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生活保護でもらえる金額と申請方法。条件や計算をわかりやすく解説

2021.03.08 基礎知識

病気になったり、会社が倒産したりして仕事を失い、生活できなくなってしまった時に頼れるのが、生活保護制度です。国の支援制度ですから、また自立できるようになるまで、困った時にはぜひ頼ってください。

しかし、生活保護はいくらもらえるのか、どうやって申請すれば良いのかなど、疑問も多いと思います。果たして自分は本当にもらえるのかと不安になっている方もいるでしょう。

そこで、生活保護制度の概要から実際の支給額、申請方法まで、詳しく、わかりやすく解説しますので、生活に困っている方はぜひ参考にしてください。

これまで頑張ってきたのですから、申請するにあたって躊躇する必要はありません。利用できるものはしていきましょう。

生活保護制度の概要と受けるための条件

失業した時には失業保険がありますし、もし失業保険がもらえない人でも、健康であればまた新たな仕事を探すことができます。

一時的に、公的な支援を利用して借入するという方法もありますし、自家用車を売ってお金を作るなど、とりあえず資産を売却するという方法もあります。

ですから、生活保護を受けるためには、単に仕事がないということでは要件が足りません。

資産もなく、返済能力がないためにお金の借入などもできない人に、健康で文化的な最低限度の生活を保障するために支給されるのが生活保護です。

基本的には、「その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用すること」が要件とされています。(生活保護法第四条第一項)

つまり、お金がない、生活が苦しいという理由だけで支給されるのではなく、出来るだけ資産を活用し、働く努力をし、それでもなお最低限度の生活をするために必要なお金が足りなという時に、初めて支給されるものなのです。

生活保護は世帯単位で支給される

世帯とは、住民票上同じ世帯となっていて、一緒に生活をしている人たちのことです。

生活保護は、個人ではなく世帯単位で支給されるものですので、例えば自分が仕事を失ったとしても、配偶者が働いている場合には、基本的には支給されません。

ただし、配偶者が働いていたとしても、世帯としての収入が「最低生活費」に満たない場合には、支給要件に該当します。

最低生活費とは、生活費だけでなく、医療や教育に関わるお金も含まれますが、住んでいる地域と世帯の人数によって違います。計算方法については、後ほど説明します。

売れる資産を最大限活用すること

たとえ今仕事がなくなったとしても、

  • 車など売却できる資産がある
  • 定期預金などを取り崩せる

このように、お金にできるものがある場合には、それらを全て売却してからでないと、生活保護は支給されません。

現金化できる資産を全て売却してもなお生活できないとなれば、支給要件を一つ満たすことになります。

働くことができないこと

病気や怪我で療養中など、仕事をすることができないということも要件の一つです。

または、仕事を失って、就職活動をしているけれども仕事が見つからずに困窮している人も、生活の困窮の度合いによって支給されることがあります。

受給可能な給付を受給してもまだ足りないこと

例えば、ひとり親家庭には、自治体から様々な支援があります。

そのような公的支援を利用してもなお生活費が足りない場合に、生活保護を受給できます。

親族等からも援助が受けられないこと

申請に行くと、生活費を援助してくれる親戚がいないかどうか、確認されます。

一緒に住んでいる家族がいなかったとしても、遠くに住む親や親戚に頼ることはできないかと聞かれるでしょう。

親戚がいない、もしくは疎遠で連絡もとっていないため借入はできないという状況なら、要件を満たすと考えられます。

生活保護には8種類の扶助がある

生活保護には8種類の費用があります。その種類ごとに金額が決められており、その人の生活についてケースワーカーが調査の上、必要な給付のみが支給されます。

扶助の種類 扶助の内容 備考
1.生活扶助 ・食費
・衣類
・光熱費など
生活に必要な費用
2.住宅扶助 ・家賃
・地代
・住宅の修繕費
・賃貸の更新費用
・引越し費用など
3.教育扶助 ・学校の教材費
・通学用品
・教育費
・通学費用
・学習支援費(クラブ活動にかかる実費等)など
子供の義務教育にかかる費用
4.医療扶助 ・病気や怪我によって病院を受診する際にかかる医療費
・通院するための費用
・薬代
・訪問看護など
5.介護扶助 ・介護のための住宅改修
・介護予防福祉用具
・移送費など
要介護者が介護サービスを受けるために必要な費用で、自宅での介護や施設での介護を受けるための費用
6.出産扶助 ・出産にかかる医療費
・入院費
・就職をするために必要な費用や子供の高校の費用など
7.生業扶助 ・就職をするために必要な費用や子供の高校の費用
・働く意思があるのに何も技術がないために就職ができない人に、必要な技能を習得するための費用
・就職が決まった人が、衣服や靴など、働くために必要な物品を購入するための費用など
子供の高校の授業料は無償化となり、通学のための費用や教材費などが支給
8.葬祭扶助 ・火葬
・お葬式の費用
・埋葬の費用

生活保護はいくらもらえる?基本的な支給額の計算方法

生活保護費は、法令に基づいて計算された生活に最低限必要な金額から、現在ある資産や収入を差し引いた金額が支給されます。

原則として、以下の計算式となります。

生活保護の支給額=最低生活費ー世帯全員の収入等

例えば、最低生活費が15万円で、アルバイトの収入が5万円だった場合には、10万円支給されるということです。

実際にいくら支給されるのか、実例をもとにご紹介しましょう。

なお、計算にあたっては、細かな加算などは考慮しておりませんので、あくまでも目安とお考えください。

住んでいる場所の級地区分を知る必要がある

生活にかかるお金は住んでいる場所によって違いますので、生活保護は居住地の物価も考慮して支給されます。

そのため、市区町村によって級地区分が定めれられています。まずは自分の住んでいる場所の級地を調べましょう。

級地区分は以下の通りです。大都市ほど等級が高くなります。この等級は、計算の基礎となる基準額と関わりがあります。

【級地区分の例】

級地区分 市区町村の例
1級地-1 東京23区、立川市、三鷹市、八王子市、横浜市、さいたま市、川崎市、相模原市、大阪市、堺市、京都市、神戸市、名古屋市、東大阪市、西宮市、尼崎市、枚方市、豊中市、芦屋市、宝塚市など。
1級地-2 札幌市、仙台市、千葉市、青梅市、東村山市、船橋市、横須賀市、厚木市、岸和田市、姫路市、明石市、岡山市、広島市、福岡市、北九州市など。
2級地-1 函館市、小樽市、旭川市、青森市、盛岡市、宇都宮市、熊谷市、野田市、流山市、あきる野市、伊勢原市、長野市、甲府市、岐阜市、静岡市、岡崎市、羽曳野市、奈良市、和歌山市、松江市、別府市、大分市、宮崎市、鹿児島市、那覇市など。
2級地-2 夕張市、塩竈市、日立市、足利市、大垣市、三島市、瀬戸市、豊川市、加古川市、玉野市、尾道市、大牟田市、直方市、佐世保市など。
3級地-1 北見市、網走市、富良野市、能代市、横手市、米沢市、宮古市、石巻市、会津若松市、つくば市、栃木市、佐野市、館林市、秩父市、銚子市、柏崎市、氷見市、七尾市、敦賀市、富士吉田市、飯田市、高山市、半田市、伊勢市、福知山市、洲本市、大和高田市、米子市、萩市、鳴門市、石垣市など。
3級地-2 上記以外の市町村

最低生活費の計算方法

この最低生活費が、世帯の構成員や住んでいる地域によって違ってきます。

計算式は以下の通りです。

最低生活費=(生活扶助基準額(第1類)×逓減率)+生活扶助基準額(第2類)+障害者加算+母子世帯加算+子供の養育費(中学校終了前)+住宅扶助+教育扶助+介護扶助+医療扶助

第1類とは食費や衣類など一人一人が必要とする費用で、第2類は光熱費など世帯全体で必要になる費用です。

逓減率とは、家族で共有できる部分を支給額に反映させるためのものです。

例えば家族が3人になった時、1人分の生活費が3倍になるわけではありませんので、生活費を効率化できる部分を数値化し、減らしていくのです。ですから、単身世帯では「1.0」ですが、5人世帯になると「0.5683」となります(令和2年10月現在)。

さらに、第1類・第2類ともに、基準額①と基準額②があり、基準額①をもとに計算した金額に0.855をかけたものと、基準額②で計算したものを比較して、いずれか高い方が支給されます。(乗率は令和2年度のものです)

出産扶助や葬祭扶助は、必要に応じて加算されます。

基準額は、年齢や級地区分によって違ってきます。例えば、年齢や級地の違いによって、基準額はこのようになります。

<新宿区の例>

  • 40歳・1級地-1
  • 生活扶助:47,420円(第1類)、28,890円(第2類)
  • 逓減率:1.0
  • 住宅扶助:53,700円
  • 経過的加算:110円

(47,420円×1.0+28,890円+110円)+53,700円=130,120円

<富良野市の例>

  • 40歳・3級地-1
  • 生活扶助:40,740円(第1類)、27,690円(第2類)
  • 逓減率:1.0
  • 住宅扶助:40,900円
  • 経過的加算:なし

(40,740円×1.0+27,690円)+40,900円=109,330円

同じ年齢、単身世帯であっても、級地区分が違うと、これだけの差が出ます。

もし通院している場合には医療扶助、子供がいれば教育扶助など、必要な扶助がプラスされます。

また、持ち家の場合には住宅扶助は支給されず、家賃がこの金額以下の場合には、家賃の金額が支給されることになります。

なお、教育扶助については、地域による格差はありませんので、全国一律の金額が支給されます。

アルバイトや年金等、収入があれば、この最低生活費との差額分が生活保護費として支給されます。

夫婦(子供なし)の場合

  • 夫:30歳(第1類47,420円)
  • 妻:30歳(第1類47,420円)
  • 第2類2人世帯:47,060円
  • 低減率:0.8458
・生活扶助基準額:123,490円
・住宅費:64,000円

合計でおよそ18万円となります。

※東京23区の例

夫婦(子供あり)の場合

  • 夫:45歳(第1類47,420円)
  • 妻:40歳(第1類47,420円)
  • 子供:14歳(中学生)(第1類47,750円)
  • 第2類3人世帯:47,060円
  • 経過的加算:1,070円
  • 低減率:0.7151
・生活扶助基準額:150,100円
・住宅費:69,8000円
・児童養育加算:10190円

およそ23万円となります。

※東京23区の例

単身世帯の場合

  • 男性:65歳(第1類45,330円)
  • 第2類1人世帯:28,890円
  • 低減率:1.0
  • 経過的加算:2,660円
・生活扶助基準額:76,880円
・住宅費:53,700円

合計でおよそ13万円となります。

※東京23区の例

母子家庭の場合

  • 母:40歳(第1類47,420円)
  • 中学生:10歳(第1類45,640円)
  • 小学生:14歳(第1類47,750円)
  • 第2類3人世帯:47,060円
  • 低減率:0.7151
・生活扶助基準額:147,750円
・母子加算:23,600円
・児童養育加算:20,380円
・住宅費:69,800円

合計でおよそ26万円となります。

※東京23区の例

寒冷地で支給される冬季加算について

冬季加算とは、寒冷地に住む人のために、暖房費などを上乗せして支給するものです。11月〜3月の生活扶助基準に加算されます。

級地区分と違い、冬季加算の地域区分は都道府県単位となっています。最も高額になるのは

  1. 北海道
  2. 青森県
  3. 秋田県

の3ヶ所です。

お住まいの地域が、冬季加算の対象となっているかどうかは、福祉事務所に聞いてみるとわかります。

大学に行くための進学準備給付金

2018年6月に施行された生活保護改正法により、「進学準備給付金」制度が創設されました。

これは、生活保護世帯の子供の大学進学率が低いことから、貧困の連鎖を断ち切るために、積極的に大学等への進学を支援していくという趣旨で設けられた制度です。

<条件>

  • 修業年限が1年以上であること
  • 就学によって生業につくために必要な技能を習得できること
  • 大学の入学試験の準備を目的とした施設でないこと
  • 趣味や日常生活に必要な技能習得を目的とした施設でないこと

つまり、予備校やカルチャースクールのようなものは認められませんが、栄養士、調理師、美容師、理容師などの技能を習得する専門学校は認められます。

自宅から通学する場合には10万円、転居する場合には30万円が支給されます。

1ヶ月毎の支給、前借りはできない

生活保護費は、上記の計算に基づいて1ヶ月毎に支給されます。

支給方法は、

  1. 銀行等、金融機関への振り込み
  2. 福祉事務所で手渡しをする
  3. 施設等への送金

の3種類があります。一般的には振り込みを利用する人が多いです。

なお、月ごとに生活状況の調査をし、支給額が妥当かどうかを確認しながらの支給となりますので、数ヶ月まとめての支給はできません。

また、支給された金額で足りなくなったとしても、前借りはできませんので、計画的に使いましょう。

福祉事務所で申請を!生活保護の申請方法

生活保護を申請するには、自分が住んでいる地域にある福祉事務所の窓口にいきましょう。大抵は市役所の中にあります。

もし住所が定まっていない場合には、現在いる場所の最寄りの福祉事務所にいけば大丈夫です。場所がわからない場合には市役所で問い合わせしてみましょう。

申請から実際に受給できるまでの流れを説明します。

生活保護の申請に必要な書類を用意する

まず、申請に行く前に、必要な書類を揃えましょう。書類が揃っていないと、また出向くことになり、二度手間です。

  • 生活保護申請書
  • 資産申告書
  • 収入・無収入申告書

これらの書類は、福祉事務所に置いてあるものです。もしくはインターネットからダウンロードすることもできます。

以下の書類は必須ではないのですが、本人確認や収入がないことを示すために、持っていた方が便利なものです。出来るだけ用意した方が、手続きがスムーズになるでしょう。

  • 銀行の通帳
  • 運転免許証などの本人確認書類
  • 印鑑
  • 給与明細など収入がわかるもの

なお、生活保護の申請は、本人だけでなくその扶養義務者、同居の親族も申請ができます。(生活保護法第七条)

地域の福祉事務所に行って相談・申請をする

書類が用意できたら、最寄りの福祉事務所に行って、手続きをします。もしかしたら、生活保護以外に受給できる公的支援があるかもしれませんので、その点も相談してみましょう。

生活保護以外にないとなれば、受給の申請をします。窓口に必要書類を提出すれば、それで申請完了となります。

もし今、住居がなくて、ネットカフェを渡り歩いているというような状態でも、生活保護は申請できます。今いる場所から一番近い福祉事務所に行きましょう。

生活保護が妥当かどうか相談員による聞き取り調査

申請書が受理されると、生活の状況を把握するために、家庭訪問などの調査が入ります。

  • 預貯金の有無
  • 車などの動産・不動産などの資産の調査
  • 親族から支援が受けられないのか
  • 本当に働くことができないのか

など、詳細に調査がなされます。

申請が通ると支給決定

生活保護の受給が決定すると、通知が来て、申請した日に遡って支給となります。

この通知は、申請のあった日から14日以内と決まっています。(生活保護法第二十四条第五項)

申請が通らなかった場合は審査請求ができる

申請はしたけれど、生活保護の決定が却下となった場合、審査請求が可能です。

処分のあったことを知った日の翌日から3ヶ月以内に、都道府県知事に対して審査請求をします。

また、処分があった日から1年を経過すると、知っていたか知らなかったかに関わらず、審査請求はできなくなります。ただし、正当な理由があって審査請求できなかった時には、その期間を過ぎてもできることがあります。

正副2通の審査請求書を作成して、提出します。書面を作る必要がありますので、電話やメールではできませんので、注意してください。

なお、その裁決にも不服がある場合には、厚生労働大臣に対して、再審査請求をすることができます。

生活保護受給まで待てない時には「臨時特例つなぎ資金」を利用

生活保護は無事に申請できたけれど、住むところもない、食べるものも買えない、支給されるまで生活ができないとお困りの方は、「臨時特例つなぎ資金」に申し込みましょう。

  • 住居がない
  • 仕事がない
  • 公的な支援の受給が決まっている
  • 本人名義の口座がある

これらの条件を満たす人に、10万円、無利子で貸付する制度です。

支給が行われてから1ヶ月以内に返済する必要がありますので、生活保護費が振り込まれたら、その中から返済することになります。

生活保護の申請を受け付けてもらえないのは違法

生活保護は、必要な条件を満たしていれば、誰でも利用できる公的な制度です。

全くの無収入ではない人でも、今の収入では生活していけないという場合に利用できるものなので、アルバイトで少し収入があるから申請できない、ということはありません。

例えば、

  • あなたは若いので利用できません。
  • あなたは収入があるので利用できません。
  • 持ち家があるから生活保護は使えません。
  • 借金があると生活保護は申請できません。

など、訳のわからない理由で申請を断られることがあるかもしれません。

このような理由で申請を断るのは「水際作戦」と呼ばれるもので、違法です。

そもそも、生活保護の申請があった時には、審査の上、保護の要否を決めることはできても、申請そのものを断ることはできないのです。

ですから、福祉事務所の窓口で、申請を受け付けてもらえない時には、はっきりと「申請に来たので受理してください」と伝えましょう。

申請した上で、却下の通知が来れば審査請求ができますので、申請自体を断ることは違法である旨を堂々と伝え、書類を提出してください。

生活保護の申請を受け付けてもらえない時の裏技

「申請します」といっても受け付けてもらえない時には、このようにしてみてください。

  1. 市議会議員に相談する
  2. 県庁の生活保護担当に連絡する

議員の知り合いなんていないと思うでしょうが、知り合いである必要はありません。

住んでいる地域+議員と検索すれば、議員の一覧が出てきます。電話やメールアドレスなど連絡先が載っていますので、生活保護の申請を断られて困っていると相談してみましょう。

もう一つ、福祉協議会の上位の役所である都道府県の担当者に相談するという方法があります。上司に相談するイメージです。

「理不尽な理由で申請を受け付けてくれない」と相談すれば、指導を入れてくれるでしょう。

生活保護の審査に通過するために気をつけること

生活保護は、生活に困窮していれば誰でも申請できるのですが、その前にやるべきことをやっておかないと、申請が却下されることがあります。

スムーズに審査を通過するために、以下の点に気をつけてください。

借金はバレる!正直に申告を

生活保護には、「無差別平等の原則」があります。(生活保護法第二条)

要件を満たせば、誰でも必要な保護を受けられますので、借金があるから生活保護が受けられない、ということはありません。ですから、借金していることを隠すことなく、正直に申告してください。

隠したとしても、ケースワーカーは月に1回訪問調査にきますし、生活保護が適切に使われているか調査をするプロですから、結局はバレてしまうでしょう。

ただし、申告したとしても、生活保護費で借金の返済をすることは認められていませんし、生活保護を受けていることを理由に借金がなくなるわけでもないことに注意してください。

もし隠して生活保護を申請し、生活保護から借金返済をしていることがバレてしまった場合、支給を減額される場合もありますので、隠しておくことは得策ではありません。

自家用車はどうしても必要な場合以外は売却

例えば事業用の車で、仕事に車が欠かせない場合や、住んでいる場所によっては公共交通機関が利用できず、車が必要な場合があるでしょう。

このような場合は、車の保有が認められますが、それ以外には原則として売却する必要があります。

持ち家の資産価値が高い時は売却の可能性もあり

持ち家があること自体は、生活保護却下の理由にはなりません。そもそも生活保護は、現在住んでいるところで生活を立て直すことが目的だからです。

ですから、持ち家があっても、住み続けながら生活保護を受給することは可能です。

ただし、資産価値が高い場合や、まだローンが残っている場合には、売却して資産を作らなくてはならない場合があります。ローンについては、次で詳しく説明します。

ローンを抱えている場合

住宅ローンを抱えている場合には、原則として生活保護は認められません。

というのも、ローンを抱えたまま生活保護を受給すれば、生活保護費がローン返済(借金返済)に充てられてしまうからです。

生活保護受給中は、原則として預貯金も認められませんが、ローンを返済しながら生活保護を受ければ、資産の形成につながってしまうという理由もあります。

ローンが残っているなら、住宅を売却するように指導されるでしょう。ただし、ローンの残額が少ない場合には、例外的に認められる場合があります。

具体的には、

  • ローンの残額が300万円以下
  • 支払期間が5年程度
  • 月額の支払額が生活扶助基準の15%以下

という目安があります。

無職の人は仕事を得る方法を考えることも大事

先ほど説明した通り、今仕事がなくても、就職する努力は必要です。病気や怪我で働けない人は、治療が完了したら仕事先を見つける努力をしなくてはなりません。

生活保護は、困っていたらずっと支給されるものではなく、困っている人が自立できるまでのサポートだということを忘れてはなりません。

生活保護受給者には5つの義務と3つの注意点がある

生活保護を受ける人は、

  1. 能力に応じて勤労に励む
  2. 自ら健康の保持及び増進に努める
  3. 収入、支出その他生計の状況を適切に把握する
  4. 支出の節約を図る
  5. 生活の維持及び向上に努める

という生活上の義務があります。この義務を守らない人は、受給を打ち切られることもありますので、十分注意しましょう。

1.預貯金、資産形成の禁止

今ある資産を活用してもなお、生活に必要なお金が足りない時に支給されるのが生活保護ですから、生活保護をもらいながら貯金をするというのは本末転倒です。

生活保護費をもらいながら、アルバイトをしてその収入を貯金する、というようなことは認められていません。

収入があれば、必ず申告しなくてはならないので、内緒で貯めるというようなことのないように気をつけてください。

ただし、1円も貯めてはいけないというわけではなく、自立に向けての常識的な範囲内の預貯金であれば、認められることもあります。不正受給とならないよう、不明な点はケースワーカーに相談しましょう。

2.ぜいたく品の購入禁止

受給者には、「支出の節約を図る」義務があります。また、最低限度の生活を保証するのが生活保護ですから、ぜいたく品の購入は認められません。

3.借金の禁止

「収入、支出その他生計の状況を適切に把握する」という義務もあります。

無駄遣いをせず、適切な家計の維持に努め、1日も早く自立できるようにすることが生活保護の目的なので、これ以上生活を苦しくするような借金が認められるはずがありません。

そもそも、資産を全て活用した結果、それでも生活が困難だということで支給されているのですから、借金をする余力はないでしょう。

仮に借金をした場合、それは収入とみなされますので、生活保護費が減額されることになります。

もしケースワーカーに報告せずに借金をして、後日調査でバレた場合には、不正受給としてその分の返還を求められることになりますので、注意しましょう。

どうしても生活保護費だけでは足りないという時には、一時扶助として追加支給が認められることもありますので、まずはケースワーカーに相談することが大切です。

クレジットカードと生活保護受給の関係

生活保護を受ける前にクレジットカードを持っていたとしても、受給が決まれば、原則として使えなくなります。

クレジットカードを利用するということは、新たな借金をするのと同じであると考えられるので、利用方法によっては認められないでしょう。

クレカの使用をケースワーカーがどう判断するか

例えば、どうしても生活に必要なお米やパンなどの食べ物をクレジットカードで買うのは認められる可能性があります。

しかしクレジットカードの使い過ぎによって生活が破綻する人も多いため、「収入、支出その他生計の状況を適切に把握する」「支出の節約を図る」という点に反しないか、ケースワーカーがどう判断するかということです。

既に持っているカードを解約することまでは求められないものの、基本的にはクレジットカードは使えないものと思っておいた方が良いでしょう。

途上与信によって停止になる可能性もある

もう一つ、信用情報機関に登録されている情報の変更によって、クレジットカードが停止されることも考えられます。

会社を辞めたときには、住所や氏名の変更と同じように、カード会社に職業の変更を報告する義務があります。ですから、仕事を辞めたことを報告すれば、カードが利用停止になるか、次の更新時に更新されない可能性はあります。

黙っていればわからないと思うかもしれませんが、カード会社はカードを作るとき以外にも、定期的に審査を行っています。これを途上与信といいます。

生活保護を受給するくらい困窮するということは、返済が滞っていることが十分考えられますし、最近の利用が全くないなど、利用に関して適切でない(=利益をもたらさない顧客)とカード会社が判断すれば、次の更新時で終了となる可能性が非常に高いのです。

また、新たにクレジットカードを作ることもできなくなります。安定した収入がなく、生活に困って生活保護を申請するのですから、当然といえば当然です。

生活保護を申請する以外にお金を借りる方法

まだ利用できていない公的な融資制度がないか、生活保護を申請する前に、もう一度考えてみましょう。

国の貸付制度は、一般の金融機関よりも利率が低いことが多く、保証人を立てることができれば無利子になる場合もあるからです。

国から借りられるお金

職業訓練を受けている人が、生活資金が足りない時に借りられるお金があります。「求職者支援資金融資制度」といい、職業訓練を受ける期間分、融資が受けられます。

具体的には、このような条件が整っている人です。

  • ハローワークで求職者支援資金融資要件確認書の交付を受けた人
  • 貸付を希望する理由が適当であると認められる人
  • 暴力団員でないこと
  • 本人の収入が月に8万円以下
  • 世帯の収入が25万円以下
  • 全ての訓練実施日に出席していること

年3%の利率で借入することができて、返済も5〜10年と猶予があります。

融資額は、以下の通りです。

  • 配偶者あり:月10万円(上限)×受講予定訓練月数
  • 配偶者なし:月5万円(上限)×受講予定訓練月数

※月数の上限は12ヶ月

なお、融資の決定は労働金庫が行いますので、労働金庫の審査に通過しないと、借入はできません。

市区町村の役所で借りられるお金

これから事業を起こす人などに向けて、市町村独自で貸付制度を設けているところはありますが、生活困窮者に対して、直接貸付を行う市町村はありません。

国の制度である生活福祉資金貸付制度を利用して、お金を借りましょう。生活福祉資金貸付制度は国の制度ですが、事業の運営主体は各都道府県です。

そして、実際の相談窓口は社会福祉協議会となっており、この協議会の相談窓口が市役所の中にあることが多いため、一般的には市区町村からお金を借りる、という認識になっています。
  • 総合支援資金
  • 福祉資金
  • 教育支援資金
  • 不動産担保型生活資金

の4種類があります。

仕事を失って生活に困っている人が利用するのが、総合支援資金で、このような費用が借りられます。

  • 生活支援費:月20万円以内(2人以上)、月15万円以内(単身)、原則3ヶ月最長12ヶ月
  • 住宅入居費:敷金、礼金などの費用として40万円以内
  • 一時生活再建費:公共料金の立て替え、就職のための技能習得など60万円以内

貸付ですので返済の必要はありますが、保証人ありなら無利子で借りられます。保証人なしでも利率は年1.5%です。

失業したわけでなくとも、例えばお店が営業停止となってしまい、アルバイトで入れる日数が減ってしまったために収入減となった人も借入できる可能性がありますので、まずは福祉協議会で相談してみてください。

また、教育支援資金は

  • 教育支援費
  • 修学支度費

の2種類があります。無利子ですし、返済は最大20年間ありますので、子供の学校にかかるお金が厳しいという場合にも利用して欲しい制度です。

持ち家のある高齢者がお金を借りる方法

持ち家はあるけれど、年金だけでは生活できない、生活保護を受けない厳しいという方が家を担保にお金を借りる方法が2つあります。

上記の生活福祉資金貸付制度の一つである、不動産担保型生活資金であり、

  1. 不動産担保型生活資金
  2. 要保護世帯向け不動産担保型生活資金

の2つがあります。

この制度は、低所得者もしくは要保護世帯(生活保護が必要であるとされる世帯)が、土地の評価額の70%まで借入ができる制度です。

借入可能額は、「1」が月30万円以内、「2」が生活扶助額の1.5倍までです。

借入者が亡くなるまで、もしくは借入額が限度額に達するまでの期間、借入ができます。

最後は不動産を処分することで返済することになっていますので、生活資金を借りながら、持ち家に住み続けることができます。

年金受給者は年金を担保にできる

通常、年金を担保にお金を借りることは禁じられています。年金は個人の貯金ではありませんし、老後の生活や障害等で働けない時の生活を保証するために支給されているからです。

しかし、「年金担保貸付制度」は年金を担保としてお金を借りることができる、法令で認められた唯一の制度です。

ただし、借入ができるのは受給額の範囲内であり、なおかつ、受給額全額分を借りることはできません。また、生活保護受給中には利用できない制度なので、生活保護を申請する前に検討して欲しい貸付制度です。

また、年金担保貸付を利用中に生活保護を受けた場合、生活保護終了から5年間は、この年金担保貸付を利用できなくなりますので、借入と返済は計画的に行いましょう。

  • 借入可能金額:10万円〜200万円、1万円単位
  • (ただし使途が「生活必需品」の購入の時は10万円〜80万円以内)
  • 受給している年金の8割まで(税金を除く)
  • 1回あたりの返済額の15倍以内(おおむね2年半で返せる範囲)
  • 利率:2.8%

返済は、受給する年金から差し引かれる形になります。返済額の上限は支給額の3分の1以下とされていますので、全額返済に回ってしまうということはありません。

なお、借入に際しては連帯保証人が必要です。資金の使途や、使途ごとの必要額など、詳細に見積書を作成しなくてはならず、気軽にすぐ借りられるというものではありません。

年金はセイフティネットの一つですから、それを担保としてお金を借りるというのは、それなりにハードルが高いということです。

ただし、令和4年3月末にて新規申し込みの受付は終了する予定です。この日以降は借入ができなくなりますので、注意してください。

生活保護受給者は消費者金融での借入も難しい?

基本的に、銀行や消費者金融などの金融機関からお金を借りることはできません。

生活保護を受けていたら貸付をしてはいけない、という法令はありませんが、貸金業者は財政状況を調査の上、返済できる人にしか貸してはいけないことになっています。返済能力のない生活保護の状態では審査に通る可能性は限りなく低いです。

借入をする際には、収入の高さはそれほど問題にはされないケースもありますが、「安定的に」収入を得ていることが重要視されます。ですから、パートでもアルバイトでも、「仕事をしていること」が大事なのです。

無職の状態で借入するのは非常に厳しいでしょう。

しかしながら、生活保護受給者が消費者金融カードローンでお金を借りる方法はありますので、どうしてもお金が必要、という方はご覧ください。

本当に困っている時には生活保護受給をためらわないで!

生活保護は、個人に対してではなく、世帯に対して支給されるものですので、失業したからもらえる給付ではありません。世帯として、公的な支援制度を利用してもなお、最低限度の生活が送れないと判断された場合に支給されます。

給付される金額は全国一律ではなく、住んでいる地域の級地区分や世帯構成員の年齢、人数などによって計算されます。ですから、同じ地域に住んでいても、世帯の人数等によって支給額は変わります。

生活保護は返済の義務のないお金ですから、受給にあたっては、受給者の義務があります。

生活を立て直し、自立するための支援ですから、節約して生活し、仕事を探す努力もしなければなりません。もちろん、借金などはできませんので、1日も早く自立できるよう、計画的な支出に努めましょう。

生活保護を申請する以外にも、まだ利用していない支援制度がないか、市役所にある福祉協議会の相談窓口に行ってみることもおすすめします。

生活保護を申請することに抵抗がある人も多いと思います。しかし、これまで仕事を頑張ってきたのですし、生活保護はセイフティネットとして、誰もが利用できる国の制度です。何もためらう必要はありません。

今回ご紹介したように、生活保護はアルバイトの収入などがあっても、最低限度の生活をすることができないと判断されば支給されるものです。

金融機関で無理な借入などをするよりは、生活保護を受けて、1日も早く元の生活を取り戻すようにした方がいいでしょう。

くれぐれも、高金利の闇金などに手を出さないようにしてください。

※記載の情報は2021年3月現在のものです。

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