親が亡くなる…実家の不動産相続のやり方や手続きは?

親が亡くなった…そんな時、不動産を相続するケースも多いものです。とはいえ、「具体的に何をどうすれば良いのかわからない…」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

実家を相続するために必要な手続きや知っておきたいポイント、注意点などを解説します。税金や名義、不動産売却など、迷いがちな点を解説します。

【不動産相続】基礎知識と手続きの流れ

親が亡くなる瞬間は、いずれ必ずやってきます。身近な人が亡くなった際に表面化するのが、相続に関する各種問題です。

特に実家や土地など、不動産の相続には複雑な点も多いものです。

亡くなった親から何らかの財産を受け継いだ場合、その金額に応じて相続税が課税されます。この相続税の申告・納税の期限は、相続発生を知ってから「10カ月以内」です。

相続にはさまざまな準備・手続きが必要です。あまり時間に余裕はないので、大変なときとはいえ、相続手続きを速やかに進めていく必要があるでしょう。

具体的な手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 相続の準備を整える
  2. 相続手続きに必要な書類を準備する
  3. 遺産の分割方法について協議する
  4. 相続した不動産の名義変更を行う
  5. 相続税の申告と納税を行う

それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。

相続発生~手続きをスタートするための準備を進めよう

親が亡くなったとき、残された子どもがやるべきことは多岐にわたります。関係各所に連絡したり、葬儀の手筈を整えたりと、非常に忙しい時期ではありますが、相続に関する準備も着実に進めていきましょう。

まず行うべきなのは、相続財産と相続人を確定することです。

相続財産には、不動産以外にもさまざまなものが含まれます。ローンや未払いの税金など、負の財産も相続財産となるので注意しましょう。

プラスの財産とは
不動産(土地や家など)・宝石・有価証券・貴金属・預貯金など
マイナスの財産とは
ローン残高・借金・生前に滞納していた税金や医療費・連帯保証債務など

相続が発生したら、どのような財産があるのか、できるだけ早めに調査・確定します。

もしプラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合、3カ月以内であれば相続放棄の申し立てができます。「借金を引き継ぎたくない…」と思うのは当然のこと。早めに相続財産を確定することで、思わぬ損を防げるでしょう。

相続人については、以下の表を参考にしてみてください。

相続の順位 被相続人との関係性
常に相続人 配偶者
第1位 死亡した人の子ども
(子どもがすでに死亡している場合、その子どもの直系卑属)
第2位 死亡した人の直系尊属
(父母や祖父母など)
第3位 死亡した人の兄弟姉妹
(兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子ども)

第1位から第3位の相続人は、「第1位に該当する人がいなければ、第2位、それもいなければ第3位」という風に、優先順位によって定められています。

「相続人がよくわからない…」という場合には、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本を参考にしましょう。必要な情報を得られるはずです。

このほかにも、以下のような作業はこの段階で行っておくのがおすすめです。

  • 被相続人の遺言書の確認
  • 専門家への相談
遺言書は、相続全体に影響を与える重要なもの。もし見つかった場合は、勝手に開封しないように注意しましょう。この段階から専門家に相談しておけば、相続に向けた流れ全体をサポートしてもらえます。

必要な書類を知り準備しよう

相続財産と相続人が確定し、最初の準備が整ったら、具体的な手続きに向けて必要書類を準備しましょう。必要な書類は以下のとおりです。

  • 戸籍謄本(相続人全員分)※被相続人が亡くなった日付以降のもの
  • 印鑑証明書(相続人全員分)
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票 ※本籍が記載されたもの
  • 遺言書もしくは遺産分割協議書
  • 相続する不動産の登記事項証明書
  • 不動産を相続する人の住民票
  • 相続する不動産の固定資産評価証明書
  • 住民票の写し(相続人全員分)

子どもが親の財産を相続する場合、兄弟が多ければ、その分相続人も多くなります。全員分が必要な書類も多いので、できるだけ早めに準備しましょう。

相続人の間で分割方法を協議・決定しよう

誰がどの財産をどのように受け継ぐのかを、話し合いで決定します。

相続財産の分割方法といえば、「遺言書によって決められるもの」「法定相続分で決めるもの」というイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、どちらも「絶対」ではなく、相続人全員が納得しているのであれば、どのような形の相続も可能となります。

また遺産分割協議には、内容・期日を含め、法的なルールは存在しません。相続人同士でとことん話し合える一方で、どうしても決着がつかない場合、家庭裁判所にて遺産分割調停が行われるケースもあります。

協議が終わったら、その内容を「遺産分割協議書」にまとめます。書類には、相続人全員が署名・捺印しましょう。

相続する人が決まったら名義変更をしよう

不動産を相続する人が決まったら、名義変更します。

実家を子ども名義にする場合、特定の子どもの単独名義にするほか、複数の子どもの共有名義にすることも可能です。ただしこの場合、その後の不動産売却や相続において、トラブルが発生する可能性も否定できません。

共有名義にする場合、「その後の手続きは全て、兄弟姉妹の足並みがそろわなければ実現できなくなる」という点を、頭に入れておきましょう。

相続に伴う不動産の名義変更は、自力でも対応可能です。

  1. 対象不動産の登記事項証明書を入手する
  2. 遺産分割協議書を作成する
  3. 相続登記申請書を作成する
  4. 法務局で相続登記申請を行う(※書類郵送も可能)

わからない点があれば、法務局で問い合わせをしましょう。費用は1,000円から10,000円程度です。

もちろん司法書士に依頼することも可能で、この場合の費用は依頼先によって変わります。数万円程度の差が出るケースもあるので、しっかりと比較検討してみてください。

必要であれば相続税を申告し納税しよう

相続税には基礎控除額があり、相続する財産がこれを超えた場合、超えた分に対して税金が課せられる仕組みになっています。

基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人数

この数字を超えなければ、相続税の申告・納税は必要ありません。

超えている場合は、相続の発生から10カ月以内に手続きを完了してください。期限を過ぎると、延滞税が加算されてしまいます。

不動産相続における遺産分割方法4つ

不動産相続時は、特に難しいと言われる遺産分割協議。上手に乗り切るためにも、まずは基本的な遺産分割方法4つを頭に入れておきましょう。

【現物分割】
不動産はそのままに、相続人のうち1人だけが取得する。
【代償分割】
不動産はそのままに、相続人のうち1人だけが取得する。
他の相続人に対しては、不動産を相続する1人が相応の金額を支払う。
【共有】
不動産はそのままに、複数の相続人で共有する。
【換価分割】
不動産を売却し、その代金を相続人で分割する。

不動産をそのままの状態で、不公平感なく分割するためには、「代償分割」が有効ですが、不動産を受け継ぐ1人の金銭的負担が大きくなってしまいます。

「揉めないこと」を最優先に考えるのであれば、「換価分割」を選択しましょう。スムーズな売却のためには、インターネット上の一括査定サイトを活用するのがおすすめです。

具体的な手続きを行う相続人を1人決め、その人の名義に変更した上で、売却活動を進めていきます。このあたりについても、遺産分割協議で決定するのがおすすめです。

【土地・戸建て・マンション】相続の注意点を種類別に解説

亡くなった親から不動産を相続する場合、損しないため、揉めないための注意点があります。不動産の種類別に解説するので、チェックしてみてください。

土地の相続で注意したい「将来的な価値変動」

複数人の相続人で土地のみを相続する場合、「土地を分割して相続する」という方法を選択できます。

とはいえ、土地の価値は常に一定ではありません。相続時の条件で均等に分割した場合でも、将来的に、特定の土地の価値が上がったり下がったりする可能性があります。

将来的な価格変動リスクについても考慮した上で、遺産分割協議の際に、トラブルが起きないよう確認しておくと安心です。

戸建て相続で注意したい「空き家対策」

近年増えているのが、「親が亡くなり実家を相続することになったが、すでに自分は別の場所に家を構えている」というケースです。

実家に住む人がいなければ、その家は「空き家」と判断されます。空き家を相続するデメリットは以下の通りです。

  • 定期的な管理が必要
  • 固定資産税や都市計画税が毎年発生する
  • 特定空き家に指定された場合、小規模住宅用地特例の対象外となる

特定空き家とは、空家の中でも放置することが不適切な状態にある建物を指します。倒壊の危険があったり、衛生上著しい問題があったりするケースが、こちらに当てはまります。

小規模住宅用地特例の対象外となれば、固定資産税は約4倍にまで上昇してしまいます。

相続する実家が空き家になるとわかっている場合には、相続から時間を置かずに、売却に向けた行動を開始するのがおすすめです。

相続前に実家の価値を査定しておけば、「相続放棄する」という選択肢も生まれます。一括査定サービスも活用して、臨機応変に対応しましょう。

マンション相続で注意したい「収益化」

親が住んでいたマンションを相続する場合、収益物件として扱う道も生まれます。別の人に貸し出せば、賃料収入を得られるでしょう。

とはいえ、借り手が見つかるかどうかは物件の条件次第ですし、賃貸管理の手間も生じます。賃貸に出して、本当に儲けが見込めるのか、冷静に判断してください。

賃貸物件として収益を得るのが難しい場合、やはり早めの売却を検討するのがおすすめです。

「不動産を相続したものの、今の自分には必要ない…」という場合は、早めの売却が鍵となります。相続にまつわるさまざまなトラブルを避けられますし、将来的に損をすることもなくなるでしょう。

不動産の相続・売却で課せられる税金の種類と特徴

不動産の相続や売却には、以下のような税金が課せられます。

  • 相続税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 譲渡所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税

相続だけであれば、必要なのは「相続税」と「登録免許税」です。相続する不動産を含めても、基礎控除内でおさまる場合、相続税を支払う必要はありません。

一方で、相続した不動産を売却する場合、さらに多くの税金が絡んできます。特例や控除制度をうまく使うことで、節税できるため、自身の状況に合わせて利用できるものを選択しましょう。

実家を相続することになったら、慌てず価値を見極めよう

親が亡くなり、子どもたちが実家や土地を受け継ぐことになった際に、発生する問題はさまざまです。

相続人のうち、誰か一人が受け継ぎ、引き続き実家に住む場合、全員が納得できる分割方法について考える必要があるでしょう。一方で、誰も住む人がおらず空き家になる場合、今後の扱いについて検討する必要があります。

相続にまつわるトラブルを避けるためには、まず「実家の価値」を明らかにするのが第一歩です。不動産の売却一括査定サービスを使って、大体の見当をつけてみてください。

相続する不動産の価値がわかれば、その後の道筋も見えてくるのではないでしょうか。みんなが納得できる相続を目指していきましょう。

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