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経営者でも退職金はもらえる! 小規模企業共済のススメ

経営者でも退職金はもらえる! 小規模企業共済のススメ

会社の経営者や個人で事業を開業したというと、退職金がもらえないというイメージが大きいようです。しかし、小規模企業共済という制度を利用すると、経営者でも退職金がもらえます。共済を利用すると中小企業や個人事業主などの方の退職後や廃業後の不安を解消することができるだけでなく、節税対策や借り入れによる資金調達などのメリットもあります。共済を利用するノウハウを理解して、現在と将来の備えを始めましょう。

制度の内容

小規模企業共済は、会社経営者が退職後の生活の安定や事業の再建を図るための資金を準備するための手段として発足した制度です。小規模企業共済法という法律に基づいた国の制度であり、実際には独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

制度の内容としては、民間の保険会社や共済制度と同じように、あらかじめ毎月々掛け金を積み立てておき、退職や廃業などの際に共済金として積み立てておいたお金を受け取れるというものです。

フリーランスで仕事をしている人も利用できる制度であり、積立している間と退職金として受け取る際に節税効果が期待できます。少しでも経営安定のための資金を温存したいという人に安心の制度です。近年、節税対策のノウハウとして検討する人も多くなっています。

さらに、契約者貸付制度を持っており、一般の金融機関から借り入れるよりもスピーディーな資金調達が可能です。事業資金や関連資金の一般貸付や資金繰りの厳しい時のための緊急経営安定貸付をはじめとして、傷病災害時貸付や福祉対応貸付など事業以外の貸付も行っています。

加入資格

小規模事業共済制度は、一定の加入資格があり、それを満たしていない人は利用することができません。国の運営による安定した制度であり、税制上のメリットも大きいため、誰でも加入できるというわけではないようです。独立行政法人中小企業基盤整備機構とあるように、主に中小企業を手厚く保護するための共済制度なので、基本的に加入できる条件としては「中小企業の経営者と役員」に限られています。

開業したばかりの時期であれば、条件を満たしていることが多くなります。また、従業員が増えてくると加入できなくなる可能性がありますが、逆に最初から小規模企業共済に入っていれば、後に従業員が増えても継続することが可能となります。

加入できる条件としては、以下のようなものがあります。

1.建設業や運輸業、不動産業などで従業員数20人以下の場合
2.商業やサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で、従業員数5人以下の場合
3.従業員数5人以下の弁護士、税理士などの法人の社員
4.上記1、2の個人事業主の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

ただし、上記4.の共同経営者は、経営に関わっている上で、経営上の重要な意思決定を行っており、資金の負担も行っていること、報酬を受け取っていることが条件となります。また、共同経営者の加入においては、3年ごとに状況確認が行われて、きちんと経営に携わっているかが確認されます。従業員は家族や共同経営者、臨時雇いは含みません。

反対に、加入できない条件としては、配偶者などの事業専従者で共同経営者ではない場合や、営利目的ではない法人役員が挙げられます。また、本業として会社員や全日制の高校生である人の兼業も認められません。商業登記簿謄本に登記されていない役員も加入できません。

節税対策として

小規模企業共済の節税対策としてのメリットは、非常に重要です。税法上全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象になるので、一般の生命保険などと比べて節税効果が高くなります。一般の生命保険であれば、最大で年間12万円までしか所得控除ができず、高い保険料を節税に生かしきれないということもあるでしょう。その点、この共済掛金は払った分だけ生かすことができるのです。また、所得税だけでなく住民税でも同額の控除となります。ただし、その支払いは事業の経費にはなりません。

共済掛金は毎月1,000円~70,000円の範囲内から500円単位で自由に選べます。自分に無理のない範囲で金額を設定し、負担を抑えつつ節税に生かせるでしょう。途中でも金額を変えることが可能であり、経営の状況に合わせて減額したり増額したりといった使い方も便利です。払込方法も「月払い」「半年払い」「年払い」から選ぶことができます。さらに負担を抑えたいのであれば、掛金を「半年払い」や「年払い」の一括払いにする方が良いでしょう。前納された掛金に対して一定割合の前納減額金を受け取ることができます。

また、退職や廃業時に受け取る共済金は退職所得として扱われるので、退職所得控除のメリットもあります。退職金は老後の生活資金としての色が強いため、税金が低いものですが、それと同じ扱いで受け取ることができます。

まとめ

小規模企業共済は、中小企業の経営者や個人事業主に対して有利な共済制度です。加入条件があるため、条件を満たす可能性の高い開業時にこの共済に加入しておくと良いでしょう。小規模企業共済では、有利な節税対策にもなり、経営資金調達のための貸付の利用も行えます。節税による資金の安定と臨時の資金調達の備えで不安定になりがちな小規模企業の経営を助け、さらに退職、廃業の備えとしても有利となるでしょう。経営者の今と将来を支える安心感を共済制度で確保しましょう。

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