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起業の時に受け取った助成金・補助金に関する税金の取り扱いについて

起業の時に受け取った助成金・補助金に関する税金の取り扱いについて

国は、起業に際して様々な助成金や補助金を用意しています。
ただし、この助成金や補助金が支給されるのは、実際に対象の事業を実施した後から。つまり対象事業を実施している間は、全て自費で賄わなければいけないということです。

また、補助金を探している段階では、補助対象経費まではなかなか目がいかないもの。
しかし、これから実行しようとしている計画にかかる経費のどれが補助対象となるのかは、実は非常に重要なことなのです。

さらに、助成金や補助金も税金の対象となり、「収入」として計上しなければなりません。収入ですからかかった費用を引いて課税されます。
ここでは、助成金・補助金に対してかかる税金についてご説明します。

補助金の経費確認書類のまとめ方

補助金申請書には、必ず経費明細書を添付します。補助金は、この経費明細書に書かれている経費について支給されます。
経費明細書は、原材料費、外注費、人件費、備品機械購入費などの区分別に集計します。

補助金によって、どのような費用が補助対象となるかは大きく異なりますし、備品機械購入費は金額に制限がある場合がありますので、各補助金の説明資料は事前にしっかりと読むことが重要です。

いずれにせよ、大事なことは、補助事業の経費は経費明細書に書いたとおりに使うことが原則だということ。
後から修正ができる場合もありますが、それは最後の手段と考えるべきでしょう。

補助事業により取得した機械装置等は、補助事業に関する一定の業務以外には使用できず、ほかの生産設備として使用した場合は、補助の対象となりません。
補助対象物件である旨を明記し、ほかの用途では使わないように管理することが必要です。

特に注意すべきは人件費です。
どこまでが人件費として計上できるのか、人件費の制限はあるのか等補助金によって異なります。
人件費の補助は会社にとってはうれしいものですが、その分、本当に補助事業に使われたのかの検証が厳しくなりますので、業務日誌等で記録を残しておきましょう。

助成金の経費確認書類のまとめ方

助成金の場合は、補助金のように予め経費を見積もっておくということはほとんどありません。なぜなら、○○助成金は○○万円、××助成金は××万円というように一律の場合が多く、それに対して経費がいくらかかっても関係ないからです。

実際、助成金の使い道として経費はほとんどかからず、かかるものとしては研修の費用や専門家の相談料等となりますので、実際に支出した金額をまとめておきましょう。
経費ではありませんが、賃金台帳や出勤簿は必ず提出する書類ですので、必ず整備をしておくことをお勧めします。

補助金・助成金事業終了後の注意点

補助事業終了後5年間、毎年、補助事業の成果の企業化状況等について「企業化状況報告書」および「企業化状況等の実態把握調査票」を提出する義務があります。
この書類の作成は、それほど大変なことではありませんので心配は要りません。

また、補助事業者は補助金の使途、経理内容等について、国の会計検査院の実地検査を受ける場合があります。検査の時期、必要書類については事前に連絡が入ります。

助成金は、事業終了後の支給申請の時に、労働局から疑問点についてあれこれ聞かれます。
特に雇用関係の助成金が多いので、残業代をきちんと払っているか、研修を実際に受けているか、研修受講中も賃金が払われているかなどまでチェックが入りますので、注意してください。

まとめ

助成金や補助金は、経営者を悩ます資金調達の中で、有効な方法と言えます。だからこそ、正しい税金の取り扱いをしましょう。間違った処理を行うと税務署から指摘される可能性も出てきますので、注意をしてください。

助成金や補助金の全額をあてにして、対象事業に関する経費を多くしてしまうと後が大変になるかもしれません。
特に助成金は、補助金のように事業途中での審査がないために、事業途中で不測の事態が起こって、結果助成金の支給申請ができなかったというケースが多くあります。
特に事業期間中に社員を解雇した場合は、助成金が支給されませんので、要件を必ず確認してください。

PROFILE

社会保険労務士 菅田 芳恵

愛知大学法経学部経済学科卒業後、証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務後、独立開業。
49歳から2年間で社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格など7つの資格を取得。
現在は13の資格を活かして、コンサルティングや研修、セミナーの講師、カウンセリング等幅広く行っている。最近では企業のハラスメントやメンタルヘルスの研修、ワークライフバランスの推進、女性の活躍送信事業等で活躍している。

[保有資格等]
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(R)
産業カウンセラー
2級福祉住環境コーディネーター
キャリアデベロップメントアドバイザー(CDA)
ハラスメント防止コンサルタント、DCプランナー、知的財産管理技能士、見まもり福祉相談員、三重県金融広報委員会金融広報アドバイザー、あいち産業振興機構相談員、岐阜県産業振興機構相談員、名古屋市中小企業振興センター相談員、名古屋市新事業支援センター相談員

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