不動産の売買契約書のチェックポイント!後悔しない売却を!

不動産を売買するときには契約書を作成し、売主と買主、双方で売買契約の内容を確認します。一般的には仲介をしている不動産会社が作成しますから、中身がよくわからないという方も多いものです。

しかし、契約書というのは売買に関わる重要な事項が記載されているものです。後からわからない、知らなかったといっても困ることがあります。

そうならないように、売買契約書は隅々まで目を通す必要がありますが、何をどう読めばいいのかわかりにくいですよね。

そこで、不動産の売買契約書はどこを注意してチェックすればいいのか、そのポイントについてご紹介します。

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売買契約の当日に行うことと必要な書類

不動産の売買契約書は、売買契約を行う当日に、買主と売主両方で中身を確認しつつ、署名捺印をすると契約が成立します。

では具体的に契約当日に何をするのか、売買契約書以外にどのような書類が必要なのか、契約成立のために必要なことを説明いたします。

売主が用意すべき書類

まず、売主が当日までに手元に用意しておくべき書類等です。足りないものがあると契約がスムーズに運びませんので、念入りにチェックしてください。

  • 土地・建物登記済証(権利証)
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 本人確認書類(免許証等)
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 測量図、建物の図面等
  • 建築確認通知書・建築協定書
  • 設備表
  • 手付金の領収書
  • 仲介手数料の一部
  • 収入印紙

収入印紙については契約書のコピーを受け取る場合は不要です。(買主が原本に貼るため)

当日は買主が手付金を支払うはずなので、振り込みを確認したら領収書を渡します。

仲介手数料についてはどのくらい支払うのか、事前に不動産会社ときちんと話し合っておき、現金もしくは振込などで支払うようにしてください。当日は必ず領収書をもらいましょう。

本人確認書類は会社の身分証などではなく、運転免許証、マイナンバーカードなど公的機関が発行しているものが必要です。

売買契約書への署名、捺印

売買契約書の中身については次の章で詳しく解説をしていきますが、契約の内容に特に異論がなく、双方が納得すれば署名捺印、手付金の授受を行なって契約が成立します。

手付金は現金でも構いませんし、小切手や振込でももちろんOKです。きちんと支払われていることを確認して契約、となります。

売買契約書は2通作成して買主と売主が1通ずつ持つのが通例ですが、売主は原本を持っている必要はありませんのでコピーでも大丈夫です。

知っておくべき売買契約書、基本の「き」

契約当日、売買契約書を読み上げて契約内容について最終確認をしていきます。その際に、万が一疑問に思う点があれば質問できるように、内容については細かく把握しておくことが大切です。

まず、売買契約書を口約束だけで行うことはまずありません。

不動産の売買は高額な取引になりますし、宅地建物取引業法でも契約についての書面を作成することが規定されています。

ただし、売買契約書にはこれを書かなければいけないと決まっていることはありません。記載する内容は、民法上の公序良俗に反しない限り自由です。

一般的には次のようなことが記載されます。

  • 売買物件の表示
  • 代金、手付金などの金額、支払い時期等
  • 引き渡しの条件
  • 税金について
  • 契約違反があった時の解除
  • 特約

自由とはいっても、買主と売主が自分に都合の良いことばかり記載してしまっては契約が成り立たないので、できるだけ双方の立場を考慮した内容を記載します。

契約するにあたり、特に文字にして確認しておきたいことがあれば「特約」という形で記載します。

不動産の売買契約書で必ずチェックしてほしい項目

それでは、一般的な売買契約書に書いてある事項を一つずつ解説します。ここは面倒でも、必ずチェックするようにしてください。

契約の当事者

売主と買主の氏名、住所を確認するのは基本中の基本です。

これは、「犯罪収益移転防止法」という法律に基づいて、反社会勢力の資金源とならないように、どこの誰と取引するのかをその場で明確にするという意味もあります。

  • 運転免許証
  • 健康保険証

などを確認します。

売買の対象物(物件の表示)

次に、これは当たり前のように思えるのですが、実はきちんと確認しておかなければならないこと。

その契約書に書かれている物件と、売買しようとしている物件が同じものかどうかの確認です。

  • 住所
  • 面積

など、不動産の詳細情報をきちんと確認します。

ここで間違いがあると、登記簿と契約書に相違があることになってしまいますから、当たり前と思わずに、誤りがないかどうかをしっかりと見てください。

物件の状況を報告

売買物件に誤りがないとわかったら、次は物件の状況を確認します。

「物件状況等報告書」をもって室内の状況であるとか、庭の状態など買主に対して現在の状況を正確に説明します。

ここで事実と相違するようなことがあると、あとで説明をする「瑕疵担保責任」とも関わってきますので、嘘偽りなく説明しましょう。

一般的には後述する設備表を使いながら確認していくことが多いです。

土地の面積と境界

登記簿に記載されている面積と、実際の面積に相違ないかどうかの確認も行います。

隣家との境界線が曖昧な場合は、契約の前に測量などを行なって境界線を確定させる作業が必要で、測量によって登記簿と相違が生じた場合にはその際に応じて金額を調整することもあります。

ここは契約前のすり合わせで話し合っておくことで、あえて代金の清算を行わないとすることも可能です。

手付金、売買代金

売買代金の確認と、売買契約を結ぶ時に支払う手付金の額を確認します。

手付金は、売買代金の20%程度が一般的です。

手付金には種類があり、

  • 証約手付:契約の成立を証明するため
  • 解約手付:万が一解約になった時の保険的な意味合い
  • 違約手付:契約違反があった時のための保険的な意味合い

とありますが、契約当日に受領する手付金は解約手付であることが多いです。

解約手付とは、もし売主が契約を解除したいと思った場合に、手付金の2倍の額を返還することで可能になるというものです。

買主の立場から見ると、手付金を手放すことで契約を解除できるというメリットがあります。

お互いに、何かあった時の保険として支払うもの、と思えば良いでしょう。

手付金の放棄、解除

上記でも説明しましたが、手付金を手放すことによって(または倍額支払うことで)契約を解除できる、という規定があります。

手付解除期日というものを決めておいて、売主はその日までに倍額の手付金を支払えば契約を解除できることになります。

不測の事態が起きて解除せざるを得ないような事態になった場合の保険です。

手付金の額が低すぎると、買主に一方的に契約を解除されるリスクが高くなるので、20%程度の金額にすることが多いです。

この期日までに、相手が契約の履行に着手してしまえば、解除はできなくなります。

ただしこの条項は必ずしも定めなければならないというわけではなく、お互いの合意によって手付解除を認めないとする契約方法ももちろんありです。

代金の支払い時期と方法

手付金の残りの代金の支払い時期が明記されているかを確認しましょう。

あわせて振り込みなのか小切手なのかなど支払い方法も確認します。

所有権移転と物件引渡しの時期

契約当日に支払うのは手付金だけですが、残りの代金を支払った時点で正式に所有権が売主から買主へと移転します。

引っ越しできる時期などもありますので、いつの時点で所有権が移るのか、物件を実際に引き渡すのはいつなのかを契約書に明記します。

この日で問題にないか、双方で改めて確認をしてください。

設備表への記載

設備表とは、

  • 照明器具
  • エアコン
  • 給湯器
  • 湯沸かし器
  • 風呂釜
  • 庭木

など、生活に必要な設備や備品についての引継書です。

どのような状態で引き渡すのかを明記しておかないと、後から「故障していて使えない」などの苦情を受けることになってしまいます。

特に、下記に示す「特定保守製品9品目」については、経年劣化によって命にかかわる重大な事故が起こる恐れがあるとされていますから、故障の有無などはしっかり伝える必要があります。
  • 屋内式ガス瞬間湯沸かし器(都市ガス用、LPガス用)
  • 石油給湯器
  • 屋内式ガスバーナー付き風呂釜(都市ガス用、LPガス用)
  • 石油風呂釜
  • ビルトイン式電気食器洗機
  • 密閉燃焼式石油温風暖房機
  • 浴室用電気乾燥機

※都市ガス用とLPガス用、それぞれ1つと数えるのでこれで9品目です。

基本的には使用できる状態で引き渡しを行いますが、故障がないとして渡したのに故障していた場合には、引き渡しから7日以内に修復の請求を受ける可能性がありますから注意してください。

故障しているならしていると伝えておけば、引き渡し以降の責任は問われません。

瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、一定期間内に物件の瑕疵が発見された場合、買主が売主に対して損害賠償もしくは契約の解除を請求できるという内容の規定です。

とはいえ、売った物件に対していつまでもそのような責任を負うことはできないので、一般的には「引き渡しの○ヶ月以内」と期限を切っておきます。通常は3ヶ月くらいです。

瑕疵担保責任の期間が長いと売主にとっては不利になりますから、どのくらいの期間なら責任を負えるのかということを考えて契約内容を確認してください。

隠れた瑕疵には、このようなものがあります。

建物の瑕疵
シロアリの被害、雨漏りなど
土地の瑕疵
土壌汚染、地下の空洞、思わぬものが埋められていた場合など
心理的な瑕疵
過去に何らかの事件があった、その昔そこが墓地だったなど、人が快く思わない場合など
環境の瑕疵
周囲の騒音、異臭、高層マンションが建設されて日が当たらなくなったなど

隠れた瑕疵というのは後々大きなトラブルになりかねないので、瑕疵の内容が明記されているか、どのような書き方をされているかを必ず確認してください。

抵当権の抹消について

売主は所有権が移転するまでに抵当権を抹消しておく必要があります。その責任についても契約書には明記されています。

この点を怠ると所有権を移転できず、物件の引き渡しにも影響が出ますので、決められた期日までに必ず抵当権抹消の手続きを行ってください。

所有権の移転登記について

売主は、残りの売買代金を受け取ったら、所有権移転の登記をする必要があるということが明記されています。

所有権の移転登記にかかる費用は買主の負担となることが一般的なので、その点についても確認をしてください。

公租公課等(税金等の負担)

公租公課とは税金のことです。

売買契約を履行するにあたり、様々な税金が付加されますが、売主と買主双方にかかわるのは固定資産税と都市計画税です。

通常、売主に対して1月1日の時点でその年の固定資産税と都市計画税の通知が来ていますが、年の途中で所有権が移転した場合には、移転した以降の税金分は買主が負担することとし、その清算について規定されています。

引渡し前の滅失、毀損(きそん)等

万が一、どちらの責任でもない地震や台風などの天災によって、物件を引き渡す前に家が壊れてしまうなどの被害が出た場合、契約を解除できるという規定です。

この場合、売主は代金を無利息で返還することになります。

修復して引き渡すことができる状態であれば良いのですが、修復できないほどに壊れてしまったり、修復費が莫大になってしまうという場合には契約を解除できるようにしておく取り決めです。

契約の解除

何らかの理由で債務を履行できない状態になってしまった場合、売主または買主が契約を解除できる、とする規定です。

例えば、

  • 期日までに買主が代金を支払えなくなった
  • 買主が反社会勢力と関係があった

など契約を継続できない重大な違反があった時に、一方が契約を解除できるようにしておくのです。

違約金の請求

契約の解除に伴い、相手方に対して違約金を請求できる旨の規定です。

違約金の額は売買代金の10〜20%くらいが一般的ですが、請求できる金額についても確認をしてください。

売主の要望がしっかり書かれているか

売主としては、早めに物件を引き渡して代金を受け取りたいですよね。

ですから引き渡し時期などが希望する時期になっているかをしっかり確認してください。

うっかりすると細かいところまで書かれておらず、曖昧になっていることも。

自分が寄せた要望がきちんと契約書に反映されているかどうかを確認しないと、後で困ることになるかもしれません。

とはいえ、相手の要望もありますので、双方にとって無理のない内容で、かつ、細かいところまではっきりと書いてあるかどうかをしっかり確認しましょう。

売買契約書は面倒でも細かいところまで確認することが大事!

売買契約書は、パッと見ただけでうんざりしてしまうような細かい字がびっしりと書かれていて、読むのも面倒だなと思ってしまうかもしれません。

しかし、細かいところまできちんと確認しておかないと、後で思わぬ事態になりかねませんので、面倒でもしっかり読んでください。不明なところはその都度確認をします。

そして納得したうえで署名捺印するようにしましょう。

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