不動産売却時の税金をシミュレーション!確定申告や節税方法も伝授

不動産を売却すると、さまざまな税金がかかることをご存知でしょうか?どのような税金がどのくらいかかるのか、事前に知っておくと安心です。

税金の中でも「譲渡所得税」は売却した利益に比例して高くなります。把握しておかないと「こんなにもかかるの!?」と驚くことになりかねません。

ただし、マイホームを売却する場合は控除を受けられる可能性が高いので、心配する必要はありません。

ここでは、譲渡所得税の計算方法や確定申告を中心に、不動産売却にかかる税金について解説します。税金を抑えられる節税方法も伝授しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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不動産売却にはどんな税金がかかる?

不動産を売却すると全部で6種類の税金がかかります。売却した利益に対してかかる税金は、次の3つです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税(2037年末まで)
この3つはまとめて「譲渡所得税」と呼ばれます。

その他、手続などにかかる税金は、次の3つです。

  • 印紙税
  • 登録免許税(ローンが残っている場合)
  • 消費税

すべての税金がかからない場合もありますが、それぞれどのような税金なのか、順番に見ていきましょう。

譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)

不動産を売却して利益が出ると「譲渡所得」が発生します。譲渡所得は売れた価格ではなく、純粋な「利益」に対して発生するものです。

譲渡所得は、不動産の売却価格から、購入したときの費用や売却にかかった仲介手数料などの費用を差し引いたものです。売却価格がそのまま譲渡所得とはならないので注意しましょう。

「できるだけ高く売りたい」と思っていても、土地の価格は周辺環境の変化や経済状況によって変動するため、購入時よりも売却時の方が値下がりしてしまうこともあります。

売却によって利益が出なかった場合は譲渡所得は発生せず、「譲渡損失」が発生し、譲渡所得税はかかりません。

譲渡所得には所得税や住民税、2037年までは復興特別所得税がかかり、一定の税率を乗じて計算されます。

譲渡所得税は「分離課税」で給与所得などとは切り離して計算されます。計算方法については後ほど詳しく紹介します。

もし、不動産売却したいと思っているなら、「不動産売却にかかる税金」について、不動産会社に相談することもできます。

まだ不動産会社を決めていなくて…という場合は、手始めに自宅や土地など売りたい不動産がいくらで売れるのか?の査定を複数会社に依頼できる「不動産一括査定サービス」を利用すれば、各不動産会社の方にそういった相談もできますよ!

印紙税

印紙税は不動産を売却すると必ずかかる税金の1つです。売買契約書には金額に応じた収入印紙を貼付し、印紙税を納める義務があります。

売買契約書は売主と買主が1通ずつ所有するため、それぞれが自分の分の印紙税を負担するのが一般的です。

印紙税は売却価格に応じて10段階に設定されており、ここでは一部を紹介します。2022年3月31日までは印紙税の軽減措置が適用され、税額は以下のようになっています。

売却価格 税額 2022年3月31日までの税額
100万~500万円 2,000円 1,000円
500万~1,000万円 10,000円 5,000円
1,000万~5,000万円 20,000円 10,000円
5,000万~1億円 60,000円 30,000円
売却価格が高額になるほど印紙税も高くなります。税率は変動することもあるので、国税庁のHPで確認しておくのが確実です。

登録免許税

住宅ローンを利用している場合、売却時に抵当権の抹消登記が必要です。

抵当権は、借金を返済できなくなったときに担保になっている土地や家を売却できる権利です。住宅ローンを貸し付けている金融機関は、あらかじめ抵当権を設定しています。

抵当権がついたままだと売れにくいため、抹消してから売却する必要があり、抵当権の抹消登記には登録免許税がかかります。

登録免許税は、土地1筆あたり1,000円、建物1棟あたり1,000円かかります。一戸建てなら土地と建物を合わせて2,000円となります。

所有権移転登記にも登録免許税が発生しますが、一般的に買主負担となるため支払う必要はないでしょう。

消費税

土地には消費税が課税されませんが、次の2つは課税対象です。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 司法書士への報酬料

土地の売却にあたって不動産会社に仲介を依頼した場合には仲介手数料が、登記を司法書士に依頼した場合には報酬料が発生します。

仲介手数料や報酬料には10%の消費税がかかります。

個人が自宅を売却する場合、建物にも消費税は課税されませんが、賃貸用の物件を売却するなど投資目的の場合は建物にも消費税がかかります。

例えば、投資用であったり事業用であるマンションを売却するという場合は、消費税の課税対象です。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税はどのように求めればよいのか、計算方法を紹介します。譲渡所得税を出すには、まず「譲渡所得」がいくらなのかを知っておく必要があります。

「譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用」
  • 譲渡価額:不動産を売却したときの価額
  • 取得費:不動産を取得するのにかかった購入代金や費用
  • 譲渡費用:印紙税、仲介手数料など売却にかかった費用

この計算式で求めることができ、譲渡所得に税率を乗じたものが譲渡所得税となります。

譲渡所得税=譲渡所得x税率(下記参照)

譲渡所得税の税率は不動産の所有期間が5年未満か5年以上かによって異なります。

所有期間とは不動産を取得した日の翌日から売却した年の1月1日までです。
  • 短期譲渡所得(所有期間が5年未満の場合):39.63%
  • 長期譲渡所得(所有期間が5年以上の場合):20.315%

内訳は以下のとおりです。

所有期間 所得税 住民税 復興特別所得税 合計(譲渡所得税率)
短期譲渡所得 30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得 15% 5% 0.315% 20.315%

短期譲渡所得なら「譲渡所得×39.63%」、長期譲渡所得なら「譲渡所得×20.315%」というように計算して譲渡所得税を出します。

転売目的の不動産売買を防止するため、このように税率に差がつけられており、短期譲渡所得ではおよそ2倍の税金を払わなければいけません。

「減価償却費」を戸建てやマンションは差し引く必要がある!

土地のみの売却の場合、譲渡所得税は上記の計算式に当てはめて計算すればよいのですが、建物に関しては、取得費から「減価償却費」を差し引いて計算されます。

減価償却とは、毎年古くなっていく資産の価値を、経年に沿って減少させる手続きのことです。不動産ではマンションや戸建てなど建物のみが対象です。

減価償却費=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数

という式で費用が求められ、償却率は建物の構造によって異なります。木造は0.031、鉄筋コンクリート造は0.015など、償却率の詳細は国税庁のHPに載っています。

耐用年数が短いものほど償却率は高く設定されており、同じ価格で購入した建物でも減価償却費によって取得費に差が出ます。

譲渡所得税のシミュレーションをしておこう!

不動産の売却前には譲渡所得税がいくらかかるのか、しっかりとシミュレーションをしておきましょう。

インタ―ネット上には、数値を入れるだけで譲渡所得税を瞬時に計算できるシミュレーションサイトが複数あるので利用してみてください。

長年所有している不動産を売却する場合、購入したときの書類を紛失してしまって取得費がわからないということもあり得ます。

取得費不明の場合、売却額の5%を購入代金とする「概算取得費」を用いられますが、概算取得費で計算すると利益が大きくなりすぎて譲渡所得税が高くなってしまいます。

購入代金の支払いがわかる通帳や住宅ローンの契約書など、取得費を間接的に証明できる書類があれば、それらを用いて計算できます。

証明できる書類を探し、概算取得費で計算するのは避けるのが賢明です。

不動産を売却したら必ず確定申告を

不動産売却によって利益が出た場合は、普段確定申告の必要がない方でも必ず確定申告しないといけません。

確定申告の義務があるのは「所得税」で、住民税は所得税の申告に基づいて後から課税されます。

確定申告の期間は、売却した翌年の2月16日~3月15日と決められています。

この1ヵ月間に、税務署の窓口や郵送、e-Taxによって必要書類を添えて申告する必要があります。

  • 譲渡所得内訳書
  • 確定申告書
  • 登記事項証明書
  • 取得費がわかる資料
  • 譲渡費用がわかる資料
  • 売買契約書のコピー

などが必要です。譲渡所得内訳書は税務署および国税庁のHPからダウンロードできるので、早めに記入しておきましょう。

確定申告をしないとどうなる?

確定申告をしないとどうなるのでしょうか。

期限までに納税しないと期限後申告となり、無申告課税と延滞税がかかります。

延滞税
7.3%〜14.6%と幅があり、延滞した期間によって異なる。およそ1割程余計に払わないといけなくなるため、期限までに必ず払いましょう。
無申告課税
納付税額に応じて税率が違います。
  • 50万円までは15%
  • 50万円を超える部分は20%
故意ではなく何らかの事情で納税できなかった場合は、税務署に指摘される前段階での申し出で、無申告課税は5%に軽減されます。また、過去に同様に納税をしていないという事例がなく、期限から1ヶ月以内に自主的に申し出ているなどの、一定の条件を満たせば「課税されない」こともあるようです。

逆に、納税しないといけないことを隠そうとするなど悪質であると判断された場合は、「重加算税」として40%の税金が別にかかってしまいます…。

確定申告は正直に正確に行うことが大切です。

20万円以下でも申告は必要!

会社員の人は、お給料とは別に年間20万円以上の所得がある場合は、確定申告が必要だという話を聞いたことはありませんか?

不動産を売った利益が20万円以下ならば、申告しなくてもよい?と思うかもしれませんが、そうではありません。

先ほども譲渡所得税は分離課税であるというお話をしましたが、譲渡所得については20万円以下でも申告の義務がありますので、確定申告を忘れないようにしてください。

譲渡損失が出た場合の確定申告は必要?

確定申告は譲渡所得(売却益)が出た場合は必須ですが、譲渡損失(売却損)が出た場合は行う必要はありません。

しかし、損をした場合でも確定申告することによって受けられる特例があります。

マイホームを買換えた場合や特定のマイホームを売却した場合、「譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例」が適用できる可能性があります。

特例の適用には要件を満たす必要がありますが、適用できれば「損益通算」と呼ばれる方法で、その年の他の収益を相殺できるという仕組みです。

  • 譲渡損失の損益通算:不動産売却で出た損失分を、他の所得から差し引くこと(損益通算)することができる
  • 譲渡損失の繰越控除:その年の所得分から引き切れず余った損失分を、翌年以降(最長3年間)繰り越して差し引くことができる
損失が出ているのであれば、給料で徴収された税金が還付される可能性があります!還付対象なのか、いくら還付される可能性があるかは、「譲渡所得が損益となっていることが証明できる書類」を税務署に持っていき相談することで、分かるかもしれません。

提出する税務署は、住所を管轄している税務署です。

>>「国税庁ホームページ:税務署の所在地などを知りたい方」

税金の軽減措置が取れるこの特例は、税金対策として有効です。売却損が出ても特例を利用したい人は必ず確定申告をしましょう。

そのほかにも節税対策として有効な特例について、次で詳しく紹介します。

節税するなら特別控除や特例を利用しよう!

「できるだけ税金を抑えたい」という方は、特別控除や特例を漏れなく利用しましょう。不動産の売却では、

  • 居住用財産売却の3,000万円特別控除
  • 居住用財産売却による軽減税率の特例

をはじめ、他にも数多くの制度があり、適用できれば税金を大幅にカットできる可能性があります。

特別控除や特例は自動的に適用されないため、利用するには確定申告が必須です。

特別控除や特例の種類によって確定申告時に必要となる書類は異なります。国税庁のHPで確認しておきましょう。

マイホームの売却なら「3000万円特別控除」が使える可能性大

マイホームを売却する場合は、譲渡所得から最高3,000万円まで差し引ける(所得税・住民税が非課税になる)特例があります。

適用には要件をすべて満たす必要がありますが、一般的なマイホームなら大抵該当します。
  • 現在住んでいる自宅である、または転居後3年目の12月31日までである
  • 買い手が親子や夫婦、親族でない
  • 他の特例の適用を受けていない
  • 売却までに、その他の土地活用で利益を受け取っていない
  • 売却した年の前々年、前年に、「マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例」や、「3,000万円特別控除」を利用し受けていない

などの要件があります。詳しくは国税庁のHPを見て、該当するかどうか確認しておきましょう。

3,000万円特別控除に居住期間の規定はなく、短期間の居住であっても利用できます。3000万円特別控除を利用した譲渡所得の計算式は次のとおりです。

譲渡所得=譲渡価額−取得費−譲渡費用

税額=(譲渡所得−3,000万円)x税率

3,000万円特別控除は節税効果が非常に大きいです。譲渡所得が3,000万円以下であれば、まるまる全額控除できます!

ただし、引っ越し後の新居で償還期間10年以上の住宅ローンを利用した場合、一定期間還付金が増える「住宅ローン控除」という制度を利用できます。

3,000万円特別控除と住宅ローン控除は併用できません。

住宅ローン控除額>譲渡所得税となる場合、3,000万円特別控除よりも住宅ローン控除を利用した方が有利です。

しっかりとシミュレーションして損をしない方を選択しましょう。

マイホームの所有期間が10年以上の場合はさらにお得

売却した年の1月1日時点でマイホームの所有期間が10年を超えている場合は、「居住用財産売却の軽減税率の特例」を利用できます。

所有期間が5年以上の長期譲渡所得の税率は20.315%ですが、10年以上なら譲渡所得6,000万円までは税率が軽減され、14.21%で計算されます。

譲渡所得税は「譲渡所得×14.21%」となり、税率が6.105%税率が下がるため、この特例を利用すれば大幅に節税できます。

基本的に特例は併用できないのですが、この軽減税率の特例においては「3000万円特別控除」とも併用可能です。

これらを併用する場合、まず譲渡所得から3,000万円を差し引いてから、軽減税率が適用されます。

節税するなら、最低でも5年、できれば10年以上所有してから売却すれば税金を安くできます。

相続した不動産を売却する際も特例を使って節税

不動産の売却には、自分名義の不動産を売却する他に、親などから相続した不動産を売却する場合もあります。

「相続」とは亡くなった持ち主の不動産を引き継ぐことで、親の土地や家であっても引き継ぐには「相続税」が発生します。

しかし、相続してから3年以内の売却なら「相続税の取得費加算の特例」によって譲渡所得から相続税を差し引くことができ、譲渡所得税を大幅にカットできます。

また、相続した家が空き家だった場合は「空き家の譲渡所得の特例」を、亡くなった方と同居していた場合は一般的な不動産の売却と同じように、3,000万円特別控除や軽減税率の特例が利用できます。

売却した空き家にたとえ住んでいなくてもOK。だだし、マイホームの3,000万円特別控除より条件は厳しめになっています。

  • マンションなど、区分所有建物登記がされている建物でない
  • 譲渡時まで、貸付や事業用、居住用となっていなかった
  • 昭和56年5月31日までに建てられた建物である
  • 相続開始の直前、被相続人以外に居住をしていた人がいない
  • 相続開始日から3年目の12月31日までに売ること
  • 他の特例の適用を受けていない

節税のポイントは売却のタイミングと譲渡所得

節税のカギとなるのは、5年超や10年超で税率が下がるタイミングを狙って売却することです。もう一つ、いかにして譲渡所得税を減らすかも大きなポイントです。

譲渡所得税を減らすには?

譲渡所得税を減らすためには、取得費や譲渡費用に加算できるものはすべて計上することが重要です。

譲渡価額から差し引ける取得費や譲渡費用が少ないと、譲渡所得は大きくなり、譲渡所得税が高くなってしまうからです。

取得費には不動産の購入代金や建築費の他に、リフォームや増改築などにかかった維持設備費や各種手数料、譲渡費用には印紙税や仲介手数料の他、測量費や解体費用なども含まれます。

特に、取得費が明確かどうかで譲渡所得税には大きな差が出ます。書類をかき集めて漏れなく計上し、譲渡所得を圧縮して節税しましょう。

不動産売却の流れを把握しておこう

不動産売却の流れについても簡単に紹介しておきます。

  • 売却価格の相場を調べ、複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 不動産会社を決め、媒介契約を結ぶ
  • 売り出し価格を決めて売却活動を開始する
  • 購入者と交渉、売買契約を結ぶ
  • 決済、引き渡し

という流れで行います。売り出してから購入者が見つかるまで平均で3ヵ月ほど、トータルで半年~1年ほどの期間を要することが多いです。

信頼できる不動産会社を選び、適正な売り出し価格を決めるためにも、最低3社以上の不動産会社に査定を依頼しましょう。

まずは一括査定の利用がおすすめ!

不動産の売却を検討しているなら、まず「不動産一括査定サイト」の利用がおすすめです。

不動産一括査定サイトは、売却したい不動産の情報や個人情報を入力するだけで複数の不動産会社に査定を依頼できるインターネットサービスです。

信頼できる不動産会社を見つけるのはなかなか難しいですが、大手や中小、地域密着型など色々な不動産会社に幅広く査定を依頼してみましょう。

よい不動産会社が見つかれば満足のいく取引ができ、節税についても相談できるでしょう。

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