起業家、経営者にとって大事なのは、世の中を見抜く力です。1つの事象をどう捉えるかで、ものの見え方も、そこから得られる情報も大きく変わります。そうした「着眼点」、実はトレーニングによって鍛えることができるのです。累計20万部を超えるベストセラーとなった『戦略思考トレーニング』シリーズでおなじみの経営コンサルタント・鈴木貴博氏に解説してもらいましょう。
●経営者に必要な「着眼点」の鍛え方 第15回・iPhone8の価格はなぜ変わった?
いきなりですが、クイズです!
クイズの答えの中に、着眼点を鍛えるポイントがある
最近、「副業」「週末起業」といったキーワードに注目が集まっています。本業以外に収入を得たいという人だけでなく、いきなり独立開業するのは敷居が高いと考える人が、まずは副業から始めようというケースが増えているようです。
最近は、副業でできる仕事のバリエーションは驚くほど増えました。かつてのようなコツコツやる内職系の仕事はもちろん今もありますし、インターネットを活用した自宅で簡単にできる仕事や、自分のペースでスケジュールが組める外回りの仕事など、選択肢は豊富です。
アントレ読者にはおなじみの「フランチャイズ」を活用してできる副業もたくさん出てきています。世の中的に、複数の仕事を持つことを推奨する流れもあって、副業をスタートするにはいい環境がそろっているといえそうです。
それでは解説します!
副業を通じて、経営者に必要な視点を学ぶ場合、最も入りやすいものの1つがフリーマーケットやオークションを使ったビジネスではないでしょうか。最近は気軽に活用できるインターネットサービスも増えていることから、副業目的でなくても人気が高まっているのはご存じの通りです。
中でも、いろいろな話題を振りまいた「メルカリ」は、実は副業を考えている人にとって非常に手軽で活用しやすいものではないかと私は考えています。
「メルカリ」はフリマアプリで、スマホがあれば誰でも簡単にものの売り買いができます。たとえば自宅にある不要になったもの、買いすぎて余っているものがあれば、それを写真に撮ってサイトにアップすれば簡単に出品することができるわけです。
部屋掃除で出てきた不要なものを処分する時に、ただゴミとして捨てるのではそれで終わりです。しかし、こうした方法でお金に換えることができれば、それだけでかなりお得ですし、最近よく言われる「シェア経済」の流れとも合致しているといえます。
「メルカリ」に代表されるようなフリマアプリは、使いようによっては商売について学ぶいいツールになるのではないかと思うわけです。
せっかくなら自分の得意分野で商売を学ぼう
フリマアプリでモノが売れることがわかったら、ぜひ次の段階に進んでみてください。それは「モノを仕入れて売る」というチャレンジです。
仕入れ方はいろいろですが、もっとも簡単で初心者向けなのが、オークションサイトの活用です。たとえば「ヤフオク」などのサイトで「大量」というキーワードで検索すると、大量に売っているものがたくさん出てきます。
ゲームソフト、おもちゃ、CD、マンガや本、洋服などの日用品、アクセサリーなど、本当にいろいろあります。古書や絵画のようなものが出品される時もあります。
ここでのポイントは、何でもかんでも仕入れたらいいというわけではないということです。できるだけ自分で目利きができるもの、例えば好きなもの、得意分野で知識があるものなどを選ぶことです。あなたが最初にメルカリで売ったものに近い商品を選んでみてもいいでしょう。
目利きがあるものであれば、何がお金になりそうかが分かりますよね。ですから、大量に仕入れたものの中から、自分の目利きで「売れるもの」と「売れないもの」に分け、売れるものだけをフリマアプリで売る、というわけです。もしかしたら、他の人は気付いていないようなお宝があるかもしれません。
得意分野であれば失敗のリスクも減りますし、何より楽しんでできます。しかも商売のコツもつかめるので、独立開業のためのいいトレーニングになること間違いなしです。
楽しみながら、副業で収入を増やす!
副業を始める人が増えているからこそ、商売によっては競合やライバルも多くなってきています。しかし、そんな中でも、自分の得意なものや知識がある分野でチャレンジできれば、楽しみながら収入を得ることもできます。しかも将来のためにもなるわけですね。
副業に興味があるなら、ぜひ一度試してみてください。ついでにお部屋がきれいになるかもしれませんね!
最後に、もうお分かりだと思いますが、冒頭のクイズの答えは「メルカリなどのフリマアプリでいらないものを売る」でした。実際にフリマサイトをいろいろ見てみると、「こんなものも売れるのか」と思うことも多いので、ビジネスチャンスはいろいろありそうですね。でも買い過ぎにはご注意を。
経営戦略コンサルタント
百年コンサルティング株式会社
代表取締役
鈴木貴博