独立・起業をする際には、その業界の知識だけではなく、税務知識や(従業員を雇用る場合には)労働法制の知識など、様々な知識が必要となります。
しかし、起業する人が自ら全ての知識をつけるには限界がありますよね。そんなときに役立つのが「専門家(国家資格者)」の存在です。今回は、相談したいテーマ別に適切な「専門家」をご紹介します。
1)事業計画や販路開拓などについて…「中小企業診断士」
「中小企業診断士」とは「中小企業支援法」に基づき、「中小企業の経営診断の業務に従事する者」として経済産業省の登録を受けた者をいいます。
個々の中小企業診断士により得意分野の違いはありますが、各種補助金や融資制度についての幅広い情報を持ち、商工会議所などの公的機関や金融機関ともネットワークを有しているため、起業に関する全般的な相談が可能です。
●一般社団法人中小企業診断協会
2)会社設立手続きや会社運営について…「司法書士」
「司法書士」とは「司法書士法」に基づき、法務局に対する登記申請や裁判所に対する申立書類の作成等(裁判事務)を行う専門家(国家資格者)です。
起業支援においては、「株式会社等の設立登記申請」という形で支援を受けることができます。また、「会社法」に関する知識が深いので、起業後の会社運営に関する相談先としても心強い専門家です。
●日本司法書士会連合会
3)特許や商標などの知的財産権について…「弁理士」
「弁理士」とは「弁理士法」に基づいた、特許や商標などの「知的財産権」に関する専門家(国家資格者)です。
起業支援においては、あるサービス(役務)や商品について考え出したオリジナル名称について、「他社にまねをされたくない」や「権利として保護したい」と考えた場合に相談できる専門家です。
(参考:『相続手続きのことなら、相続シェルパ®名古屋』のように、「相続シェルパ」という商標を登録することで、登録されているサービス区分に関して独占排他的にこの商標を使用することが可能です)。
●日本弁理士会
4)各種社会保険手続きや雇用について…「社会保険労務士」
「社会保険労務士」とは、「社会保険労務士法」に基づき、各種社会保険の手続きや就業規則の作成など人事労務を専門とする専門家(国家資格者)です。
起業支援においては、従業員を雇用する場合や株式会社などの法人を設立した後の社会保険手続きなどについて相談が出来ます。また、近年充実している雇用関係の助成金や補助金についての相談も出来る専門家です。
●全国社会保険労務士会連合会
●名古屋の社会保険労務士事務所エベレスト
5)営業上必要となる許認可について…「行政書士」
「行政書士」とは「行政書士法」に基づき、官公庁に提出する各種申請書類の作成代理等を行う専門家(国家資格者)です。
起業時においては、許認可を必要とする事業(代表的なものとして、飲食店営業はもちろん、建設業、運送業、旅館営業、古物商など、多岐にわたります。)をスタートさせる際に、面倒な役所手続きをお任せできる専門家になります。また、個々の行政書士により対応は異なりますが、会計記帳や各種補助金、日本政策金融公庫への融資申請についても行政書士業務の1つとして支援を依頼することが出来ます。
●日本行政書士会連合会
6)各種税金相談について…「税理士」
「税理士」とは「税理士法」に基づいた各種税金に関する専門家(国家資格者)をいいます。
個人事業の確定申告や各種法人の決算について支援を受けることが出来、事業をスタートするうえで欠かせない相談先といえます。最近では、「経営革新等支援機関」という制度がスタートし、税務上のアドバイスのみならず、経営に関する知識をつけ積極的な支援を行う税理士も増えてきています。
●日本税理士会連合会
●経営革新等支援機関の認定制度について(中小企業庁HP)
7)事業の適法性の検討や契約書式の整備など…「弁護士」
「弁護士」とは「弁護士法」に基づいた法律の専門家(国家資格者)です。
ドラマ等の影響もあり、一般的には民事事件や刑事事件などの「裁判」のイメージが強いかもしれませんが、起業支援分野においては、特に契約トラブル等の未然防止や債権回収などに関して心強い専門家です。事業をスタートさせるうえで、事業形態が法律に抵触する可能性(クリアしておきたい法律上の課題)がある場合など、事前に弁護士に相談することが推奨されています。
●日本弁護士会連合会
8)その他相談先がわからないとき…「商工会議所」や「商工会」
相談先がわからないときや相談内容が多岐にわたる場合は、地域の「商工会議所」又は「商工会」へ問い合わせてみましょう。いずれも、商工会議所法及び商工会法という法律を根拠とした公的機関であり、会員でない方でも起業の相談に応じてもらえます。
●日本商工会議所
●全国商工会連合会
まとめ
このように、テーマによってそれぞれ相談すべき専門家が異なります。「餅は餅屋」ですので、それぞれの分野の専門家へ早期に相談を行い、適切な相談を得ることが事業成功のコツの1つと言えるかもしれません。
執筆:野村 篤司 行政書士 行政書士事務所エベレスト
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目次
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- 2.会社の種類は?4つの形態の違いを比較
- 3.新会社法は会社が守るべきルール
- 4.会社は6万円の費用で設立できる
- 5.最短時間で会社を設立するための流れとは?
- 6.会社設立の際に決めるべき5つのこと
- 7.定款の作り方とは?定款は会社のルール集
- 8.電子定款の作成手順を完全解説
- 9.オンラインで電子定款を送信してみよう
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