるかもしれませんね。
 ちなみに監査の意味を、決算書に不正がないかチェックをすることだと誤解している人も多いのですが、正確には監査は不正のチェックではありません。仮に決算書に不正があったとして、会計士が会社側に指導しても不正が行われ続けるのであれば、「この決算書は正しくありません」(不適正意見)という監査結果になることがあります。そのほか、会社が重要な資料を提出できない場合などは、会計士はチェックのしようがないので「この決算書が正しいのか正しくないのか調べようがないので、今回は何も意見しません」(意見不表明)といった監査結果になる可能性もあります。

2)監査を受ける必要性

 上場企業など一定の要件に当てはまる大きな会社は、会社法や金融商品取引法の規定により、必ず監査を受けなければならないとされています。では、なぜそれらの会社は、監査が義務となっているのでしょうか。
 一言で言えば、株主や債権者、投資家に対して大きな責任を負っているからです。上場企業ともなれば、株主・債権者や投資家は多数存在します。それらの人たちから、会社は多額のお金を出してもらっています。そして出資者側である株主・債権者や投資家は、投資先である会社がちゃんとお金を使っているか、儲かっているか…などの情報はもちろん知りたいですよね。そういった情報を、四半期ごとや年度末に出される決算書から読み取ることになるのですが、全ての株主・債権者や投資家が会計的専門知識を身に付けているとは限りませんし、そもそも会社の人間ではありませんから決算書が正しいのかどうかの判断はとても難しいのです。そこで、株主・債権者や投資家の保護を目的として、会計のプロである会計士、またはその集まりである監査法人に決算書をチェックしてもらうように法律で決められているのです。

3)監査で行われること

 監査の具体的な作業ですが、非常に多岐にわたるため、一言で説明するのは難しいです。結局のところ、決算書が正しいかどうかを知りたいので、決算書の数字の根拠となる会社の資料のうち、重要なものは基本的に片っ端からチェックしていきます。もちろん、時間も人手も限られていますので、○○円以上の取り引きについて記載のある資料(金額的重要性が高い)とか特殊な取り引きの資料(質的重要性が高い)など、ある程度特定してチェックしています。
たとえば、売り上げの架空計上は不正の典型ですので、売り上げを計上するまでの流れを会社の担当者に確認したり、請求書などの根拠資料を見てチェックしたりします。また、内部資料だけでなく、取引先にも残高を問い合わせたり、外部から資料を入手することも多々あります。資料の隠ぺいや改ざんのリスクは、会社の内部資料よりも、取引先や銀行などから入手する外部資料の方が低いからです。ほかにも、工事の売り上げや原価の不正など、見積もり関連の取り引きは利益操作がしやすく不正リスクがとても高いので、厳しくチェックされることでしょう。

4)監査を怠った場合

 では、監査を受けなければいけない企業が、きちんと監査対応をしなかった場合は、どうなるのでしょうか。先述のとおり、不正をしたり、監査に必要な資料を提出しなかったりすると、「この決算書は正しくありません」、「この決算書に対して意見は言いません」という監査結果となってしまいます。
 決算書の内容で投資の判断をしなければならない投資家からしたら、そんな会社への投資は怖くてできないでしょう。さらに、出資している株主や銀行などの債権者も、そのようないい加減な会社にお金は貸せないと怒るでしょう。つまり、監査にきちんと対応しないと、会社の信頼が損なわれることになるのです。信頼性のない会社に、誰が出資や融資をしてくれるでしょうか? 不適正意見や意見不表明といった不名誉な監査結果になった会社は、信頼する会社に値しないと判断されて、もう誰からもお金を出してもらえないかもしれませんし、株式も売り払われて株価が大暴落するかもしれません。そうなったら、会社も存続が危ぶまれます。
 監査の結果というのは、会社の命に関わる重大なものなのだと、認識してください。

5)まとめ

 監査は面倒だし、とっつきにくいというイメージが強いかもしれませんが、会社や出資者たちにとって、とても大事な役割を果たしているのだということが、この記事で伝わりましたでしょうか。もし監査に関わることがあれば、そのときはぜひ誠実な対応をお願いしたいと思います。

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目次

  1. 1.法人決算と提出処理
  2. 2.会計ソフトの目的
  3. 3.freeの特徴
  4. 4.日々の経理におけるfreeeの操作方法
  5. 5.freeeを使った収支分析
  6. 6.決算申告に必要な作業
  7. 7.freeで行う決算書作成
  8. 8.税理士の役割

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元記事はこちら
https://keiei.freee.co.jp/2016/05/30/what_is_audit/

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