スタイルのある生き方へシフトしたいビジネスパーソンのためのニュース・コラムサイト。
検索
独立ノウハウ・お役立ち

起業時に助かる助成金とはどういうもの?助成金と補助金の違いってなに?

起業時に助かる助成金とはどういうもの?助成金と補助金の違いってなに?

起業時は、何かとお金がかかります。必要額を見込んで資金を用意していたのに、足らないと言う話はよくあること。そこでお金を借りるのではなく、申請して審査が通ればお金をもらえるという助成金を考えてみませんか?
ただし、お金をもらえるのは後からになりますので注意が必要です。

起業時に助かる助成金とは

起業時に助かる助成金は、実のところほとんどありません。あるとしたら主に雇用関係でしょうか?
起業時に従業員を雇うかどうかは難しい問題ですが、将来を考えると家族だけで経営していくのではなく、はじめから従業員を雇うという考えが浮かんできます。その場合に利用できるのが助成金です。

新たに人を雇う場合に支給される雇い入れ関係の助成金として「特定求職者雇用開発助成金」があります。一般的に「特開金」と呼ばれて起業した会社だけでなく多くの会社が申請をしています。

また、「トライアル雇用奨励金」もよく使われています。人を雇う場合に3ヶ月のトライアル期間を設けると、その期間に対して助成金が支給されるものです。
どちらの助成金もハローワークに求人の募集をかけますが、特開金は求職者が助成金の対象者であれば自動的に申請の書類が送られてきます。
トライアルの場合は、求人の時に一言「トライアル」と付け加えていただく必要があります。また、パートで雇用した人を正社員に転換した場合に支給される「キャリアアップ助成金」もお勧めです。

助成金と補助金の違い

補助金とは、目的や条件に合致した事業者に対して、返さなくてもよい資金がもらえるものです。ただし、補助金も助成金もどちらもすぐに資金がもらえるものではありません。
条件を満たした後、一定期間経過後に支給されるという点では同じですが、取り扱っている行政機関、支給対象になるかどうか、どのように決まるのかといった点が異なります。
補助金は主に経済産業省で、助成金は主に厚生労働省と大きく分かれます。

補助金の場合は、基本的に公募制になります。一定の期間中に応募された申請書について内容の審査を行い、優秀な計画が採択されます。
つまり、応募要件を満たしていても、採択される事業者もいれば、採択されない事業者もいるわけです。したがって、審査期間が終わらなければ、採択されるかどうかわかりません。

それに対して厚生労働省の助成金は、受給要件を満たし、申請が受理されて計画通りに実施すれば基本的には支給対象となります。ほかの事業者と比べることなく、受給要件を満たしていれば、助成金の対象となるわけです。

また、受給の条件が不足していて、申請書類が不備の場合は、申請時に窓口で指摘されます。したがって、申し込み後に条件を満たすように計画を見直すか、申請を取りやめるか、事前に検討をすることができます。
このことから、助成金は補助金に比べて、利用しやすい制度だと言えます。ただし、雇用保険の加入が最低限必要なので、アルバイトばかりで雇用保険に誰も入れていない場合は、申請ができません。

補助金の注意したいポイント

補助金は、申請をし、採択されたらすぐにもらえるわけではありません。補助金をもらうためには多くの厳しいハードルがあります。このことを理解しておかないと、思わぬ落とし穴にはまってしまう危険があります。

まず、補助金の多くが支払ったものに対して、後から支払われるということ。つまり最初の支払いは自分でする必要があるのです。
自己資金で用意できない場合は、金融機関等で借りなければなりません。いわゆる「つなぎ融資」というものです。
通常の融資とは異なり、補助金が支給されれば回収できるので、審査は比較的通りやすくなっています。申請時に補助金の採択関係の書類を提出すれば、対応可能です。

また、随時報告書の提出をしなければなりません。補助金は税金によって賄われているので、支給すればそれで終わりではなく、補助金がどのように使われたか、有効活用されたかなど国に報告する必要があるのです。
この報告がボリュームがあるため大変で、さらに書き方に独特の決まりがあるのです。かなり手間がかかるので「補助金以上の負担がある」と覚悟をしておいてください。

まとめ

助成金と補助金どちらがいいのか一概には言えません。助成金は基本的に雇用保険に加入している従業員を雇っていることが必要ですので、起業時は自分と家族だけでやろういう場合は申請をすることができません。反対に補助金は雇用とは関係ありませんが、様々な書類を書かなければならず、実はこれが大きな負担となります。そのためにお金を払って専門家にお願いをすることが助成金と比べて圧倒的に多いのが現状です。助成金のためにあえて人を雇うということは本末転倒ですので、どちらがいいのかよく考えてみることをお勧めします。

PROFILE

社会保険労務士 菅田 芳恵

愛知大学法経学部経済学科卒業後、証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務後、独立開業。
49歳から2年間で社会保険労務士やファイナンシャルプランナーの資格など7つの資格を取得。
現在は13の資格を活かして、コンサルティングや研修、セミナーの講師、カウンセリング等幅広く行っている。最近では企業のハラスメントやメンタルヘルスの研修、ワークライフバランスの推進、女性の活躍送信事業等で活躍している。

[保有資格等]
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP(R)
産業カウンセラー
2級福祉住環境コーディネーター
キャリアデベロップメントアドバイザー(CDA)
ハラスメント防止コンサルタント、DCプランナー、知的財産管理技能士、見まもり福祉相談員、三重県金融広報委員会金融広報アドバイザー、あいち産業振興機構相談員、岐阜県産業振興機構相談員、名古屋市中小企業振興センター相談員、名古屋市新事業支援センター相談員

    アントレ 独立、開業、起業をご検討のみなさまへ

    アントレは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
    さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。