不動産相場の調べ方6つ!家や土地を売るなら事前の相場確認は必須!

不動産売却をしたい思っている方は、少しでも高く売りたいですよね。
そこで今回は、不動産の相場を自分で調べるための方法について詳しくまとめました。
不動産を「売りたい」と思ったら、まずは自分で相場を調べてみることから。
不安なことはきちんと確認をしながら売却を進めていきましょう。
なぜ不動産の相場を知っておくことが必要なのか?
不動産の相場を知っておくことがどうして大切なのか、それは不動産には「これ」という決まった価格がないからです。
相場はあってないようなもの。結局は、売主と買主の気持ちによって変わってきます。不動産の価格は、このような段階を経て変化していきます。
- 査定:不動産会社が「このくらいで売れるだろう」と提示してくる価格
- 売り出し:実際に広告を出す価格
- 成約:契約が成立した価格
実際はこの「成約価格」を少しでも高くしたいわけですね。しかし相場を知っておかないと交渉もできません。
適正な価格で取引をし、納得して売るためにも、「相場」を知っておくことがとても重要なのです。
相場を少しでも早く知りたいなら、この1社と決め込んで売却相談に行くのではなく、まずは複数の会社に見積を取ることで「相場」を掴むのが早くて楽な方法です。
こちらについては後述します。
査定をしてもらう前に知っておくべき不動産相場の調べ方6つ
自分で不動産の相場を調べるための方法を6つご紹介します。あくまでも目安ですが、大体このくらいの価格であろうという判断材料にはなるでしょう。
- 実勢価格
- 公地地価(基準地価)
- 相続税評価額(相続税路線価)
- 固定資産税評価額(固定資産税路線価)
- 鑑定評価額
- ネットでできる不動産一括査定額
ちなみに、6つ全てを行う必要はありません。自分の土地にあった方法で調べてみてください。
次の章から一つずつ詳しく解説していきます。
1.【実勢価格】とは実際に売買されている額のこと
実勢価格とは、実際に売買された事例をもとに出している価格であり、売り手と買い手、双方が納得して取引された額だと思ってください。いわゆる「時価」と同じことです。
同じ地域内にあり、広さも似ている土地がいくらくらいで売りに出されているかを見ることが、早く相場を知ることができる方法です。
「土地総合情報システム」で調べる
では、その価格はどこで調べれば良いのかと言いますと、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」で調べることができます。
「不動産取引価格情報検索」という項目から、調べたい都道府県をクリックすると地図が出てきます。
そこで売りたい不動産がある地域をさらにクリックしてみてください。
- 土地取引件数
- 取引価格情報
これらの情報を確認できます。
実勢価格で気をつけること
実勢価格は実際に取引が成立した価格なので、買い手がつく金額の目安にはなるのですが、実際に取引を行った方のアンケートを元に作られているため、その地域で参考となる事例が少ない場合もあります。
調べたいと思った地域の価格が表示されない場合はピンポイントでその地域の価格を知ることができません。
ただ、周辺の地域の価格を見てみれば、なんとなくこの広さならこのくらいの価格だということはわかるでしょう。
2.【公示地価】(基準地価)とは全国の基準となる地価のこと
公示価格(基準地価)とは、国土交通省が公表する、「1㎡当たりの土地の価格」のことです。
テレビで「今年も銀座の地価が○千万円でした!」などいうニュースを見たことがないでしょうか。あの価格が公示地価です。
毎年1月1日を基準とし、3月の下旬に公開されています。
実際に公開された価格については、実勢価格と同じく「土地総合情報システム」で検索が可能です。
「地価公示・都道府県地価調査」という項目から見たい地域を選んで調べることができます。
基準地価
公示地価は国(国土交通省)が発表するもので、基準地価は都道府県が発表するものです。7月1日時点の価格を元に、9月下旬に公表されています。
こちらも上記の「地価公示・都道府県地価調査」で見ることができます。
価格を見るときには、以下のいずれかを選択しましょう。
- 地価公示のみ
- 都道府県地価調査のみ
- 地価公示・都道府県地価調査の両方
公示地価のメリットとデメリット
公示地価はニュースにもなるくらいですから、土地の売買をしようと思っている人にとっては重要な情報です。
公示地価が上がれば、そのあたりの土地の価格が上がっていると判断できるので、高く売れる可能性があります。
逆に、公示価格が下落傾向にある場合は、なかなか買い手が付かないケースも想定されます。公示価格が上がるまで待つか、売る時期を検討する必要があるでしょう。
また、売りたい土地の価格の目安はわかりますが、例えばその土地が便利な道路沿いなのか、角地なのかなど、どこにあるかによっても価格は変動します。
3.【相続税評価額】(相続税路線価)は相続税を計算するときの基準額
相続税評価額とは、相続税を計算するために必要なその不動産の「財産としての価値」のことです。
実際の計算方法は国税庁の「財産評価基本通達」に書いてあるのですが、一般人が読んでも意味がわかりません。
そこで、「全国地価マップ」で調べてみましょう。
一般財団法人資産評価システム研究センターが運営しているサイトで調べられるのは、以下のような項目です。
- 固定資産税路線価等
- 相続税路線価等
- 地価公示価格
- 都道府県地価調査価格
調べたい地図を選択し、住所を入れると拡大した地図が表示されます。
その付近が青い矢印で囲まれるので、その矢印をクリックすると、左側に路線価(千円/㎡)、借地権割合が表示されます。
相続税路線価
相続税路線価は、公示地価の8割が目安とされています。
実際の価格よりも低く設定されているのは、相続税を抑えるためです。役所といえども、一応一般の人に優しい制度を考えてくれているということですね。
路線価はあくまでも目安であって、同じ道路に面していても土地の条件によって相場は変わってくることに注意してください。
相続税評価額の計算
相続税評価額は路線価と面積で計算しますから、路線価が600千円、面積が100㎡なら「600千円×100㎡=6,000万円」となります。
借地の場合
相続した土地が借地である場合には相続税も変わってきますので、計算するときには借地権割合が必要です。借地権割合はアルファベットで表示されています。
- A:90%
- B:80%
- C:70%
- D:60%
- E:50%
- F:40%
- G:30%
例えば、路線価600千円、C70%、面積が100㎡であれば、借地権の評価額は「600千円×100㎡×70%=4,200万円」ということになります。
4.【固定資産税評価額】(固定資産税路線価)とは?
固定資産税評価額は、売ろうと思っている不動産が自分のものであれば、毎年送られてくる「固定資産税課税証明書」の「価格」という欄を見ると評価額がわかります。
自分の土地でない場合には、「全国地価マップ」で調べてみましょう。固定資産税評価額は、公示地価の7割とされています。
固定資産税評価額は、不動産を取得するときには知っておきたいですが、売却に当たって支払う税金ではありません。
5.【鑑定評価額】は、不動産鑑定士に調べてもらう方法
ここまでは、自力で調べる方法を紹介してきましたが、もっと実際の評価に近い額を知りたい!という場合には、不動産鑑定士に頼んで調べてもらうという方法もあります。
専門家に依頼をすればもちろんお金がかかります。鑑定料はまちまちですが、15万円くらいは見込んでおいた方が良いでしょう。
費用はかかっても、より適正で客観的な価格を知りたい人に向いている方法です。
6.【不動産一括査定サービス】効率的に複数社の査定が取れる!
複数社に、不動産査定をまとめて依頼できる画期的なサービスです。
不動産会社が提示する査定額は、あくまでも目安です。実際に受け取ってみればわかるとおり、会社によって金額はまちまちだと言えるでしょう。
複数の会社から査定結果を受け取れば、より現実的な相場感覚を掴めるでしょう。
不動産一括査定サービスを利用したからといって、「絶対に不動産会社と契約しなければならない」というわけではありません。相場感覚を掴むと共に、不動産会社の比較検討をすることも可能です。
家にいながら、しかも数分で、数社の査定を手に入れることができるのでとても便利!売却準備の第一歩としても、非常に効率的な方法と言えるでしょう。
【番外編】レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する
「レインズ・マーケット・インフォメーション」とは、実際の取引情報を調べることができるシステムです。
まず、指定流通機構という組織が全国に4法人あり、不動産会社が保有している情報が登録されている「レインズ」というシステムがあります。
このシステムは最適な売買を行うために、不動産情報を見ることができるシステムなのですが、会員である不動産会社しか利用できません。
- マンション、戸建
- 間取り、築年数
- 駅からの距離
これらの条件から、直近1年間の取引情報を見ることができます。
インターネットで物件の相場観を掴む
実際の価格とは必ずしも同じではありませんが、不動産会社の情報をもとに相場観をつかむことも可能です。
似たような物件を探す
インターネットで似たような家、土地の情報を探してみましょう。
- 面積
- 築年数
- 間取り
- 最寄駅からの距離
これらの情報を元にして調べてみると、自分が売ろうと思っている家や土地と似たような物件がいくらくらいで売られているかがわかります。
坪単価で比較する
似たような物件があればいいのですが、なかなかそう都合よく似た物件が出てくるとは限りません。そのような時にはもう一つ、その地域の坪単価を参考にする方法があります。
坪単価とは、物件の価格を広さで割って出したものです。
実際の額とは違いますが、おおよその目安にはなるでしょう。
売主の希望価格なのであくまでも参考程度に
インターネットで売りに出されている価格を参考にする方法は、あくまでも目安として考えてください。
売りに出ている期間が長いほど値引きをする可能性も高く、実際にはその価格よりも低めで成約されていると考えた方が良いでしょう。
複数の会社の査定を受けることが大事!
不動産の価格を調べる方法は沢山ありましたが、不動産は同じものが存在しません。
- 不動産がある場所
- 近くの道路
- 駅からの距離
- 都市部か地方か
これらの項目によって、売却の条件や価格は、かなり変わってくるでしょう。
実際、調べた価格よりも高値で取引されることもあれば、思ったほど高く売れなかったということもあります。
そのためにも、6.の一括査定などで、実際に不動産会社に査定をしてもらうことがとても大切です。
どのような根拠でその額を算出したのかをよく聞いて、契約する時には信頼できる会社を選ぶようにしましょう。また、会社だけでなく「信頼できる担当者」に出会えるかもとても重要です!
事前調査はあくまでも相場感を掴むためのもの!
不動産を売りたい!と思ったら、まずは「相場」を把握しておくことがとても大事です。
1軒1軒不動産屋さんを回って…という労力をかけるよりは、実際の不動産業者に「査定」を家に居ながら依頼できる、しかも数社の査定を一括で受け取れる、「不動産一括査定サイト」などの利用をおすすめします。
ぜひ実際に不動産屋さんを1社に絞る前に自分で調べてみてください。そしてその情報を元に交渉ができると良いですね。





