不動産価格は今後どうなる?売却時期を見逃さないための知識と予測

東京オリンピックを終え、ウィズコロナの時代に突入した2021年。不動産の売買を検討する方にとって、気になるのが今後の動向についてです。
特に不動産売却については、ほんの少し時期をずらすだけで、非常に大きな価格の差が生じることも…。タイミングには十分に配慮したいところです。
そこで今回は、今後数年以内の不動産売却を検討している方に向けて、相場価格の予測方法と今後の動向について解説していきます。
不動産価格相場は「需要」と「供給」のバランスで決まる
まずは、不動産価格相場の基本について学びましょう。世の中の物の値段は、需要と供給のバランスによって決まります。
供給される量に対して求める人が多ければ、価格は上昇。一方で、供給量に対して需要が低ければ、価格は下落します。不動産市場においても、こちらは基本原則です。
今後、不動産を求める人が増えれば増えるほど、中古不動産の取引価格も上昇していくでしょう。一方で、求める人以上に供給量が多い状況が続けば、中古不動産の価格も下落していきます。
不動産価格の動向を示す2つの指標
ここからは、今後の不動産価格の動向を予測するための方法について学んでいきましょう。
もちろん、将来のことは誰にもわかりません。しかし、「不動産価格指数」と「公示地価」という2つの指標を使えば、全体的な流れをつかめます。
- 不動産価格指数とは?
- 国土交通省が発表する、不動産価格の動向を数値でで示した統計データ。月に1度公表されるため、実勢価格の大まかな動向や推移を把握することができる。
- 公示地価
- 国土交通省が発表する、日本各地の標準地の土地価格をまとめた情報。標準値は全国に26,000地点あり、発表頻度は1年に1度。土地取引価格の目安を知れる。
これら2つの指標は、「ポイント」で見るのではなく、「流れ」をチェックするのがコツです。
不動産価格は経済・人口動態にも影響される
特に住宅の場合、不動産価格は、経済動向や人口動態にも大きく影響されます。
人口が増えれば増えるほど、多くの住宅が必要となります。自然と需要が高まり、高値での売却を目指しやすくなるでしょう。
また、経済的な不安が少ないことも重要なポイントです。いくら「家が欲しい」と思っていても、経済的な不安が強い状況の中で、購入に踏み切るのは難しいでしょう。
詳細情報は「指定流通機構の物件動向」も参考にしよう
不動産価格指数や公示地価は、あくまでも全体的な数値をチェックするためのもの。「データが漠然としているため、予測が立てづらい」と感じる方もいるでしょう。
こんなときに役立つのが、「公益財団法人 不動産流通推進センター」が発表する「指定流通機構の物件動向」です。月に一度公表されるデータには、以下のような内容が含まれています。
- 全国既存マンション成約物件概況(成約価格や築年数、件数など)
- 全国既存戸建住宅成約物件概況(成約価格や築年数、件数など)
- 地域別の動向(マンションマンション・戸建)
エリア別の動向を調べられるので、より実態をつかみやすいでしょう。
新型コロナウイルスによる不動産価格への影響
不動産価格指数の推移をチェックしてみると、2008年のリーマンショック以降、その数値は順調に上昇してきました。
2020年に一度下落しているのは、新型コロナウイルスによる影響です。
とはいえ、その影響はあくまでも一時的なもので、2021年にかけてさらに上昇してきています。
【物件種類別】今後の動向予測
ではここからは、物件種類別に、今後の動向予測を紹介していきます。
一戸建て
一戸建ての不動産価格指数をチェックしてみると、長く横ばいの状況が続いていることがわかります。
指数がわかりやすく下落したのは、2020年上半期のこと。これは、新型コロナウイルス感染拡大による影響と考えられます。
気になるのは、その後の傾向についてですが、2021年にかけて指数は上昇。今後もこうした傾向が続いていくのでは?と見込まれています。
マンション
戸建てよりも、大幅に伸びているのがマンションです。不動産価格指数は、まさに右肩上がりの状態。新型コロナウイルスによる影響も脱却し、さらに値を伸ばしています。
特に都心部のマンションは、高額な価格で取引される状況が続いています。
土地
土地の不動産価格指数も、一戸建てと同様にほぼ横ばいの状況です。
コロナによる影響は一時的なものと思われますが、今後の見通しはまだまだ難しいのが現状です。
いつ売るのか?を見極めるために、また、売りたいとなったときにすぐに動けるように、「不動産一括査定サイト」で自分が売りたい家やマンション、土地などの相場や、査定額を知っておくことが大切です。
不動産売却における「2022年問題」とは?
東京オリンピックを終え、新型コロナウイルスによる影響からも徐々に脱却しつつある今、不動産の相場価格は上昇に転じるのではないかと予測されています。
一方で、相場価格を下落させるのでは?と懸念されている問題も。それが、「2022年問題」です。
- 2022年問題とは?
- 1992年、生産緑地法によって「宅地化農地」と「生産緑地」に分類された、市街化区域にある農地。「生産緑地」に指定された場合、「農地」として活用する義務はあるものの、30年間税金が安くなったり、猶予されたりするメリットがあった。2022年に期限を迎えることで、売りに出される土地が増えるのでは…と懸念される。
三大都市圏に的を絞って見てみると、生産緑地の面積は約1万2,000ヘクタール。そのうち約8割が、2022年に期限を迎えると言われています。
農業を営む方の高齢化が問題視される今、一斉に「宅地」として造成される可能性も。特に郊外において需要と供給のバランスが崩れ、不動産取引相場が下がる恐れが指摘されています。
いつでも動けるように準備を整えておこう
今回は、2021年以降の不動産市場の相場動向についてお伝えしました。とはいえ、予測はあくまでも予測。実際の流れがどうなるのか、正確に把握するのは不可能です。
だからこそ重要なのは、「売却したい物件」に的を絞り、より良いタイミングで売却できるよう、準備を整えておくことです。
売却したい物件の相場価格を調査したり、一括査定を受けたりしてみましょう。実際に何か行動に移すことで、適切なタイミングもつかみやすくなります。





