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集客成功のカギは“紙にこだわったチラシ” 年間密着取材Ⅱ ~山本さん編 第10回~

集客成功のカギは“紙にこだわったチラシ” 年間密着取材Ⅱ ~山本さん編 第10回~

「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。

山本晋也さんプロフィール
大学卒業後、学生時代にアルバイトをしていた大手の学習塾に入社。退職後、フランチャイズの学習塾を開業。雑誌の取材を受けるなど経営は順調だったものの、理想とする塾のスタイルと違うと感じ塾を閉める。その後、大手の個別指導塾に入社し、個別指導の運営方法などを勉強。退職後、2017年4月、神奈川県に「子別指導塾らぼ」という塾を開校した。チラシのポスティングを中心とした販促活動を行っている。

――前回、スタッフを募集すると伺いましたが、どなたか応募はありましたか?

募集はしませんでした。社会人になってから入ったアカペラサークルのつながりから、講師をしてくれる方が見つかったんです。

rupo_yamamoto

――経営者で「人」や「お金」に悩んでいらっしゃる方は多いのですが、山本さんは順調に進んでいるようにお見受けします。塾のPRもうまくいっているようですが、月ごとの広告宣伝費の予算組みのポイントなどはありますか?

年間でいくらとはっきり決めているわけではないので何とも言えないです。広告費をどれくらいかけるかは、生徒の集まり具合によっても変わりますから。その代わり、いつ、どのタイミングで、どんな広告を打つかは考えています。一般的に塾業界は、春期、夏期講習の前ですね。逆にあえてそこを外して、他校と差別化している塾もありますけど。

差別化のポイントはもう一つあって、実は紙なんです。うちのチラシは一枚あたりにかかるコストが、普通の倍です。厚めのしっかりした紙を使って、通常より小さいA5サイズにしています。ほかよりも、ちょっと上質で、コンパクト。そうするとチラシに高級感が出て、ほかのチラシに埋もれないんですよね。

rupo_yamamoto

――なるほど! 確かに、チラシは薄い紙が多いので差別化になりますもんね。なぜ、紙質を厚くしようと思われたんですか?

ほかの業界ですが、チラシの紙質や厚さにこだわり、集客がうまくいっているというのを聞いたことがあり、やってみたら当たったという感じです。ポスティングの部数は、通常の塾が撒く3分の1程度なんですが、反響はあったので正解でした。やってみてよかったです!

rupo_yamamoto

――出来ることは何でもやってみるという山本さんらしいですね。2校目を考えていらっしゃるとも伺いましたが、なぜ複数校舎を展開したいと思われたのでしょうか?

大学時代の同級生が僕の塾に興味をもったのがきっかけです。今はまったく別の業種なんですが、ちょうど仕事を辞めるタイミングで、たまたまのぞいてみようと思ったみたいです。そうしたら、なんか自分にもできそう、やってみたいと思ったらしくて。まだ検討中ではあるんですが。

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――まったく異なる業種で働いていらっしゃった方が、そこまでやる気になったのはなぜなんでしょう?

塾の雰囲気を気に入ってくれたんじゃないでしょうか。うちはデザインにすごくこだわっているんです。授業の内容さえしっかりしていれば、生徒は集まると考えているオーナーさんもいますが、せっかくなら、素敵な空間で勉強したいじゃないですか。お気に入りのカフェとか、好きなものが置いてある場所だとテンションも上がりますよね。だから、アパレルショップとか、人気カフェはなぜおしゃれに見えるのか考えたりしましたね。彼は学生時代に塾でアルバイトもしていたので、その違いにピンときたのかもしれません。

rupo_yamamoto

――たしかに、雰囲気づくりにも力を入れていますもんね。その勢いで今後、2校目も軌道に乗ったら経営に専念されたりするのですか?

今は現場が楽しいので、当分は経営に専念するつもりはありません。もともとたくさんやるつもりはなかったですし、まずは人を育てたくて。授業は生き物なので、そのときの状況で授業の方針を決められる人を増やしていきたいんです。最初から何校増やすぞと大きすぎる目標を立てるのはムリがでてくると思うんで。

rupo_yamamoto

――授業は生き物? それはスタッフとの付き合い方にも影響している考えですか?

そうですね。決められたカリキュラムに頼りすぎていると、うまくいかないこともあります。中3の内容をやっていても中2の内容を理解していないということがわかった時は、すぐに軌道修正した方がいいんです。このままやっても意味がないから、今日は基礎中心に切り替えようとか。そうやって、授業の内容や雰囲気って生き物みたいにコロコロ変わるし、読めないので、やりながら察知して良い教え方を探っていく。それが生徒にとっても一番いいことですし、スタッフの力を信じて、任せられる部分は任せるようにしています。スタッフもある程度の裁量権があった方が、やりがいも感じるでしょうから。

rupo_yamamoto

取材を終えて

これまでの経験にとらわれず、良いものは他業種のやり方でもどんどん取り入れていく。そこが黒字化にダイレクトにつながっていると感じました。考え方のポイントは、「お客さま、生徒から見てどうか」全てはそこにつながっています。だから、ぶれないし、生徒から見ても気持ちのいい塾なんです。ご本人は、「たいしたことない、当たり前」と思っていらっしゃることもあるようですが、まさに経営の基本。基本をしっかり押さえているからこその結果なんでしょうね。

「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年9月15日(金)。
2年後の定年までにどう独立するかを決めたい林原さん編(第10回)予定。
開業活動に注力できないのは将来への不安が原因? お楽しみに!

更新日:2017/9/8
文:篠原舞 撮影:中村公泰




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