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地方創生交付金の要綱と得られるものについて

地方創生交付金の要綱と得られるものについて

地方創生交付金とは

昨今、世間やテレビの報道では「地方創生」という言葉がよく聞かれます。「地方創生」とは第2次安倍政権で掲げられた、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策のことです。

この「地方創生」の各種施策を実現するために交付されるお金を総称して「地方創生交付金」と呼びます。
「地方創生交付金」には、「地方創生推進交付金」や「地方創生道整備推進交付金」、「地方創生港整備推進交付金」など様々な種類の交付金があります。

「地方創生推進交付金」や「地方創生道整備推進交付金」等はその名の通り地方のインフラを整備する目的となっており、民間企業にはあまり馴染みがありません。
一方で「地方創生推進交付金」はビジネスの力で地方経済を活性化させることを目的としているため、民間企業にとっては活用の可能性が高いと言えます。

地方創生推進交付金の概要

「地方創生推進交付金」は地方公共団体が自主的・主体的に行う先導的な取組に対し、同交付金により支援することにより、地方創生の更なる深化を推進するものと定義されています。29年度の予算は1000億円です。1件当たりの交付金額もほとんどが数千万円規模となっています。主に官民協同の事業や地域間連携の事業が想定されており、事業分野は下記の様に分類されています。

①しごと創生:ローカルイノベーション、ローカルブランディング、ローカルサービス生産性向上等
②地方への人の流れ:移住促進、生涯活躍のまち、地方創生人材の確保・育成等
③働き方改革:若者雇用対策、ワークライフバランスの実現等
④まちづくり:コンパクトシティ、小さな拠点、まちの賑わいの創出、連携中枢都市 等

これらの中でも①のしごと創生の分野での過去実績が最も多く全体の半数以上を占めています。
特に地場産品市場の拡大や観光地域づくり等がキーワードとなるローカルブランディングは比較的扱いやすい最も身近なテーマと言えます。

交付金の対象となる事業やそこに関与する民間企業の募集方法、運営形態は地方自治体によって異なります。
主な形態としては地方自治体が事業主体となり、実際の運営は民間企業に委託されるという形です。

募集方法は一般公募による地方自治体もあれば、募集要項が一般公開されずに選定されるケースもあります。
従って、ご自身が関係する地方自治体に問合せを行うのはもちろんのこと、ネットワークやコネクションを駆使して積極的に情報を取りに行くことが重要となります。

具体的には商店街や事業組合などの団体の活用や、行政とのパイプが強いコンサルタントを活用するなどが考えられます。
地方自治体により異なりますが、現在全国的に29年度地方創生推進交付金の2次募集がされる前後のタイミングとなっています。上記事業領域に該当する方は事業を行っている地方自治体に問合せてみると良いでしょう。

地方創生推進交付金活用の具体例

地方創生推進交付金(事例当時の名称は地方創生先行型交付金)を活用した具体的な事例として、大分県国東市・豊後高田市・杵築市・姫島村が同交付金を活用して福岡市に広域アンテナショップをオープンした事例をご紹介します。

これらの市村は、いずれも人口規模約3万人に満たない地方公共団体です。それぞれが単独で行う観光PRや特産品の販路拡大の催事等では、知名度の低さに問題があったため、各市村が連携することにより、「国東半島」をテーマとしたアンテナショップを福岡市に設置しました。
4市村の特産品の販売、国東半島全体の物産・観光情報の情報発信を行い、福岡都市圏からの誘客促進を図ったものです。

アンテナショップの運営は、当面は民間事業者へ委託され、将来的には民間事業者による自主的な運営にシフトするものとされています。この事例では事業費として3,500万円の交付金が支給されています。
この事例でのポイントは地場産品市場の拡大と地域間連携です。
この様なポイントをいかに上手く事業に盛り込み、地域経済の発展につながる事業とすることができるかが、地方創生推進交付金活用上のポイントと言えます。

地方創生推進交付金の活用に向けて

地方で営業活動を行う企業である限り、各企業は地方創生におけるキーワードと何かしらの接点を持っているはずです。
地場産品や観光といった産業はもちろんのこと、その他の産業における企業も是非この交付金をチェックして頂きたいと思います。
また、記述の通りこの交付金は一企業が単独で動くというよりは地域や業界団体の力を活用して獲得することが現実的と考えます。その様な横の繋がりを駆使して、この交付金を新規事業実現の足掛かりとしましょう。

PROFILE

公認会計士(日本/米国) 佐藤 宏樹

バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役
「企業の『CHANGE(変革)』に特化」をコンセプトに、新規事業立上げ、海外進出、財務リストラ、事業買収などの変革期にある企業への経営/財務コンサルティングサービス提供に特化している。業種・規模は一切問わず、個人事業主から準大手企業まで幅広くカバー。自らの起業経験、銀行員としての融資経験、会計士/コンサルタントとして大手企業の事業再生に多数携わった経験を基に計画立案から実行まで支援している。

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