どのように資金調達を行うかは、独立・起業を考える方にとって非常に大きな問題です。しかし、現在では資金調達の手段として非常に多くの方法が存在しているため、どのような手段を選択するべきかというのはなかなか難しいところ。そこで今回は、独立・起業をする方が資金調達する方法をまとめて紹介したいと思います。
1. 自己資金
資金を調達する前に、まずは自分自身がどれだけの金額を投資できるのかという問題になります。理想的には、「全ての資金を自己資金で賄いたい」と言いたいところですが、そのように恵まれた人はごく少数でしょう。
ただ、なるべく多くの資本金を自分で調達するのが基本です。自己資金は後述するように融資を受けられる金額にも影響するため、多ければ多い程良いのです。
・望ましい自己資金額は?
自己資金はどのくらい? 起業での資金調達(All About 2014/2/4)
2. 勤務先からの出資
大企業の中には、社内の活性化や新規事業の発掘を狙って「社内ベンチャー制度」を設けているところがあります。会社によって条件は異なりますが、中には失敗しても元の職場に戻れるような「気楽な起業」が可能な制度もあるようです。
会社が資本金を出す上、更に借入も可能な制度が多いようです。より大きな会社がバックにあるベンチャーであれば、顧客や金融機関などからも信用されやすく、このメリットは出来たばかりのベンチャー企業にとっては極めて大きいと言えます。
但し、このような「社内起業家」は、失敗すれば社内で肩身の狭い思いをし、最終的には退社せざるを得なくなるという例もあります。一方、ある程度成功して事業が拡大してくると、会社側の思惑と社内ベンチャー側の思惑に溝ができ、更に利害の対立から問題を起こす場合もあるようです。
・社内ベンチャーの成功事例は
社内ベンチャー、成功に導くのは「スマートな野武士」(日本経済新聞 2014/9/4)
・日本の社内ベンチャーは成功しない?
日本の社内ベンチャーはなぜ成功しないのか (日経産業新聞 2014/8/15)
3. 国や自治体からの補助金・助成金
起業家育成のため、国や自治体は意外と多くの補助金・助成金を用意しています。要件に合えばぜひ活用しましょう。
・活用したい補助金、助成金
起業家必見!5分でわかる補助金・助成金の給付額と要件 10選 (経営ハッカー 2014/4/9)
4. 日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
この融資制度は、補助金・助成金の1つですが、他の制度とは異なる特長があります。
それは、決算を1回もしていない、創業したばかりのベンチャーでも融資を受けられるということです。しかも、無担保でも借りられるので、個人資産が無い、創業当初の起業家にとっては大変助かります。但し、「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できること」という条件がありますので、融資金額は自己資金の額によって異なります。
・新創業融資制度
新創業融資制度(日本政策金融公庫)
5. ベンチャー・キャピタル(VC)からの出資
なかなかハードルの高い調達方法ですが、うまくいけば数億円単位の資本金を調達することも可能です。但し、通常は事業プランの段階で出資が受けられることはありません。
では、どうすればベンチャー・キャピタルの出資を受けることができるのでしょうか。それは、一言で言えば、プロを唸らせるような「技術」「商品」や「事業プラン」、そしてそれを証明する一定の「実績」になるでしょう。独自の商品やサービスで急速に顧客が増えているが資金不足で事業を拡大できない、といった段階にあれば、VCの出資も検討に値するでしょう。
6. クラウド・ファンディング
インターネットの普及で俄然注目されてきたのが「クラウド・ファンディング」という手法です。特定の商品やサービスをインターネット上で紹介し、不特定多数の投資家などから出資金や借入金を集める手法です。この手法が面白いのは、単に資金を集めるだけではなく、商品の広告・宣伝にもなったり、商品企画に外部の投資家などの声を反映させることが可能な点です。
マーケティングと資金調達を同時にやってしまうので興味深い手法です。無名のベンチャーにとっては、相性の良い手法かもしれません。このような手法が健全に拡大すると、起業も今よりもさらにやり易くなるかもしれませんね。
7. まとめ
いかがでしたでしょうか。これまでの王道は、なるべく多くの自己資金をかき集めることからスタートして、事業が拡大してきたら金融機関や公的融資を拡大していくことでしたが、VCやクラウドファンディングなど、これまで一般的ではなかった資金調達方法も徐々に日本で広がりつつあります。
自身の、リソースや目的にあった手段を選択できるようにしたいですね。
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目次
- 1.個人経営主と法人のメリットを比較
- 2.会社の種類は?4つの形態の違いを比較
- 3.新会社法は会社が守るべきルール
- 4.会社は6万円の費用で設立できる
- 5.最短時間で会社を設立するための流れとは?
- 6.会社設立の際に決めるべき5つのこと
- 7.定款の作り方とは?定款は会社のルール集
- 8.電子定款の作成手順を完全解説
- 9.オンラインで電子定款を送信してみよう
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